こんにちは、松本洋紙店スタッフです。
多業種にわたる松本洋紙店ご愛用者さまから、今回は
アマチュア写真家 荒木ひろゆきさまにご協力をいただきお話をお聞きしました。
当店の写真用紙もお使いいただいています。
写真を始めたのは20年ほど前だとか。写真誌などのコンテストでいろいろな賞を取ってらっしゃいます。
貴重な作品を6点、掲載させていただきました。
ぜひご一読くださいませ。
Q:プロフィールをお教えください
1947年10月17日生まれ
福島県郡山市出身
松本洋紙店の運営事務所がある千代田区神田三崎町は実は、馴染みのある場所なんです。というのも日本大学経済学部を卒業したんですね。その頃は高田馬場に下宿していたので、飯田橋まで東西線、そこから乗り換えて毎日水道橋に通っていました。
その後は郡山に戻り、いろいろなことをしましたが20年ほど前、人から勧められて写真を始めてみたんです。最初はフィルムカメラでした。福島には磐梯山や猪苗代湖と言う美しい自然がありますから多くの人が風景を撮りに来ます。なので最初は風景を撮っていました。その後は何でも撮るように。主に、日本カメラ、アサヒカメラ、フォトコン誌と月例コンテスト等に応募しながら続けて来ました。
Q:被写体はどうやって選ばれるんですか
例えばアパートの裏に住んでいるばあちゃんが腰が痛い、と言うので湿布を持ってったりしていて、その縁で長く撮らせてもらったりしていました。普通だったら日常生活を撮られるのは嫌でしょうが、快くずっと撮らせてもらえたんです。この春、99歳で亡くなるまで撮りました。身寄りの無い方だったのでお葬式も出して、火葬場でお骨を拾い、つい先月墓地に納めたところです。(スタッフ注:この方を被写体にされた作品は雑誌等で拝見していましたが、当然ご自身のお母様だろうと勝手に思っておりました。)
なにか大きなテーマを持って、とかそういうことは考えていません。自分が面白いなと思ったものを、好きなように撮っています。子供の頃に夢中になったいたずらや遊びのような感覚もあるかもしれません。写真を合成するのも技術がどうこうというのはわからないので、楽しんでやっています。作品を部屋に飾るのが好きなのですが、パソコンは全然使えずメールも送れないのに、写真を合成したり印刷したりすることはできるんです。
作品6点、掲載させていただきました
作品1
ベニヤ板目模様を撮影したものです。前を走るトラックが鉄くずをのっけてるベニヤ板の模様が面白くて、良いものを見つけたとそのまま追いかけ、止まったところで頼んで撮らせてもらいました。
作品2
猪苗代湖畔にて、冬に撮影しました。姉にパンくずを撒いてもらって撮ったものです。とにかく寒かったことを覚えています。姉はもう施設に入って10年ですから、まだまだ初心者の頃に撮ったものですね。第6回 全国水源の里フォトコンテストで特選をいただきました。
作品3
福島県本宮市のみずいろ公園にて。被写体は家内です。水道産業新聞社の第62回水の写真コンテストで特別賞をいただきました。家内にはよく被写体になってもらうのですが、いつもこうやってください、と頭を下げて(笑)ポーズを取ってもらっています。
作品4
水の波紋に海水浴の親子のカットを入れました。波紋は好きで良く撮っています。毎年夏には猪苗代湖の志田浜というところに行くのですが、そこで撮らせてもらった親子を波紋と組み合わせてみたものです。
作品5
二本松市の祭りで撮影。手の動きを合成しました。応援歌を歌う女性がいて、撮らせてもらいました。この赤を見たい、と思って作品にしました。
作品6
郡山市内の池の釣り人と養鯉場(餌時のカット)を合成しました。宝くじが当たったような、そんな作品になりました。
Q:お使いの機材をお教えください
カメラはニコンのD500とソニーのRX1Rです。プリンターはエプソンのSC-PX5VIIです。写真用紙は最初、富士フィルムのクリスタルなどを使っていましたがB4がなくて。月例で上手だなと思う方が松本洋紙店の絹目を使っていたのでそれから真似して使っています。ただ、インターネットを使えないので最初は人にお願いして買ってもらい、その後は電話で店長にお願いして送ってもらったりしました。プリンターのインクもインターネットで買えば楽なんでしょうけど、ヨドバシカメラまで行って買っています(笑)。
実は最近、よくスマホで撮っています。車にはもちろんカメラを載せてるんですが、身近な被写体等を撮る時には便利なので。スマホは2つ折りのGalaxy Z Flipです。大きくしても画像が割れなくて良いですよ。
Q:今後についてお聞かせください
大それたことは考えていません。ネイチャー写真は撮らないので、日常の中の野良猫や犬だったり、良いな、面白いなと思ったものを今までのように撮って行きたいです。
松本洋紙店スタッフより
お話伺っていてもとても楽しく、作品からも遊び心たっぷりな方だとよくわかります。実はでも、個人的に特に印象に残ったのは「婆ちゃん」を撮った「そしてホームへ」というフォトコン誌2023年4月号組写真特選の作品でした。華やかな舞台や演出は全然ないのに、さりげない日常のカットだけなのに。人生ってドラマだな、なんだか不思議と老いる勇気が湧くような。今回、てっきりお母様だろうと思っていた「婆ちゃん」が血のつながりも何もないご近所さんだと知ってびっくりです。しかも、お墓のご面倒まで見られたとは。老いる勇気が湧くわけだと思いました。こんな人間関係が存在するんですから。
写真を始める前は水石をしてらっしゃったそうです。と言っても初めて聞きました。水石とは、一つの石の中から大宇宙を感得するものとのこと。宝探しみたいで面白かったとおっしゃっていました。荒木さまが写真を通じて我々に見せてくれる日常の中の宝、これからも楽しみにしたいと思います。特にGalaxyでどんなものを撮ってらっしゃるか、興味深いです。
ちなみに荒木さまご愛用の写真用紙、よろしければこちらからご覧ください。
フォトコンテストに使える写真用紙のページはこちら。