プリンター性能が向上し、無料の写真編集ソフトも多く出回ったことで、さいきんは自分で簡単に冊子が作れるようになりました。そこで今回は、“冊子を自分でも作ってみたい”という方に向けて、冊子作りに適した用紙の選び方を解説します。
冊子の内容で選ぶ!本文用紙に適した紙
冊子の本文に適した紙は、冊子の内容や厚さなどによって変わります。
文字中心でモノクロの冊子には、光沢のない上質紙がおすすめです。さらに、じっくり読ませる冊子には書籍用紙を。写真やイラストがメインなら、ツヤのあるコート紙や落ち着いた雰囲気のマットコート紙などが向いています。
冊子のページ数が多い場合は、膨らみ過ぎないように薄い上質紙などを選びましょう。30ページ以内の薄い冊子なら、厚めのコート紙でもOK。逆に、薄い冊子を上質紙などで作ると寂しい雰囲気になってしまいがちです。
それでは、今挙げた上質紙・コート紙・マットコート紙・書籍用紙について、もう少し詳しく紹介していきます。
上質紙
きめ細かくコシの強い用紙です。塗料が使用されていないので、表面の光沢やツヤは少なめ。印刷すると落ち着いた感じで仕上がり、論文や文集など文字中心の印刷物に向いています。色が沈むので写真などのカラー印刷にはあまり適していません。筆記性に優れるため、テキストなど書き込むタイプの冊子にもよく使用されます。
コート紙
表面をコート剤でコーティングした用紙の総称をコート紙といいます。ツルツルした手触りで、光沢とツヤがあります。発色が良いので、写真やイラストなどがキレイに印刷できます。インクの乾きが早く、印刷工程にかかる時間は短めです。
マットコート紙
「ツヤを抑えたコート紙」がマットコート紙です。コート紙は用紙にコート剤を定着させる際に高い圧力をかけますが、マットコート紙では圧力を弱くして光沢を抑えています。コート紙の発色の良さはそのままに、しっとり落ち着いた印象を与えたいときにおすすめ。反射しないので文字が読みやすく、パンフレットやガイドブックなど、画像と文字を併せた冊子に適しています。
書籍用紙
書籍の本文用紙として多く使用される用紙です。目に優しい淡いクリーム色で、高級感があります。手触りはさらさらしていてめくりやすいのが特徴。長時間見ても目が疲れにくいので、文集や記念誌、同人誌など文字中心の冊子向きです。裏側に印刷された文字やイラストなどが透けにくいという特徴もありますが、発色はコート紙やマットコート紙よりも劣ります。
冊子の顔となる表紙に適した紙
本文用紙に使われる上質紙・コート紙・マットコート紙は、表紙としてもよく使われます。
上質紙を使うときは、本文用紙よりも厚みのあるものを選びましょう。めくりやすく、文集の表紙などに向いています。フルカラーの写真やイラストを使うなら、発色のよいコート紙やマットコート紙がおすすめです。
そのほか、表紙に適した用紙を紹介します。
レザック
「レザーライク(革のような)」という名前の通り、表面に革のような模様を施した厚手の用紙です。凹凸のあるエンボスペーパーで、保存性があります。高級感があるので、論文集や卒業文集など格式が求められる印刷物の表紙にぴったりです。
色上質紙(厚口)
色のついた上質紙で、6種類の厚みから選べます。カラーバリエーションが豊富で比較的安価なので、コストを抑えながら華やかにしたい方向け。プリンターで印刷しやすいのもメリットの一つです。
マーメイド
さざ波のような細かい凹凸のあるファンシーペーパーです。ふんわりと柔らかい質感で、上品な印象を与えます。水彩紙としても利用できるほど、水濡れに強い用紙です。
ここで紹介した用紙は、松本洋紙店でも取り扱っています。サンプルもありますので、ぜひお試しください。
用紙選びは冊子作りの一部ですが、大事な工程です。冊子の内容や見せ方を考慮しつつ、最適な用紙を選んでくださいね。
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