グッドデザイン賞は、1957年からスタートした歴史ある賞で、毎年デザインが優れたものに贈られています。特徴的な「G」のマークの付いた製品を、ご覧になったことも多いのではないでしょうか。
この記事では、グッドデザイン賞を受賞したエプソン、ブラザー、リコーのプリンター・複合機を紹介します。具体的には、エプソンからはインクジェットプリンターと大判プリンターを1機種ずつ。ブラザーからは、モノクロレーザープリンターと複合機の2機種。リコーからはモノクロレーザー複合機2機種の、合計6機種です。
なお、ブラザーの製品に関しては、受賞したのは海外モデルです。この記事では、近い性能の日本国内販売モデルをピックアップしました。
グッドデザイン賞を受賞したプリンター・複合機紹介
コンパクトで環境性能にも優れたエプソンのLM-C400
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LM-C400は、デスクトップサイズのコンパクトなビジネスインクジェット複合機です。用紙幅を一気に印刷できる、ラインヘッドを搭載しています。プリントヘッドを斜めに配置して紙搬経路を短くすることで、小型化に成功しています。
グッドデザイン賞の審査委員からは、インクジェット方式による環境性能の高さや、空間と親和性の高いデザインであることなどが評価されました。
LM-C400の特徴
●A4毎分40枚、ファーストプリント6.4秒の高い生産性
LM-C400は、A4用紙を毎分40枚の速さで印刷できます。モノクロでもカラーでも印刷スピードは変わりません。ウォームアップ時間も短く、ファーストプリントタイムは、モノクロ、カラーともに6.4秒の速さです。多くの枚数を印刷したいときも、少ない枚数を素早く印刷したいときも高い生産性を発揮します。
●インクジェットならではの高い環境性能
インクジェットプリンターであるLM-C400は、印字プロセスで熱を使いません。消費電力は160W以下、待機時を含めたトータルの消費電力を示すTEC値も0.19kwhの高水準です。レーザープリンターと比べて定期交換が必要な部品も少なく、この点でも環境負荷の小さいプリンターです。
●省スペースでカウンターなどにも設置可能
LM-C400は、横幅465mm、奥行517mmの省スペース設計です。小売店のバックヤードや病院のカウンターなど、狭いスペースにも設置しやすくなっています。
LM-C400のスペック表
製品名 | LM-C400 |
メーカー | エプソン |
発売年 | 2024年 |
参考価格 | 85万2500円 |
本体サイズ(幅×奥行×高さmm) | 465×517×570 |
カラー印刷速度(A4文書 毎分) | 40枚 |
モノクロ印刷速度(A4文書 毎分) | 40枚 |
印刷解像度(dpi) | 600×1200 |
Wi-Fi | 〇 |
自動両面印刷 | 〇 |
最大用紙サイズ | A4 |
最大給紙枚数 | 650枚 |
12色のインクを搭載したエプソンの高画質大判プリンターSC-P20550L
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SC-P20550Lは、12色インクを搭載した64インチ対応の大判プリンターです。フォト・ファインアート市場向けの高画質モデルで、さらに生産性の向上や環境負荷の低減を実現しました。
グッドデザイン賞の審査委員からも、高画質を実現しつつも、人や環境に優しい、優れたデザインであると評価されています。
SC-P20550Lの特徴
●12色インクによる高画質
SC-P20550Lには、グレーとライトグレーの2色のグレーインク、オレンジ、グリーン、バイオレットの特色インクなど、合計で12色ものインクが搭載されています。多くのインクを搭載することで、階調性・低粒状性と色再現領域の拡大を実現し、高品位なポスターや写真作品の印刷に適しています。
●大容量インクパックを採用
SC-P20550Lは、従来のインクカートリッジに替えて大容量インクパックを採用しています。インクの交換頻度が少なくなるとともに、保管スペースが約90%削減されています。使用済みのインクパックは回収され、リユースされることで、プラスチック資源の投入量が約21%削減されています。
●作業しやすさにも配慮したデザイン
