調査・比較

村上春樹氏著「蛍・納屋を焼く・その他の短編」卵色のアート紙について

たまたま手に取った、村上春樹氏著「蛍・納屋を焼く・その他の短編」内の
「三つのドイツ幻想」

p.174(昭和63年10月5日七冊)に、卵色のアート紙という文言が出てきました。
アート紙、売ってる!
でも卵色のアート紙ってなんだろう。
一般的にアート紙といえば白です。
一体古びて日に焼けた感じなのか。
それとも特別に卵色に染めたのか。
まさか卵の殻の色で実は白?
様々な疑問が浮かんで来て、

ついに新潮社の編集部に電話をしてしまいました。

担当の編集者の方が親切に答えてくださったことによると。。。

ここにテキストを入力確かにアート紙といえば白ですね。
当時校正はしっかり入っているはずなので、これはあえて卵色、という言葉が大事だったんだと思います。
白、オフホワイト、クリーム、とかではなくあくまで卵色。
そしてアート紙という言葉に関しても、コピー用紙や羊皮紙ではなく、ある程度の斤量のある紙、
テクスチュア等、それをイメージしたのではないでしょうか。
何より、受け取る人によって様々にイメージが湧くような言葉が必要だったんだと思います。

とのことでした。
なるほどなるほど。。。

村上春樹さんの本は何冊か読んだことがあり、一番好きなのは
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」です。
若い頃、単行本を友人に勧められて本屋さんで買い求めました。
家に帰ってすぐに読み始めたのですが、本屋さんで見た時の記憶や本屋さんの思い出、紙の匂・紙の本をパラパラとめくった時の記憶は今でも忘れません。
ただひたすら週末に読み続けて読み終えました。

世界の終わりとハードボイルドワンダーランドとは

1985年6月15日、新潮社から発売された初めての描き下ろしの長編小説で、
2つの世界が交互に描かれるような内容なのですが、最後には混じり合って独特な世界をもった小説です。
1章毎に2つの小説が交互に進行していくような形式を取っていて
ドラえもんの大長編で説明するならば「恐竜編」と「宇宙編」が交互に進行していく。
→最終的にはこれらの2つの世界が全く違った世界ではないと思わされるような不思議な村上春樹の小説です。
松本洋紙店では文庫本用紙も販売しています。
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アート紙はMSアート紙という商品として販売もしています。コチラ
ただ、小説のアート紙とはおそらく違う・・・