こんにちは、松本洋紙店スタッフです。
多業種にわたる松本洋紙店ご愛用者さまから、今回は
アマチュア写真家 室田あいさまにご協力をいただきお話をお聞きしました。
長く写真用紙をご愛用くださってます。
日本写真協会会員、宝塚写真協会会長、
新しいものを中心に、貴重なお写真を4点、掲載させていただきました。
ぜひご一読くださいませ。
Q:プロフィールをお教えください
写歴28年です。
始めて2年で日本カメラ月例・年度賞3位を取ったのを皮切りに、アサヒカメラ年度賞2位等受賞し、しばらくフォトコンテストを中心に活動。その後、写真展を目指してテーマを撮り始めました。東京、大阪ニコンサロンにて「熱風都市」開催。プレイスⅯやニコンギャラリーで展覧会は8回開催しています。
4年前からアサヒカメラ月例組写真の部応募を再び始め、年度賞1位を得てコロナ禍に突入。只今心に栄養を与え中です。
Q:どんな思いで撮影されてらっしゃるのでしょう
撮り始めて最初の2年、ひたすら撮影していました。家庭も顧みず、という感じです(笑)。その時に撮りまくったことがベースになっています。たくさん撮影し、経験を積むことが人間性を深め、作品も深めると思っています。
街を中心に撮影していますが、海外にもしょっちゅう出かけていました。ヨーロッパにも何度も行きましたし、今回作品を載せているベトナムにも8回は行きました。ベトナム北部のラオス、中国との国境で撮影していたときは、たまたま麻薬絡みの栽培地だったようで憲兵なのでしょうか、追いかけられて6時間拘束されたこともありました。フィルムは目の前で感光させられたのですが、もちろん撮影したものは隠して新品のフィルムを出しました。
そんな経験もありつつ、撮影のときは被写体を見逃すまい、その一瞬を大切にしようと常に真剣です。伸びる人はやっぱり、たくさん撮る人ではないでしょうか。被写体に興味を示し、撮ることで感性が磨かれる。もちろん最初から才能がある人もいます。でも、才能がなくても努力すれば磨かれていくと思います。
被写体は昆虫と動物以外、何でも!です。
また、本もたくさん読みます。良い作品作りには読書は必須だと思っています。もともと考古学に興味があったのもあって、現在は古代史を中心に読み、関連する場所で撮影したりしています。他にももちろん、頭を休めるために推理小説なんかも読みますよ。
Q:今回の作品について一言ずつお聞かせください
朝日を浴びて
ヴェトナム ホーチミン市街地の赤い砂漠の風景です。
普段は自然な姿を撮影するのですが、あまりにきれいな朝日だったので現地の方に立っていただきました。
漁網
ヴェトナム中部の村。漁が終わっての作業。
被写体がなかなかないな、と思いながら裏道を入ったら、逆光の中のこの風景に出会いました。
湖畔の雪
琵琶湖マキノの猛吹雪、わざわざ天気予報を見て雪を狙って出かける。
雪だるまのようになって撮影しました。高齢の4人組だったので、仲間を気遣いつつの撮影になりました。
家族揃って
毎年行われる奈良県川西の共同墓地の盆供養、屋台が出て一風変わった墓参りです。
4つの村の共同墓地なのでたくさんの人が集まり、美しい盆供養なのですが、現在は撮影は難しくなりました。
Q:カメラやプリンタ等こだわりはありますか?
Nikonのカメラを愛用しています。F3から始まってF5を通り、現在はZシリーズを使用中。水中カメラはオリンパスを使っています。
プリンタはエプソン。SC-PX5V2を使っています。
A4/A5/B4/2L/A3ノビは松本洋紙店の絹目調を使っています。よく使うので、お友達がお歳暮やお中元で送ってくれたりしたほどです(笑)。
基本的にプリンタ、パソコン(DELL製)、紙は同じメーカーのものを使い続けるようにしています。慣れた環境のほうが思った色を出せたり思うような作品に仕上げることができると思いますので。
Q:エネルギーはどこから湧いてくるのでしょうか
もともと、物事を突き詰めるという性格もあると思います。最初は書道という「静」の世界にいて、写真という「動」の世界に転向しました。わたしには「動」のほうがあっていたようで、まるで麻薬のようにのめり込んだ感じです。写真と出会って本当に良かった。たくさんの経験を通じて人間としても奥が深くなると思いますし、多少のことでは動じない強さも身につきました。
経験だけでなく、元大学教授の方について総論を学び続けています。まずはやってみて、その後、体系的に学ぶスタイルが合っているようです。身体で理解し、その後、頭で理解する。その両方が必要な気がします。
思い返してみたら、要するに。好きなように生きてる!って言うことでしょうか。
Q:今後の作品づくりについてお聞かせください
現在は、あとに残るものとして本を出すことを考えています。展覧会は記憶には残りますがそのまま消えて行ってしまうような気がして。
地震があったり、コロナがあったり、なにか切迫感を感じて生きています。車もバイクも乗り回していますし、何があってもおかしくない世の中。今、残さないと、という気持ちと、また、目標を持って生きることの大事さを強く感じます。
加えて、今までの経験を少しでも私の周りの写友さん達に伝えられたらと思い
松本洋紙店スタッフより
このブログにもご登場いただきました中澤さま、青木さま、山中さまとも旧知の中でいらっしゃって、当店の用紙は青木さまからの情報でお知りになったそうです。本当にありがたいことです。
アサヒカメラの組写真の部で2019年度賞を取られた「潮かけ祭」という作品が印象的で、このダイナミックなお写真を女性が撮ってらっしゃるんだーと心に残っていました。今回そのときのお話もお聞きできましたが、船の上で大きなホースで海水をかけられ息もできない状況で撮影をされる、それがとても快感で身体全体で喜びを感じるような感覚で何度も行ってらっしゃるとか!船を降りたあとの爽快感もたまらないそうです。お写真がダイナミックということは、撮影された方もやっぱりダイナミックでした!
撮影に出られなかったコロナ禍の日々は、お家でパンを焼いたりお料理をしたり、お花を育てたり菜園もされたり、庭木の剪定までご自分でしてらっしゃったそうです。睡眠時間はだいたいいつも4時間ほどとのこと!
室田さまもおっしゃってましたが、写真家の方々は皆さん多くの経験を積んでらっしゃるとのこと。写真家の方々を集めての食事会を催したら、気が済むまでお話お聞きするのに数日かかるかもしれません!
まずは室田さまの本を心待ちにしたいと思います。。。ありがとうございました。
ちなみに室田さまご愛用の写真用紙、よろしければこちらからご覧ください。
フォトコンテストに使える写真用紙のページはこちら。