2024年10月30日、エプソンから大容量インクタンク搭載インクジェットプリンター(以下、大容量インクタンクプリンター)の世界累積販売台数が、1億台を達成したとの発表がありました。現在では、オフィス・ホーム領域のインクジェットプリンター市場における大容量インクタンクプリンターの割合は、約45%にもなっているとのことです。
大容量インクタンクプリンターは、従来のインクカートリッジを搭載したプリンターに比べて、圧倒的にインクコストが安く、インク交換の手間が少ないというメリットがあります。資源使用量の削減にも貢献するプリンターです。
現在、エプソンの大容量インクタンクプリンターは。家庭向けカラーモデルが5機種、ビジネス向けカラーモデルが7機種、モノクロモデルが6機種販売されています。
この記事では、この中から、エプソンのホームページでおすすめモデルとして紹介されている家庭向けプリンターとビジネス向けのプリンターを、それぞれ3機種ずつ、計6機種紹介します。
家庭向け大容量インクタンクプリンターおすすめモデル紹介
家庭向けとして紹介する3機種は、EW-M873T、EW-M757TW/TB/TP、EP-M476Tです。家庭向けのモデルは、文書印刷だけでなく、写真や年賀状の印刷にも適した機能を備えています。
高画質印刷が可能なフラグシップモデルEW-M873T

EW-M873Tは、この記事で紹介している製品の中で唯一の6色インクを搭載したプリンターです。マットブラックとグレーインクにより、高精細の印刷が可能になっています。給紙方法も豊富で、クリエイティブな用途にも使えます。多機能高機能なフラグシップモデルです。
EW-M873Tの特徴
●6色インクで高画質
EW-M873Tには、染料インクのフォトブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色にグレーインクを加え、さらに顔料インクのマットブラックが搭載されています。カラー印刷が鮮やかになり、豊かなトーンのモノクロ表現も可能です。
●給紙方法が豊富でレーベルプリントも可能
給紙方法が豊富なのもEW-M873Tの特徴です。前面カセットは2種類のサイズ違いに対応でき、たとえばA4用紙とハガキを同時にセットできます。連続給紙が可能な背面トレイも搭載あり、1.3mmの用紙厚まで対応する手差しストレート給紙も可能です。レーベルプリントにも対応し、12cmサイズのCDやDVDなどのディスクに印刷できます。
●スマホからも簡単操作
スマホからの操作には、Epson Smart Panelという専用アプリを用います。アプリからプリンターの電源のオンオフ、インク残量の確認などの操作が可能です。さらに、写真のプリントや年賀状の作成も行えます。スマホと本体の接続も簡単で、iPhoneならQRコードを読み込むだけ。Androidスマホなら、アプリでプリンターを選択するだけです。
EW-M873Tの仕様
●価格
参考:5万7708円(税込み・Amazon 2025/1/21現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約1.8円
A4モノクロ文書:約0.7円
●対応インクボトル
TOB-PB トビバコ® フォトブラック 70ml
TOB-MB トビバコ® マットブラック 70ml
TOB-C トビバコ® シアン 70ml
TOB-M トビバコ® マゼンタ 70ml
TOB-Y トビバコ® イエロー 70ml
TOB-GY トビバコ® グレー 70ml
※約1800円~(Amazon 2025/1/21現在)
インテリアにマッチするオシャレなプリンターEW-M757TW/TB/TP

EW-M757TW/TB/TP(以下、EW-M757T)は、2024年11月発売の新機種です。家庭向け大容量インクタンクプリンターのスタンダードモデルの位置付けで、文書も写真もキレイに印刷できます。おしゃれなデザインや3色用意されたボディカラーも印象的です。
EW-M757Tのインクコストの計算には、エプソンダイレクトショップの2024年11月価格改定後のインクボトルの価格が用いられています。価格改定前の価格で計算されている他の機種よりも、多少インクコストが高めに計算されている可能性がある点に注意してください。
EW-M757Tの特徴
●文書も写真もキレイに印刷
EW-M757Tには、顔料のブラックインクと、染料のブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクが搭載されています。顔料インクはにじみにくく、文書をくっきり印刷できます。染料インクは、写真を色鮮やかに印刷できます。文書にも写真にも強いプリンターです。
●使い切りサイズのインクボトル
大容量インクタンクプリンターは、印刷する量が少ないと、なかなかインクを使い切れない弊害もあります。EW-M757Tのインクボトルには、ブラック約4000ページ、カラー約3700ページを印刷できる増量ボトルのほかに、ブラック約1100ページ、カラー約1000枚の印刷ができる使い切りサイズもあります。
●スタイリッシュでカラーバリエーションが3色
インテリアにマッチするスタイリッシュなデザインも、EW-M757Tの特徴です。カラーバリエーションもホワイト、ブラック、ピスタチオグリーンの3色あります。ピスタチオグリーンは、他のプリンターではあまり見かけない色で、インテリアのアクセントになります。
EW-M757Tの仕様
●価格
参考:4万5700円(税込み・Amazon 2025/1/21現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約3.5円
A4モノクロ文書:約1.5円
●対応インクボトル
KEN-MB-L ケンダマ® マットブラック 増量 45ml
TAK-PB-L タケトンボ® フォトブラック 増量 45ml
TAK-C-L タケトンボ® シアン 増量 45ml
TAK-M-L タケトンボ® マゼンタ 増量 45ml
TAK-Y-L タケトンボ® イエロー 増量 45ml
KEN-MB ケンダマ® マットブラック 12ml
TAK-PB タケトンボ® フォトブラック 12ml
TAK-C タケトンボ® シアン 12ml
TAK-M タケトンボ® マゼンタ 12ml
TAK-Y タケトンボ® イエロー 12ml
※増量 約2200円~、使い切りサイズ 約700円~(Amazon 2025/1/21現在)
大容量インクタンクプリンターを低コストで導入できるEP-M476T

