名刺に名札、社員証、お店の情報を記したショップカードにポイントカードなどなど、ビジネスで「カード」を使う機会はなにかと多いものです。そこでこの記事では、おもにカード類を印刷する専用プリンターに注目しました。
カードプリンターは最大でも封筒程度のサイズまでしか印刷できず、いわゆる一般的なA4サイズの文書印刷には使えません。一方、名刺やショップカードを厚手の紙で印刷するのはもちろん、プラスチック製の社員証や資格証まで印刷可能で、カード類であればじつに多様な用途に使えます。
これまで、社外に依頼していた印刷物を内製化することで納期を短縮したり、コストを抑えたりできまそうですね。業務上、カード類の製作が必要な事業所は、この記事を読んで導入を検討してみてはいかがでしょうか?
カードプリンターの種類・選び方
カードプリンターは、その名のとおりカード類の印刷に特化したプリンターです。この記事では、紙のカードにもプラスチックのカードにも印刷できる、汎用性の高い製品を主に紹介していますが、紙には印刷できずプラスチック製のカードのみに印刷が可能な製品もあります。
カードプリンターを選ぶときは、印刷できる素材や印刷できるサイズを確認して、必要な印刷が可能かどうかを必ず確認しましょう。
紙にもプラスチックにも印刷できる汎用性が高いカードプリンター2選
大量のカードも素早く印刷できる「CX-G6400」
CX-G6400は、処理能力に優れたカードプリンターです。大量の名刺やカードを短時間で印刷できます。名刺やカードのほか、ハガキや封筒の印刷もでき、プラスチックカードも印刷できる汎用性の高い製品です。
CX-G6400の特徴
●大量のカード類を短時間で印刷可能で業務効率をアップ
印刷スピードの早さは、CX-G6400の特徴の1つです。名刺やカードなら1分間に100枚、ハガキなら1分間に45枚の印刷ができます。短時間に多くのカード類を印刷できるので、業務効率もアップします。
●カードや名刺以外に封筒などにも印刷できる高い汎用性
CX-G6400は、一般的なサイズのカードや名刺のほか、ハガキや封筒などの印刷もできる汎用性の高いカードプリンターです。紙は幅85.0~120.0mm、長さ49.0~300.0mmの範囲で、プラスチックカードは幅85.0~120.0mm、長さ49.0~150.0mmの範囲で印刷できます。
●コスト削減に役立つ低コスト
本製品の名刺1枚分のインクコストは、約0.3円です。キヤノンマーケティングジャパンによると、名刺を100枚外注した場合のコストが約1200円に対し、本製品を使用した場合のコストが約386円と、コスト削減に効果的です。コスト面だけでなく、名刺に記載する事項に変更があった場合もすぐに対応できるメリットもあります。
CX-G6400の仕様
●価格
参考:66万4991円(税込み・Amazon 23/6/23現在)
●ランニングコスト(インクコスト)
名刺1枚:約0.3円~
●対応インクタンク
BJI–P411BK ブラック
BJI–P411C シアン
BJI–P411Y イエロー
BJI–P411M マゼンタ
※各約6900円~(Amazon 23/6/23現在)
コンパクトで少量印刷にも便利な「CX-G2400」
CX-G2400も、キヤノンのカードプリンターですが、CX-G6400とは特性がかなり違います。上記の通りCX-G6400は、カード類を大量に印刷するのに向いています。一方、CX-G2400はコンパクトなサイズで、少量の印刷に適した機能も備えています。使うシーンによっては、CX-G6400よりも便利なカードプリンターです。
CX-G2400の特徴
●省スペースで1枚排紙モードも搭載
CX-G2400のサイズは、391×180×279mmと小さめ。重さも約8kgしかなく、省スペースで軽量なカードプリンターです。また、カードを1枚ずつ排出する「1枚排紙モード」が搭載され、資格証や診察券などの記載情報を、1枚ずつ確認しながら発行するのに適しています。排出したカードは、排紙口で停止する仕組みです。
●余白を少なく印刷できるマイクロマージン技術
本製品は、上下左右のマージン(余白)を約0.3mmまで少なく印刷できるマイクロマージン技術を採用しています。人の目ではほぼフチなしに見えるほどの精度の高い印刷が可能です。
●スタンプカードなどの長尺紙も印刷できる
CX-G2400で印刷できる用紙のサイズは、CX-G6400と比べると汎用性ではやや劣りますが、幅は51.0mm~58.0mm、長さは81.0mm~91.0mmおよび157.0~172.0mmの範囲で印刷可能です(長さ91.1~156.9mmは非対応)。二つ折りにして使う、スタンプカードのようなものも印刷できます。
CX-G2400の仕様
●価格
参考:31万9780円(税込み・Amazon 23/6/23現在)
●ランニングコスト(インクコスト)
名刺1枚:約0.3円~
●対応インクタンク
BJI–P211BK ブラック
BJI–P211C シアン
BJI–P211Y イエロー
BJI–P211M マゼンタ
※約3200円~(Amazon 23/6/23現在)
名刺やカード類の印刷に適した紙は?
