紙のコラム

紙と筆記用具には実は相性があった!?筆記用具の仕組みから書きやすい紙と書きにくい紙を解説

何で書くのかによって適した紙が違う

一口に紙といっても、表面がざらざらしたもの、ツルツルしたもの、デコボコしたものなど、いろいろな種類があります。その特徴と、どんな筆記用具を使うかで、書きやすさがぜんぜん違います。

この記事では、筆記用具としてメジャーな万年筆、ボールペン、マーカー、筆ペンと相性のいい紙をご紹介します。

万年筆の特徴と相性のいい紙

万年筆の特徴と相性の良い紙
万年筆は、ペン先が紙に触れるとインクが流れて字が書ける仕組みです。

表面に凹凸のある紙は、ペン先が引っかかって書きにくいので避けたいところです。また、にじみやインクが裏側に抜けて汚れてしまう“や裏抜け”が生じやすい紙は向いていません。

万年筆と相性の良い紙は、滑りにくくにじみにくいフールス紙や、薄くて軽く、裏移りしにくい手帳用紙などです。

【参考】
手帳用紙
吸取紙

ボールペンの特徴と相性のいい紙

ボールペンの特徴と相性の良い紙
ボールペンはペン先を紙に押し当てて動かすと、ペン先のボールが回転してボールに付着したインクが紙に転写されて筆記ができる仕組みです。

ボールペンのインクには、粘度が高くにじみが少ない油性インク、サラサラの書き味で発色がいい水性インク、ふたつの長所を合わせたゲルインクがあります。

表面をフィルムでコーティングした紙は、ペン先のボールが滑って回転せず、ボールペンでの筆記には向きません。ボールペンで字を書くには上質紙がおすすめです。

また、ボールペンを絵画用に使うときは、表面に凹凸がある紙よりも、表面が平らなケント紙が向いています。

【参考】
上質紙
ケント紙

マーカーの特徴と相性のいい紙

マーカーの特徴と相性の良い紙
マーカーは、マーキングペン、サインペン、フェルトペンとも呼ばれ、毛細管現象によってインクがペン先に伝わり、筆記ができる仕組みのペンです。

インクにはにじみや裏移りの少ない水性と、非吸収面にも筆記できる油性があります。

水性マーカーには、コーティングしていない上質紙やケント紙がおすすめ。コート紙やマットコート紙などは、滑りやすく擦れやすいので向いていません。

油性マーカーは、厚手の紙と好相性。ケント紙やPOP用紙、ボール紙などがおすすめです。

【参考】
上質紙
ケント紙
プライスカード
チップボール(ボール紙)

鉛筆の特徴と相性のいい紙

鉛筆の特徴と相性の良い紙
鉛筆の芯は、黒鉛と粘土から作られています。紙にこすりつけたときの摩擦によって芯の表面が削られ、その粉が紙の繊維に付着したものが線として見えるしくみ。

表面がコーティングされたツルツルの紙は、鉛筆の芯が削れにくく、線を引いても薄くなったりまったく書けなかったりします。

鉛筆と相性のいい紙は、適度なざらつきのある上質紙などの非塗工紙です。また、デッサンなど絵を描くためなら、ケント紙やクロッキー用紙もおすすめ。

【参考】
上質紙
ケント紙

筆ペンの特徴と相性のいい紙

筆ペンの特徴と相性の良い紙
筆ペンは、本物の筆に慣れていない人でも使いやすい筆記具です。一般的な毛筆タイプはカートリッジを押してインクを出す構造。フェルトタイプは、マーカーのような感覚で使えるペンです。

筆ペンを使うときは、少し凹凸のある紙が向いています。穂先のコシを利かせるには、タント、マーメイド、クラフト紙がおすすめ。タントやマーメイドは、カラー筆ペンで絵を描くときにもにじみ表現を楽しめます。

【参考】
タント
マーメイド

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筆記具と相性のいい紙を使うと、ストレスなく気持ちよく書けます。紙選びに悩んだときは、ぜひ参考にしてくださいね!

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