EP-M476Tは、大容量インクタンクプリンターのエントリーモデルの位置づけです。本体価格が抑えられているうえに、印刷コストも低いので、コスト面を重視したい人におすすめです。
EP-M476Tの特徴
●本体価格が安く、導入コストを抑えられる
EP-M476Tの本体価格は、エプソンダイレクトショップの価格で3万円強、2025年1月現在のAmazon実売価格なら3万円を切ります。コピーやスキャンもできる複合機で、ランニングコストも低く、コスト面はかなり優秀な製品と言えます。
●コンパクトなボディ
EP-M476Tのサイズは、375×347×179mmと、今回紹介している製品の中で、もっともコンパクトです。省スペースで設置できるので、プリンターの置き場所に悩んでいる人にもおすすめです。
●機能的には上位モデルに見劣りする点も
価格を抑えたエントリーモデルなので、機能的には上位モデルには及ばない点もあります。自動両面印刷には非対応で、両面印刷の際には用紙を自分で裏返してセットし直す必要があります。また、印刷速度はカラー毎分5ページ、モノクロ毎分10ページで、やや遅めです。
EP-M476Tの仕様
●価格
参考:2万6432円(税込み・Amazon 2025/1/21現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約0.8円
A4モノクロ文書:約0.3円
●対応インクボトル
OHA-BK オハジキ® ブラック 65ml
OHA-C オハジキ® シアン 65ml
OHA-M オハジキ® マゼンタ 65ml
OHA-Y オハジキ® イエロー 65ml
※約1100円~(Amazon 2025/1/21現在)
ビジネス向け大容量インクタンクプリンターおすすめモデル紹介
ビジネス向けのおすすめモデルは、PX-M6712FT、EW-M674FT、EW-M634Tの3機種です。PX-M6712FTは生産性が高い、A3ノビまで印刷できるプリンター。EW-M674FT、EW-M634Tはコンパクトなサイズで、狭いスペースにも置きやすいプリンターです。PX-M6712FTとEW-M674FTの2機種には、ファックスも搭載されています。
印刷スピードが速いA3カラー複合機PX-M6712FT

PX-M6712FTは、この記事で紹介している中で唯一A3ノビサイズまで印刷できるプリンターです。A4用紙をモノクロ・カラーともに毎分25ページの速さで印刷ができ、高い生産性を発揮します。加えて、2段トレイが搭載され、大量給紙が可能。給紙の手間が少なく、業務効率の向上が期待できます。
PX-M6712FTの特徴
●カラーでも両面でも高速印刷
PX-M6712FTは、カラーもモノクロも毎分25ページの速さで印刷できます。設定を変更して画質を落とすと、カラー・モノクロともに毎分32ページにスピードアップが可能です。両面印刷もカラー・モノクロとも毎分21ページの速さを誇ります。
●A3ノビサイズを始めさまざまなサイズのプリントに対応
PX-M6712FTは、背面トレイがA3ノビサイズまでのプリントに対応しています。用紙カセットもA3サイズまでの給紙可能です。また、垂れ幕や横断幕に使用する長尺用紙も印刷可能です。大きなサイズが印刷できる一方、最小の幅は64ミリまで対応します。小売店で使用するB6ハーフサイズのプライスカードも印刷できます。
●2段トレイで大量給紙
本製品には、用紙カセットが2段搭載されています。それぞれの用紙カセットに250枚、背面トレイにも50枚がセットでき、最大550枚の大量給紙が可能です。
PX-M6712FTの仕様
●価格
参考:13万2000円(税込み・Amazon 2025/1/21現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約2.2円
A4モノクロ文書:約0.9円
●対応インクボトル
IT08KA えんぴつ削りブラック 127ml
ITO08CA えんぴつ削りシアン 70ml
ITO08MA えんぴつ削りマゼンタ 70ml
ITO08YA えんぴつ削りイエロー 70ml
※ブラック約5200円~、カラー約2500円~(Amazon 2025/1/21現在)
ファックスやADFを搭載したオールインワンモデルEW-M674FT

