スタッフ日記

忘れないインプット術: 記憶に残る学習法とは?

勉強したことを覚えているつもりでも、すぐに忘れてしまったり、資格試験の内容を覚えられずに困ったりすることはありませんか?社会人でも学生でも、こんな悩みを持つ方が多いでしょう。特に忙しい社会人にとっては、限られた時間で効率よく勉強することが求められます。そこで、そんな方々が日々の生活で効率よく学ぶために、「リトリーバル学習法」をご紹介します。

リトリーバル学習とは

「リトリーバル」(retrieval)とは、一度インプットした情報を脳の中から取り戻すことを指します。リトリーバル学習は、知識を効果的に定着させるための学習方法の一つです。簡単に言えば、「覚えたことを思い出す」練習です。この方法は脳のメカニズムに適したインプット方法であり、年齢や能力に関係なく、多くの学習者にとって有効です。記憶の定着だけでなく、学んだことの応用や整理にも効果的だと言われています。さらに、この方法を使うことによって、忙しい日々の中でも時短で効率的に学ぶことが可能です。

リトリーバルは、100年以上の研究の積み重ねによって、その高い学習効果が確認されています。リトリーバルを取り入れた勉強法は、シンプルな読み返しよりも記憶の定着率が50%も向上すると示されています。ここでは、リトリーバル習慣として取り入れたい具体的方法をご紹介します。

1.定期的なセルフテスト

定期的に学んだ内容について、自分でテストをしてみましょう。例えば、勉強した章やトピックごとに質問を作成し、その答えを考える時間を設けます。問題に直面し、自分の頭の中から答えを引き出そうとする行為が、記憶の定着に大いに貢献します。

2.フラッシュカードの活用

片側に質問やキーワード、反対側にその答えを書くフラッシュカードを作成してみてください。例えば、片面に「リトリーバル学習とは?」と書き、反対側にその意味を記載します。これを繰り返すことで、思い出す練習が可能です。アプリを使用すれば、さらに手軽に実践できますよ。

3.学習後の説明

学んだことを他の人に説明するか、自分自身に話してみる練習を取り入れてみましょう。紙に書き出したり、声に出して説明することによって、記憶が活性化され、定着しやすくなります。「言葉にする」という行為そのものが、教材に再び取り組む以上に強力な学習効果をもたらします。

4.時間をおいた復習(分散反復)

学んだ直後にすぐ復習するのではなく、少し時間を空けてから再挑戦する方法です。例えば、1日後、1週間後、1ヶ月後にリトリーバル学習を行います。こうすることで、忘れていた部分を再確認でき、より強く記憶に残ります。

5.間違いを楽しむ姿勢

クイズやテストで間違えた際には、「間違えてしまった…」と考えるのではなく、「これを直せばさらに覚えられる!」と前向きに捉えましょう。間違えた部分はむしろ記憶に強く刻まれるチャンスです。間違った箇所をしっかり復習し、もう一度自分の力で答えてみましょう。

最初は少し難しいと感じるかもしれませんが、思い出そうとする努力が成長につながります。忘れたことを再び思い出し、自分で情報を引き出すたびに、脳は強くなり、賢くなっていきます。筋トレのように少しずつ積み重ねれば、必ず成果が現れます。焦らず一歩ずつ進めていけば、必ず成長を実感できる日が来るでしょう。応援しています!

 

<引用・参照>
スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術 単行本 – 2024/6/11
星友啓 (著)