印刷会社のような設備産業では、機械の老朽化により生産性が落ちることや故障によるメンテナンス費の増加、スケジューリングが狂うといったことが深刻な問題となっています。
一方で、設備を投資することは会社にとって大きなコストとなるため意思決定の足が重くなるというのも本音のことと察し致します。
この記事では、設備産業の経営に悩みを抱えておられる方に役立つとっておき情報をお伝えします。
課題が何であり、今何をすべきかを見つけるきっかけになること間違いなしです。
5分ほどで読めるので是非最後までお読みください。
TOC(制約理論)
ここでご紹介するのはTOCという考え方です。
TOC(Theory Of Constraints:「制約理論」または「制約条件の理論」)は、組織の中でのパフォーマンスを制限するものを、システムの制約または制約条件と呼び、これがTOCの名前の由来になっています。
TOCを導入したことで業務改善した企業は大変多いです。
またTOCの開発者である物理学者エリヤフ・ゴールドラット氏が著述し書籍化された『ザ・ゴール』は、全世界で1000万人を超える読者がいるとされ、2001年に発売された日本語版も68万部を超えるベストセラーとなっています。
- 「どんなシステムであれ、常に、特定の要素または因子により、パフォーマンスが制限されている」
- 「制約にフォーカスして問題解決を行えば、小さな変化と小さな努力で、短時間のうちに、著しい成果が得られる」
TOCはこれらの考え方をもとにした包括的な経営改善の哲学であり手法です。
ここでいうシステムは、通常、工場、会社、団体といった組織を指しますが、地域、コミュニティといった単なるひとつの組織でないもの、あるいは家族など個人の集まりを刺すなど実に幅広いことに置き換えることができます。
システムのパフォーマンスを決めている、ごく限られた箇所を改善または強化すれば、システム全体としてのパフォーマンスの向上が期待されるということです。
TOCの進め方
TOCの進め方は以下のようなものです。
- 制約(ボトルネック)を特定する
- 制約(ボトルネック)の無駄を無くし、徹底的に最大活用する
- 他のプロセスを制約(ボトルネック)に合わせる
- 制約(ボトルネック)の能力を強化する
- 制約(ボトルネック)が解消したらこのプロセスを繰り返す
まずは投資せずに、制約条件を無駄無く最大活用することで、利益最大化を実現させる手法がTOCです。
すべてにおいてキーワードとなるボトルネックについてここで解説します。
ボトルネックとは
会社により違いはあることと思いますが、ここでは上記のような工程を例に取り上げます。
図のような場合、処理能力が最も低い印刷がボトルネックです。
稼働率は100%であったとしても、能力で仕事が出来るかは決まってしまうため処理能力で決まってしまうわけです。
この会社では印刷の能力以上のものを生み出すことができません。
部分では良くても全体で決まってしまう。
TOCではこれを部分最適ではなく全体最適の視点で考えようといっています。
最後に
ここまでTOCの触りの部分をご紹介しましたが、貴社の業務工程はいかがでしょうか。
そもそも全体の工程を把握することが出来ているでしょうか。
会社のボトルネックは何か答えられるでしょうか。
印刷会社で印刷がボトルネックになっているのは致命的です。
印刷がボトルネックで会社の生産性が低くなっているのであればいますぐに設備に投資すべきでしょう。
ボトルネックを解消することで、さらなるビジネスの成功を願っています。