春は始まりの季節です。新年度を迎えるにあたり、新しい名刺を作ってみませんか?
自作名刺の良い点は、自分の好きなように自由にデザインできて、何度でも修正できるところ。それに、なんといってもコストを抑えられるのが魅力です。
この記事では、自分で名刺を作るときの用紙の選び方や印刷の仕方をご紹介します。
名刺に適した用紙の選び方
名刺印刷用には、やや厚みのある紙が適しています。名刺によく使われているのは連量160~220kgの用紙。目安として、連量180kgは郵便はがきぐらいの厚さです。
定番の名刺用紙
紙質は、文字の多い名刺か、写真やイラストがメインの名刺かによって適したものが異なります。名刺用紙の代表的なものは、以下の通りです。
上質紙
非塗工紙で光沢がなく、筆記性に優れます。枚数の多いときはコストが抑えられるメリットも。発色は劣るので写真やイラストにはあまり向いていません。
マットコート紙
表面につや消しのコーティングを施した用紙です。上質紙よりなめらかで、コート紙よりもさらっとしています。文字が見やすく、最もオールマイティに使える用紙です。
コート紙
表面をコーティングした光沢のある紙で、発色が良く、写真やイラストがメインの名刺に向いています。
【参考】
MS上質紙
MSマットカード
両面マット紙
フォト光沢紙
個性を演出する名刺用紙
名刺で積極的に企業のイメージを伝えたいときには、少し個性的な用紙を選びましょう。例えば、次の用紙がおすすめです。
色上質紙
カラーバリエーションが30種類以上あるので、好きな色を選べます。手軽に個性を演出するのに便利な用紙です。
マーメイド
表面に凹凸があり、あたたかみのある仕上がりになります。優しい色合いなので、ナチュラルな雰囲気にしたいときにおすすめ。
NTラシャ
羅紗織りの風合いを持ったファインペーパー。きめが細かく、折り曲げに強いのが特徴です。カラーバリエーションも豊富。
大礼紙
繊維を漉き込んだ和紙です。上品で高級感があるので、老舗企業や日本の伝統に関連したものを扱う企業に向いています。
竹はだGA
竹パルプを30%以上配合した用紙。環境に優しいファインペーパーで、エコ紙としてアピールできます。あたたかみのある風合いが特徴。
【参考】
色上質紙
マーメイド
NTラシャ
大礼紙
竹はだGA
名刺を作る前に知っておきたいこと
実際に名刺を作り始める前に、名刺のサイズや何を記載するか、どんな書体にするかなどは決めておきましょう。ここから、それぞれの項目を解説します。
名刺のサイズはどのくらい?
もっとも一般的な名刺サイズは、55×91mmです。別名「4号名刺」ですが、大阪では「9号」と呼ばれています。
そのほか、欧米で一般的な欧米名刺は51×89mm。日本でも外資系企業や、個性を演出したいクリエイティブ系の企業でよく使われています。
また、女性名刺と呼ばれる3号名刺のサイズは49×85mm。角が丸くなっていてかわいらしい印象で、飲食店やエステ、美容院などに向いています。
縦型と横型のどちらがいい?
名刺には縦型(縦書き)と横型(横書き)があり、現代では横型が主流。WebサイトのURLやメールアドレスを記載するには、横書きの方が読みやすいからです。また、横型はデザインのテンプレートも豊富で、選択肢が広がります。
一方、縦型の名刺は現代では少数派。そのため、受け取った相手の印象に残りやすいメリットがあります。毛筆書体などを使うと日本語の美しさを表現できるので、「和」を重視するお店や老舗企業向けです。
名刺に記載すべき情報は?
名刺に記載する必要事項は、次の通りです。
氏名
必要不可欠な項目。読みにくい名前にはふりがなを振っておくと親切です。
会社名(法人名)
相手に信頼感を与えるために必要です。正式名称を記載しましょう。
部署名
複数の部署がある会社では、所属部署名を記載します。
役職(肩書)
横書きの名刺は氏名の左上、縦書きの名刺は氏名の右上に記載しましょう。
住所
会社や店舗の所在地を、郵便番号や都道府県名も省略せず正確に記載します。
電話番号
会社代表の電話番号を載せましょう。外出が多い場合は、連絡がつきやすい携帯電話番号も記載しておきます。
メールアドレス
名刺の本人に届くメールアドレスを記載します。
WebサイトURL
自社のサービスを知ってもらうために必要です。
営業時間・定休日
店舗の場合はとくに、連絡がつく時間帯を知ってもらうために記載しましょう。
そのほか、必要に応じて載せる項目は、会社ロゴ、会社のサービス紹介、顔写真、資格、Webサイトのバーコード、キャッチフレーズ、SNSアカウント、過去の実績・経営理念など。
ただし、あれもこれもと情報は詰め込み過ぎると、読みにくくなってしまいます。情報は厳選して載せましょう。
名刺にふさわしい書体は?
読みやすい名刺を作るためには、書体選びも大切です。次の書体がよく使用されています。
明朝体
オーソドックスで堅実な印象です。縦書きにも適しています。
ゴシック体
読みやすさを重視したいときに。やわらかい印象を与えます。
楷書体
厳格な雰囲気で、老舗企業や和風店舗に向いています。
Helvetica(ヘルベチカ)
英語表記で落ち着いた印象を与えたいときに。
Garamond(ギャラモン)
英語表記で優雅な印象を与えたいときに。
フォントサイズは小さいと読みにくいので、6pt(ポイント)以上の大きさがおすすめです。
名刺を印刷する3つの方法
自分で名刺を印刷するには、Wordで作成する方法、テンプレートを使う方法、スマホアプリを使う方法があります。
Wordで作成する方法
自分で一から名刺を作るには、Wordを利用するのがおすすめ。載せたい情報を好きなように配置できて、好みの色で作れるのがメリットです。
Wordの新規作成をクリックして、「差し込み文書」タブにある「ラベル」を選択します。「オプション」から手持ちのラベル用紙を選んだら名刺を作成し、印刷するという流れです。
名刺用紙はA-ONE(エーワン)が有名ですが、「ラベルの製造元」をクリックするとそのほかにも選べます。
名刺テンプレートを利用する
もっと手軽に作るなら、テンプレートを提供しているサイトを利用しましょう。ネットで検索すると、たくさんヒットします。無料で使えるデザインツール「Canva」にも、名刺のテンプレートが豊富にそろっています。
また、A-ONE(エーワン)やエレコムなどの名刺用紙を販売するメーカーからも名刺作成ツールが提供されているので、チェックしてみてくださいね。
スマホアプリを利用する
キヤノン、エプソン、ブラザーなど、使用しているプリンターに対応しているスマホアプリで名刺を作成する方法もあります。パソコンで使える名刺作成ソフトと同様に、スマホアプリでもテンプレートがそろっているので、好きなデザインを選びましょう。プリンターをWi-Fiに接続したらアプリを使って名刺を作り、印刷すればできあがりです。
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少ない枚数だけ印刷したいときも、名刺作りは自分でするのがおすすめです。すべて自分で決めるのが難しい場合でも、テンプレートを利用すればかなり自由が利きます。この春、ぜひお試しください!
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