SC-P20550Lは天面がフラットで、ラップトップを置くスペースに使えます。また、スピンドルレスで、長尺のスピンドルの取り回しが必要なく、本体にはロール紙の仮置き台も設けられているので、ロール紙交換の作業も行いやすくなっています。
SC-P20550Lのスペック表
製品名 | SC-P20550L |
メーカー | エプソン |
発売年 | 2024年 |
参考価格 | 188万8700円 |
本体サイズ(幅×奥行×高さmm) | 2740×760×1145mm |
印刷解像度 | 2400dpi×1200dpi |
Wi-Fi | × |
用紙サイズ(単票紙/ボード紙) | A4縦~B0プラス |
用紙幅(ロール紙) | 254~1626mm |
用紙厚(ロール紙) | 0.08~0.5mm |
印刷可能最大長 | 91m |
ロール外径 | 170mm以内 |
印刷スピード(B0 きれい) | 約4.8分 |
ランニングコスト(B0 きれい) | 約391円 |
コンパクトなモノクロ単機能プリンター ブラザーHL-L2460DW
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ブラザーがグッドデザイン賞を受賞した複合機MFC-L2820DWと単機能プリンターHL-L2405Wは海外モデルです。この記事では、これに近い性能の日本販売モデルとして、複合機はMFC-L2860DW、プリンターはHL-L2460DWを紹介します。
この2機種は、プリンターとしての性能は基本的に同等です。先にHL-L2460DWについて紹介し、プリント以外の機能をMFC-L2860DWの項目で解説します。
グッドデザイン賞では、MFC-L2820DW、HL-L2405Wで採用されている消耗品の自動配送や使用済みトナーカートリッジの回収・再生のシステムが高く評価されました。日本国内では、近いサービスとして「フラット12」というサービスがあります。
HL-L2460DWの特徴
●毎分34枚の印刷が可能なコスパが良いプリンター
HL-L2460DWは、印刷機能のみの単機能プリンターです。カラー印刷はできないモノクロ専用機ですが、機能が限定されている分、低価格で購入できます。低価格ながらも印刷スピードは毎分34枚の速さを誇り、文書の印刷さえできれば良い人にとっては非常にコスパの良い製品です。
●コンパクトなサイズで前面からトナー交換が可能
HL-L2460DWは、横幅356mm、奥行き360mmのコンパクトなサイズです。トナーの交換に加えて、給紙・排紙などの全ての操作が前面から可能なので、省スペースで設置できます。超・大容量トナーを使用すれば約5000ページの印刷が可能で、トナー交換の手間も省けます。
コンパクトサイズでADF、FAX機能も搭載したブラザーMFC-L2860DW
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グッドデザイン賞を受賞した複合機MFC-L2820DWに近い機能の日本販売モデルとして、MFC-L2860DWを紹介します。コピー・スキャンはもちろんFAXも使える複合機で、ADF(自動原稿送り装置)も搭載しています。
MFC-L2860DWの特徴
●2.7型のタッチパネルを搭載
HL-L2460DW には無い特徴として、MFC-L2860DWには2.7型の液晶タッチパネルが搭載されています。直感的なタッチ操作が可能で、各種設定も簡単に行えます。
●ADFは最大50枚対応
MFC-L2860DWは、幅410mm、奥行き399mm、高さ319mmのコンパクトなサイズの複合機です。コンパクトながら、最大50枚に対応するADFを搭載していて、多量の文書もスムーズに読み込めます。フラットベッドも搭載しているので、書籍などの読み込みも可能です。
●ファクスで受信したデータやスキャンデータを保存できるクラウド対応
本機でスキャンしたデータやファックスで受信したデータは、クラウドに直接保存ができます。保存したデータを、インターネットを経由して外出先などからも確認でき、データの有効活用が可能です。
HL-L2460DW・MFC-L2860DWのスペック表
製品名 | HL-L2460DW | MFC-L2860DW |
発売年 | 2024年 | 2024年 |
参考価格 | 1万2855円 | 2万9009円 |
本体サイズ(幅×奥行×高さmm) | 356×360×183 | 410×399×319 |
印刷速度(A4モノクロ 毎分) | 約34枚 | 約34枚 |
