紙のコラム

紙業界の現状と課題——松本洋紙店 店長・松本の視点 2025年2月

紙業界の低迷

紙業界の低迷は、もう10年以上続いています。印刷業界全体が厳しい状況の中、業績がなかなか上向かないのが現実です。
そしてここ数年、紙の値上げが何度も続いています。1回や2回ならまだしも、3回も続くと、さすがに影響が大きいです。
さらに、2024年12月1日にはまた値上げが実施され、紙を扱うすべての業者が頭を抱えている状況です。(松本洋紙店ももちろんその中の1社)

紙の値上げは印刷物だけの話じゃありません。シールも箱も紙。お菓子のパッケージやスーパーの値引きシールまで、
身近なところで紙は使われています。だからこそ、「なんでもかんでも値上がりする」状況になってしまっているわけです。

紙からデジタルへの移行

こうした流れの中で、紙からデジタルへの移行もどんどん進んでいます。
たとえば飛行機の機内誌も、最近はデジタル版が主流になりつつありますし、
飲食店でもになってきました。
特に居酒屋なんかは、紙のメニューを見る機会がほとんどなくなりましたよね。
最近は水道橋や神保町でランチに行ってもタブレットやQRコードでの注文のお店が増えました。

郵便料金の値上げ

さらに追い打ちをかけるのが、郵便料金の値上げです。
請求書や納品書を郵送していた企業も、コスト削減のためにデータ送信へと切り替えています。松本洋紙店では、請求書・領収書・見積書はすべてダウンロードやPDF添付で対応する仕組みになっています。

プラスチック製品を紙に置き換える動き

その一方で、、プラスチック製品を紙に置き換える動きも活発になっています。
環境のことを考えると、これは良い流れなのですが、コストや耐久性の問題から「やっぱりプラスチックのほうが便利じゃないか?」という声も増えています。
もしかしたら、この流れもまた変わるかもしれません。

大切なのは「変化し続けること」

時代の流れは本当に読めません。アメリカのトランプ氏の政策次第で市場が大きく動くこともあれば、ヨーロッパの環境規制が日本に影響を与えることもあります。
だからこそ、業界の動きをしっかり見極めて、柔軟に対応していくことが大事です。
でも、流れに乗るだけじゃなくて、逆を行くことで新しい道が開けることもあります。
どちらが正解かは分かりませんが、大切なのは「変化し続けること」だと思います。