「島耕作」は、1983年の開始から、いまなお連載が続く名作シリーズです。リアルに描かれるサラリーマンの姿に、自分を重ね、共感を覚えた方も多いのではないでしょうか。
「課長 島耕作」から始まったこのシリーズは、主人公の島が年齢と業績を重ねるにつれ、部長、取締役、常務…と、どんどん出世していきす。今回は、そんな島耕作シリーズ第5弾「専務 島耕作」の見どころや名言ををご紹介します。
「専務 島耕作」とは
「専務 島耕作」は、「島耕作シリーズ」の第5弾。講談社の漫画雑誌「モーニング」にて 2006~2008年に連載され、コミックスは全5巻が刊行されています。
島は、大手電機メーカー初芝電器産業の専務取締役に昇進。これまで担当していた中国・インドにくわえ、アメリカも任されることとなりました。めまぐるしく進展していくインドやアメリカの地で、初芝電産は、日本のライバル企業・五洋電機や韓国の大手電器メーカー・ソムサン電子と争っていきます。
「専務 島耕作」のここが見どころ
「専務 島耕作」の見どころのひとつは、日本の大手電器メーカー・五洋電機をめぐって繰り広げられる、韓国メーカー・ソムサン電子との3兆円規模にもおよぶ買収合戦です。
2007年に解禁された三角合併により、海外企業が日本企業の買収に乗り出し、五洋電機がソムサン電子の買収ターゲットとなります。その情報を耳にした島は、日本の高い技術が韓国へ流れることを危惧し、初芝電産がホワイトナイトとなることを提案。探偵をつかって大口株主の持ち株がソムサン電子に流れるのを阻止したり、買収プレミアムを大きく釣り上げたりと、島は五洋電器の買収を阻止するべくあらゆる手段を用います。
「専務 島耕作」の名言を紹介!
ここからは、「専務 島耕作」に登場する名言をご紹介します。
「まず壊すんです。壊すだけで終わっては単なるは会社ですから、問題は壊したあとをどうするかです」
島の昇進と同時に新社長へ就任した郡山が、今後の経営方針として島へ語った言葉です。初芝電産の経営状況は思わしくなく、郡山はそんな状況を打開するため、大規模なリストラや創始者が作った事業部制の撤廃など、大胆な改革を進めていきます。当然、社内外から批判を浴びますが、郡山は「誰かがやらなければならないこと」「後年必ず評価される時が来る」とひるみません。会社のために批判を恐れない姿勢と強い覚悟が伝わる言葉です。
「サラリーマンなんてのはいくら実力があっても上に行けない人もたくさんいるしその逆もいる」
最終話にて、社長への就任が決まった島は、娘の奈美から「やっぱりお父さんは凄いよ」と褒められます。しかし島は、「これは俺の力じゃない」「タイミングと運がよかっただけだ」と謙遜しました。どんなに出世しても決して思い上がることなく、謙虚な姿勢を崩さない島の魅力がよく表れている言葉です。
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「専務 島耕作」にて、島は中国・インドだけでなくアメリカも担当するようにました。海外企業が日本企業の買収へ乗り出し、五洋電機をめぐって韓国のソムサン電子と苛烈な買収合戦も繰り広げられます。
そんななか、島は自社やライバル企業・五洋電機のためさまざまな手を使って、ホワイトナイトになるべく戦います。世界へと舞台を広げ、熱い展開が描かれる「専務 島耕作」を、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。