プリンターは用紙を印刷するだけでなく、写真を使用した印刷物をプリントする際にも活用出来ます。現在ではデジタルカメラやスマートフォンの普及によって、画素数や解像度という言葉をよく目にするようになりました。
写真を使用した印刷物と画素数。一見、関係なさそうな2つの要素ですが、写真を綺麗な印刷物に仕上げるためには「写真の画素数」が重要な役割を果たします。よって、写真を使用した印刷物には画素数は深い関わりがあるのです。下記では、写真を印刷するうえで欠かせない「画素数」について、その仕組みの詳細を解説いたします。
写真や画像の画素数について
写真や画像の画素数というのは、「デジタル化された画像の密度」のことです。この画素が1つ1つ集まり、密集することで、色や明るさといった情報を表現しているのです。画素の形は正方形や長方形で出来ており、スマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真を拡大してみると、細かな点がたくさん見えるはずです。これが画素です。
通常、画素数は「ピクセル」という単位で表現されますが、意味は同じです。1000画素=1000ピクセルということになります。
また、ピクセルに加えてドットという言葉も存在しますが、ドットは出力できる点のことを指します。ピクセルは情報の集合体になるので、意味合いは同じですが双方の異なる点は、ハードやソフトウェアによる違いということになります。
画素数は情報の集合体ということが分かりましたが、印刷時の仕上がりにはこの画素数が非常に重要な役割を果たしています。
一方で、解像度という仕組みも存在します。画素数が情報量の多い・少ないを表すとすれば、解像度は情報量の密度を表しています。
印刷時に写真や画像の画素数が低いとどうなるのか
仮に、印刷をする際に写真や画像の画素数が低いと印刷物にどのような影響を及ぼしてしまうことになるでしょうか?
画素数が低いということは、その写真や画像を構成する色や明るさといった情報が低いということですから、印刷物の色や鮮明性が欠けてしまい、「ぼやけてしまったり、荒く見えてしまう」ということが考えられます。そのため、パソコンやスマートフォンで見ている分には綺麗な画像であっても、画素数が低いと印刷をした際に画質の低さが目立ってしまいます。
写真や画像を自身で用意する以外に、インターネットを介してフリーのイラストや画像を探して使用するという方は多いと思います。しかし、インターネット上で表示される画像の解像度は72dpiが目安となっています。閲覧している限りは十分に綺麗な画像として表示されていますが、72dpiの解像度では印刷時に荒くなってしまったり、ぼやけて表示されてしまうことが考えられます。
これは、72dpiの解像度では印刷時の解像度では不十分なためです。
しかし、単純に画素数が多かったり、解像度が高ければ、印刷時の仕上がりが良くなるということではありません。
用紙サイズと解像度には適切な数値がある
上述したように、インターネット上で表示される画像の解像度は72dpiが目安です。しかし、人間の目は解像度200dpi以上の数値になってくると、ほとんど違いを感じることが出来ません。
そこで、用紙サイズや用途によって最適な解像度とは果たしてどれぐらいの数値になるのでしょうか。
一般的にはA4サイズであれば、200dpiの解像度で、1200万画素から1600万画素もあれば十分に綺麗な印刷物が望めます。このように、印刷物や用途によって最適な画素数、解像度があります。なので、無駄に画素数や解像度が高くても意味がなくなってしまいます。
写真やイラストを綺麗に印刷するには
上記では用紙サイズと解像度には適切な数値があると解説しました。それでは、印刷後に「ぼやけたり、荒くなってしまう」ことを避けるにはどうすればよいのでしょうか。
そこで、指標となるのが下記に記載する解像度のdpi数値です。
- インターネット上のメディアファイル 72dpi
- ポスターなど 150~200dpi
- チラシやパンフレットなどの印刷物 350~400dpi
上記の数値のように、解像度であるdpiの数値が高ければ良いというわけではありません。印刷物には適した解像度があり、極端に高すぎたり、逆に低すぎるといった場合は美しく印刷出来ません。
インターネット上にアップロードする画像は72dpiが目安になりますが、一般的な印刷物の場合は350~400dpiを目安にすると良いでしょう。しかし、画像を拡大、縮小することで解像度が前後することもあります。
まとめ
以上が「綺麗な印刷をするには?印刷用紙に最適な画素数」についてでした。
綺麗な写真を使用しているのに、「どうしても印刷物が荒くなってしまう」「写真が劣化してしまう」とお悩みの方は上記で解説したように、用紙のサイズや画素数・解像度を意識することで、簡単に解決することが出来るかもしれませんよ。