EW-M674FT は、ファックス機能やADFも搭載したオールインワンモデルです。プリンターとしての性能は、次に紹介するEW-M634Tと同等です。ここではEW-M634Tには搭載されていないEW-M674FT独自の機能のみ解説します。
EW-M674FTの特徴
●コストと手間を軽減するPCファックス送受信機能
EW-M674FTは、PCで作成したデータを印刷することなく、直接ファックス送信できる機能を備えています。受信もPCで確認ができ、必要な文書だけを選んで印刷できます。最高速度33.6kbpsのスーパーG3にも対応しているので、送受信にかかる時間が短くなり、通信コストを低減できます。
●原稿をまとめてコピー・スキャンができるADF搭載
EW-M674FTには、ADF(原稿自動送り装置)が搭載されています。A4用紙を30枚セットでき、自動で読み取れます。読み取り速度は、カラー・モノクロとも毎分5ページです。
EW-M674FTの仕様
●価格
参考:4万9600円(税込み・Amazon 2025/1/21現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約1.0円
A4モノクロ文書:約0.4円
●対応インクボトル
YAD-BK ヤドカリ® ブラック 127ml
HAR-C ハリネズミ® シアン 70ml
HAR-M ハリネズミ® マゼンタ 70ml
HAR-Y ハリネズミ®イエロー 70ml
※ブラック約2100円~、カラー約1100円~(Amazon 2025/1/21現在)
ファックス非搭載で低価格EW-M634T

EW-M634Tには、ファックスとADFの機能がありません。その分、価格はAmazon実売価格で1万円ほど安くなっています。ファックスの機能が必要ない人にとっては、低コストで購入できてお得です。
EW-M634Tの特徴
●ブラックは顔料インク、カラーは染料インクを採用
インクの色数は4色のみですが、ブラックには顔料インク、カラー3色には染料インクを採用しています。顔料インクには文字をくっきりと、染料インクには写真を鮮やかに印刷できる特性があり、文書も写真もキレイに印刷できるプリンターです。
●用紙の補充が簡単な前面トレイ
EW-M634Tは、用紙の補充がしやすい前面トレイを採用しています。普通紙250枚がセットでき、補充の手間が少なくなります。ただし、背面トレイ(手差しトレイ)を搭載していないので、異なるサイズの用紙を印刷するときは、毎回トレイを取り出して用紙を入れ替える必要があります。
EW-M634Tの仕様
●価格
参考:3万9500円(税込み・Amazon 2025/1/21現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約1.0円
A4モノクロ文書:約0.4円
●対応インクボトル
YAD-BK ヤドカリ® ブラック 127ml
HAR-C ハリネズミ® シアン 70ml
HAR-M ハリネズミ® マゼンタ 70ml
HAR-Y ハリネズミ®イエロー 70ml
※ブラック約2100円~、カラー約1100円~(Amazon 2025/1/21現在)
エプソン大容量インクタンクプリンター6機種のスペック比較表
製品名 | EW-M873T | EW-M757T | EP-M476T | PX-M6712FT | EW-M674FT | EW-M634T |
参考価格 | 5万7708円 | 4万5700円 | 2万6432円 | 13万2000円 | 4万9600円 | 3万9500円 |
本体サイズ (幅×奥行×高さmm) |
403
× 369 × 162 |
390
× 339 × 166 |
375
× 347 × 179 |
515
× 500 × 350 |
375
× 347 × 231 |
375
× 347 × 187 |
カラー
印刷速度 |
12枚 | 9枚 | 5枚 | 25枚 | 8枚 | 8枚 |
モノクロ
印刷速度 |
16枚 | 12枚 | 10枚 | 25枚 | 15枚 | 15枚 |
印刷解像度 (dpi) |
5760
× 1440 |
5760
× 1440 |
5760
× 1440 |
4800
× 1200 |
4800
× 1200 |
4800
× 1200 |
Wi-Fi | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
自動両面
印刷 |
〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
最大用紙
サイズ |
リーガル | リーガル | リーガル | A3ノビ | リーガル | リーガル |
最大給紙
枚数 |
150枚 | 101枚 | 100枚 | 550枚 | 250枚 | 250枚 |
カラー
印刷コスト |
1.8円 | 3.5円 | 0.8円 | 2.2円 | 1.0円 | 1.0円 |
モノクロ
印刷コスト |
0.7円 | 1.5円 | 0.3円 | 0.9円 | 0.4円 | 0.4円 |
***
世界累積販売台数が1億台を達成した、エプソンの大容量インクタンクプリンターのおすすめ製品を紹介しました。
それぞれ製品の特徴は異なりますが、共通するのはインクコストが非常に低いことです。インクコストを気にせず、たくさんプリントしたい人には魅力的な製品です。プリンターの購入や買い替えを検討している人は、大容量インクタンクプリンターも候補の一つとして考えてみてください。そして大量印刷の用紙をお求めの際は、ぜひ松本洋紙店にご用命ください。
松本洋紙店インクジェット用紙
↓↓↓写真用紙の印刷比較!紙の専門家・松本店長がエプソンのインクジェットプリンターを使って徹底解説!↓↓↓