印刷解像度(dpi) | 1200×1200 | 1200×1200 |
Wi-Fi | 〇 | 〇 |
自動両面印刷 | 〇 | 〇 |
最大用紙サイズ | A4 | A4 |
最大給紙枚数 | 251枚 | 251枚 |
印刷コスト(A4モノクロ文書) | 約3.3円 | 約3.3円 |
A3対応のコンパクトなリコーのモノクロ複合機RICOH IM 460F/370F
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リコーからは、RICOH IM 460FとRICOH IM 370Fという、モノクロ複合機の2機種がグッドデザイン賞を受賞しました。2つのおもな違いは印刷スピードで、それ以外の機能には大きな違いがありません。いずれもコンパクトなサイズでありながら、A3サイズの用紙も印刷やコピーができます。
グッドデザイン賞の審査委員からは、A4複合機と大差ないサイズ感でありながらA3のプリントが可能である点や、使いやすいUIパネルやGUIが高く評価されています。
RICOH IM 460F/370Fの特徴
●A3モノクロ複合機クラス最小のコンパクトボディ
RICOH IM 460F/370Fは、幅374mm、奥行き533mmのコンパクトな複合機です。2023年7月現在のリコー調べで、A3対応モノクロ複合機のクラス最小の設置面積となっています。とはいえ、用紙カセットにセットできるのはA4サイズの用紙まで。A3用紙をプリントしたいときは、手差しトレイにセットします。
●操作しやすい7インチタッチパネル
RICOH IM 460F/370Fには、7インチのフルカラータッチパネルが搭載されています。パネルは角度変更が可能なので、フロアに置いた場合もデスクやカウンターに置いた場合も操作しやすくなっています。アイコンも大きく表示され、操作方法のヘルプや紙詰まりなどのエラーの解決操作も見やすくなっています。
●DX促進に役立つ機能
RICOH IM 460F/370Fには、1回のスキャンで両面の読み取りができる1パス両面ADFが搭載されています。1分間に片面46ページ、両面92ページの高速スキャンが可能です。有償ではありますが、パソコンを使わずに紙文書を電子化してクラウドに保存したり、名刺をまとめてスキャンするだけで名刺情報をデータベース化したりできる機能も使えます。
●IM 460FとIM 370Fの違い
2機種の主な違いは印刷スピードで、IM 460Fは毎分46枚、IM 370Fは毎分37枚の印刷が可能です。ファーストプリントタイムは、IM 460Fが3.2秒、IM 370Fが3.8秒で、IM 460Fが若干速くなっています。ただし、エネルギー消費効率はIM 460Fが88kWh/年、IM 370Fが66kWh/年と、IM 370Fの方が省エネ性能は高くなっています。
RICOH IM 460F/370Fのスペック表
製品名 | RICOH IM 460F | RICOH IM 370F |
発売年 | 2023年 | 2023年 |
参考価格 | 75万9000円 | 69万5200円 |
本体サイズ(幅×奥行×高さmm) | 374×533×640 | 374×533×640 |
印刷速度(A4モノクロ 毎分) | 46枚 | 37枚 |
印刷解像度(dpi) | 1200×1200 | 1200×1200 |
Wi-Fi | オプション | オプション |
自動両面印刷 | 〇 | 〇 |
最大用紙サイズ | A3(手差しトレイ)、A4(本体トレイ) | A3(手差しトレイ)、A4(本体トレイ) |
最大給紙枚数 | 650枚 | 650枚 |
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2024年のグッドデザイン賞を受賞したプリンター・複合機を合計6機種紹介しました。
グッドデザイン賞は、単にデザインの善し悪しだけを評価するものではなく「デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動」と定義されています。この記事で紹介した製品も、環境性能の高さやユーザーにとっての使いやすさなど、多角的に評価がなされています。この記事を読んで、興味を惹かれる製品が見つかった方は、購入を検討してみてください。
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