社会人が身に付けておきたいスキルのひとつに「語彙力」があります。
語彙力(ごいりょく)とは、日本語の多くの単語や表現を知っていて、それを上手く使いこなす能力のことを指します。
語彙力があると、対人関係でコミュニケーションの円滑さにつながり、また自分の心や知識の豊かにつながります。本記事では、語彙力を身につけていくために、ぜひ日常的に取り入れていただきたいおすすめの方法を紹介します。
なぜ「語彙力」が必要なのか
思考力が上がる
人間は、頭の中にある「言葉」を使いながら物事を考えるため、知っている言葉の数や使いこなせる言葉の数が多いほど、思考は豊かに深いものになります。 逆にいえば、語彙力が低いと、それだけ「多面的に物事を捉える力」が弱く、思考が浅いものになってしまうということになります。
物事をより伝えやすくなる
語彙力がある人は、類義語や言い換えの言葉をたくさん知っているので、話の内容や相手に合わせて適切な言葉や表現を選ぶことができます。
思考力や理解力が上がる
語彙力が高いと、相手の話を理解する力や読解力があがります。言葉の意味を知り、言葉の微妙なニュアンスを理解することで、深く内容を捉えることができます。
語彙力の身につけ方
語彙力は、一朝一夕には身につけられません。日々の心がけや努力の積み重ねによって鍛えられていきます。
「言葉」を意識する
1番大切なのは日常的に言葉に敏感になり、言葉にこだわることです。様々な媒体やコミュニケーションで使われている言葉をなんとなく聞き流すのではなく、「どのような言葉が、どのような場面で、どのように使われているか」を意識するようにしてみてください。
また使われている言葉を言い換えると何になるのか、例えば「やばい」「エモい」「エグい」という言葉は簡単に使えますが、違う言葉や表現ではどう言えるのか考えるのも良いトレーニングになります。
良い表現に出会ったらメモしておく、わからない言葉は調べるなど習慣にしておきたいです。
さまざまなコミュニティに所属する
語彙力は人と人とのネットワークでも鍛えられます。よく使われる単語や言葉の表現方法は、属しているコミュニティなどによって、影響を受けることが多く、各コミュニティにはそこで使われる特有の言葉があります。
できれば特定のコミュニティに属するだけでなく、自分とは異なる世代や性別、職業、価値観、ライフスタイル、趣味嗜好の人と積極的に話す機会を設けることで、語彙の世界が広がります。
本を読んでアウトプットする
語彙力を鍛える方法というと、読書がよく挙げられますが、単に本を読むだけでは語彙力は鍛えられません。
本を読んだ後、書評サイトなどに評価や感想を書いてみる、友人に読んだ内容について話してみるなど、アウトプットする事が大事です。頭に入れたものを実際に使ってみることで、自分の語彙力として定着させることができます。
本が苦手な方は興味のある映画やドラマ、アニメ、ゲームなどのコンテンツで試してみるのも良いでしょう。
SNSなどで発信する
語彙の定着には、SNSなどで、自分の言葉で発信するのも効果的です。その際、発信の手段が「書く」と「話す」とで、言葉選びが異なります。
このときに重要なのが、抽象的な言葉や指示語、形容詞をなるべく避けて、「よりよい表現はないか」と推敲を重ねることです。「他者に読まれている」という状況で、自然と正しい言葉を使うことを意識したり、もっと良い表現がないか調べるようになります。
意識的に媒体、ジャンルを広げる
スマートフォンでは興味のある情報は自然に集まってくる反面、興味がない情報は流してしまいがちになります。ときにはスマホから離れ、新聞や雑誌など紙の媒体を読む、書店や図書館に行く、政府や新聞社が発信しているサイトをのぞいてみるなど、意図的に情報媒体を増やすことで語彙力は鍛えられます
また特定の分野に偏ると、そこで使われる語彙に詳しくなってきた時に、新たに出会える語彙量が減ってしまいます。 例えば普段「ビジネス書ばかり読んでいる」という人は、現代小説や古典文学、エッセイ、科学書、哲学書などのジャンルの本も意識的に手に取るようにしてみてください。
まとめ
語彙力を鍛える方法に共通しているのは、言葉への感度を高め、意識的に新しい言葉をインプット・アウトプットすることです。
特に日本語は本当に豊かな言語で、使える語彙数が多いほど、心の機微や微妙なニュアンスを的確に伝えることも理解することもできます。 ぜひ今回ご紹介した方法を日常で意識して取り入れ、語彙力を高めていってください。