ひとむかし前は、レーザープリンターはビジネス用、インクジェットプリンターは家庭用というイメージが一般的でした。しかし、従来のインクジェットプリンターとは一線を画すビジネスインクジェットと呼ばれるプリンターが登場して、状況が変わりました。現在では、ビジネス用のプリンターにインクジェットを導入する企業も増えています。
この記事では、そんなビジネス向けインクジェットプリンターと、もともとビジネス向けと言われていたレーザープリンターを徹底比較しています。どちらのタイプを導入すべきか悩んでいる企業の担当者は、参考にしてください。
インクコストはビジネスインクジェットが低い傾向
ビジネスユースのプリンターにおいて、多くの人が気にするのは、印刷コストではないでしょうか。一例として、キヤノンのビジネスインクジェットGX6530とレーザープリンターMF751Cdwを比較してみます。両者とも実売価格が7万円程度の機種で、コピーやスキャンもできる複合機です。
メーカーが公表している1枚当たりの印刷コストを元に、100枚当たり、3000枚当たりのコストを算出しました。なお、ここでいう印刷コストはインクコストおよびトナーコストのことで、用紙代は含んでいません。
ビジネスインクジェット GX6530 |
レーザープリンター MF751Cdw |
||
印刷コスト1枚 | カラー | 2.2円 | 18.2円 |
モノクロ | 0.8円 | 3.5円 | |
印刷コスト100枚 | カラー | 220円 | 1820円 |
モノクロ | 80円 | 350円 | |
印刷コスト3000枚 | カラー | 6600円 | 54600円 |
モノクロ | 2400円 | 10500円 | |
印刷スピード (毎分) |
カラー | 15.5枚 | 33枚 |
モノクロ | 24枚 | 33枚 |
表からも分かるように、両者の印刷コストにはかなりの差があります。とくにカラーの場合は、3000枚も印刷すると4万円近い差が出ることになります。レーザープリンターからビジネスインクジェットに買い替えると、例えば毎日100枚を印刷する事業所であれば、1ヶ月で約4万円のコストカットができる計算です。
モノクロのプリンターでも比較してみます。エプソンのビジネスインクジェットPX-S270TとレーザープリンターLP-S180DNです。両者とも実売価格3万円程度の低価格の機種で、印刷機能のみの単機能プリンターです。
ビジネスインクジェット PX-S270T |
レーザープリンター LP-S180DN |
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モノクロ | 0.5円 | 4.6円 |
モノクロ | 50円 | 460円 |
モノクロ | 1500円 | 13800円 |
モノクロ | 20枚 | 30枚 |
モノクロ印刷の方がコストが低いので、先ほどよりは金額の差は小さくなりますが、3000枚を印刷すると1万円以上の差になります。
また、製品によって公表基準が違うので表には記載していませんが、消費電力もレーザープリンターの方が大きい傾向があります。コスト面を重視するなら、ビジネスインクジェットが有利と言えそうです。
レーザープリンターが優位な点は?
上記の通り、コスト面ではビジネスインクジェットが優位ですが、その一方で、レーザープリンターが優位なところもあります。表にも付記したように、印刷スピードはレーザープリンターがビジネスインクジェットを上回っています。
機種にもよりますが、とくにカラー印刷ではレーザープリンターはビジネスインクジェットの2倍以上のスピードで印刷できます。
会議資料を急いで印刷する場面や、セミナー参加者が予想外に多く、資料を追加で印刷するような場面を想定すると、レーザープリンターのほうが便利なこともあり得ます。
そのほかにも、ビジネスインクジェットの場合、プリントヘッドのインク詰まりによる印刷トラブルが発生することがあります。
多くの場合はヘッドクリーニングで解消するので、大きな問題にはなりません。それでもタイムロスは避けられず、業務効率の点からはマイナスとなります。一方、レーザープリンターは、その構造上、インク詰まりは生じません。
印刷スピードやインク詰まりによるトラブルが生じない点など、業務効率を重視すればレーザープリンターを選ぶメリットもあります。
また、製品によっても異なるので一概には言えませんが、耐久性はレーザープリンターが勝ると言われることが多いようです。
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ビジネスインクジェットとレーザープリンターを比較しました。ビジネスインクジェットは印刷コストが大幅に安く、毎日100枚印刷するような事業所では、導入によるコストカットの恩恵も大きくなります。
一方、レーザープリンターにも、印刷スピードが早い、インク詰まりが起きないといったメリットもあるので、導入するプリンターを選ぶときは、印刷コスト以外のメリットにも目を向けて、総合的に判断しましょう。
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