ここで、名刺やカード類を印刷するのに適した紙について紹介します。
名刺やカード類を印刷する用紙には、ある程度の厚みがある、しっかりとした紙がおすすめです。一般的な名刺やハガキの厚さは0.2mmくらいなので、これを基準にして選ぶといいでしょう。
松本洋紙店では、光沢のないマット紙やフォト光沢紙、上質紙などの名刺やカード類に適した用紙を取りそろえています。
用紙には、インクジェットプリンター用とレーザプリンター用、インクジェット・レーザー兼用の区別があります。選ぶときは、ご注意ください。
希望したサイズへの断裁加工も行っています。注文するときに、備考欄に断裁サイズをミリ単位で記入してください。断裁加工の加工賃は1100円(税込)で、名刺のような1辺99mm以下の加工については、特別断裁加工として2200円(税込)となっています。
詳細につきましては、以下のページでご確認ください。
【参考】
名刺・カードにおすすめの用紙について
断裁加工について
紙の印刷に特化したインクリボン式プリンター
ここまで紙とプラスチックカードに印刷できる汎用性の高いカードプリンターを紹介しました。最後に名刺を中心とした小さいサイズの紙専用のプリンターを紹介します。
箔印刷もできる名刺プリンター「CARD MATE Digica Rev.6c」
キヤノンのカードプリンター2機種と違って、こちらはインクリボン式のプリンターです。印刷コストはやや高めですが、インクジェットでは不可能な本格的な箔印刷も可能です。
CARD MATE Digica Rev.6cの特徴
●本格的な箔印刷が可能
本製品は、リボン状のフィルムに塗布されたインクを熱で溶かして転写する熱転写方式のプリンターです。ホログラムやメタリックゴールドのような、インクジェットでは不可能な箔印刷にも対応していて、受け取った人の印象に残る個性的な名刺を作成できます。
●名刺の他、はがき・長尺のカードにも対応
本製品の用紙対応サイズは、幅40~120mm、長さ49~300mm。厚さは0.15~0.75mmの用紙に対応しています。コート紙にも印刷可能で、小型の厚手の紙に印刷するカード類について幅広く対応できるプリンターです。
●小さな文字も鮮明に印刷
名刺には会社の住所などの情報を載せるため、小さな紙のわりに情報量が多くなります。そうなると文字が小さくなりがちですが、本製品にはシャープネス&エッジ強調処理の機能が搭載されていて、小さくてもはっきり見やすく印刷できます。
CARD MATE Digica Rev.6cの仕様
●価格
参考:89万4300円(税込み・カタログ掲載価格)
●インクリボンコスト
約1.1円~(黒色名刺前面)
●対応インクリボン
DPR104 ファインブラック (1箱5本)
DPR105 コートファインブラック (1箱2本)
DPR311 ファインブラック幅狭 (1箱2本)
DPR201 ライトグレー (1箱2本)
DPR202 ライトレッド (1箱2本)
DPR203 ダークグレー (1箱2本)
DPR204 レッド (1箱2本)
DPR205 オーシャンブルー (1箱2本)
DPR206 ブルー (1箱2本)
DPR207 ダークブルー (1箱2本)
DPR208 ライトグリーン (1箱2本)
DPR209 ダークグリーン (1箱2本)
DPR210 ブラウン (1箱2本)
DPR211 ゴールド (1箱1本)
DPR214 シルバー (1箱1本)
DPR410 ホログラム(金箔)050 (1箱1本)
DPR402 メタリックゴールド (1箱1本)
DPR403 メタリックシルバー (1箱1本)
DPR405 メタリックピンク (1箱1本)
※ファインブラック2万7225円、コートファインブラック1万1880円、ファインブラック幅狭6534円、通常カラー1万9800円、ゴールド・シルバー1万5950円、ホログラム(金箔)050 1万2870円、メタリックゴールド・メタリックシルバー5060円、メタリックピンク7920円(税込 カタログ掲載価格)
カードプリンター・名刺プリンター3機種のスペック比較表
製品名 | CX-G6400 | CX-G2400 | CARD MATE Digica Rev.6c |
---|---|---|---|
メーカー | キヤノン | キヤノン | 山櫻 |
発売年 | 2017年 | 2014年 | 2016年 |
参考価格 | 66万4991円 | 31万9780円 | 89万4300円 |
本体サイズ (幅×奥行×高さmm) |
415×410×464 | 391×180×279 | 362×316×363 |
印刷速度 (名刺 毎分) |
約100枚 | 約50枚 | 約38枚 |
印刷解像度(dpi) | 1200×1200 | 1200×1200 | 600×1200 |
Wi-Fi | × | × | × |
カスタム用紙サイズ (mm) |
幅85.0~120.0、長さ49.0~300.0 | 幅51.0~58.0、長さ81.0~91.0、157.0~172.0 | 幅40~120、長さ49~330 |
最大給紙枚数(名刺) | 500枚 | 250枚 | 300枚 |
インクコスト(名刺 1枚) | 約0.3円~ | 約0.3円~ | 約1.1円~ |
名刺やハガキ、カード類の印刷に適した専用プリンターを紹介ごしました。
一般的なプリンターでも名刺やカードの印刷はできますが、A4用紙に印刷して1枚1枚切り離す手間が生じます。あらかじめミシン目が入っていたり、台紙からはがすだけで使えたりする用紙も販売されていますが、印刷する枚数が増えると、やはりそういった作業も負担になります。
カードプリンターなら、名刺やカードのサイズの用紙のそのまま印刷するだけなので便利です。プラスチックカードも印刷できて、コスト削減や業務効率化にも役立つ製品なので、カードを大量に発行する店舗業務や医療現場などは、カードプリンターの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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