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ブラザーが発売したサイン・ディスプレー用途向け大判プリンター「WF1-L640」の実力は?

サイン・ディスプレー用の大判プリンター

この記事では、ブラザーから2024年4月下旬に発売された判プリンター「WF1-L640」を紹介します。こちらは、ラテックスプリンターと呼ばれる水性顔料インクを使用するタイプで、紙だけでなく様々なメディア(素材)に印刷ができるのが特徴です。屋外広告などのサイン・ディスプレー用途向けの製品となっています。

ラテックスプリンターは、ブラザーとしては新しい領域の製品ですが、衣類にインクを塗布して印刷するガーメントプリンターの開発で培った技術が生かされています。

ラテックスプリンターとは?

WF1-L640は、この紙のブログで多く紹介している「紙に印刷すること」をおもな用途としたプリンターとは異なります。最初に、ラテックスプリンターについて簡単に紹介します。

「ラテックスプリンター」とは、ラテックスインクを使用するプリンターの総称です。ラテックスインクは、さまざまなメディア(素材)に印刷が可能なことが特徴で、耐久性が高い塗膜を形成できます。

同じような特徴を持ったインクには、溶剤インクやUVインクがあります。これらの製品とラテックスインクの違いは、水性インクで揮発性有機化合物の排出量が少なく、臭気も少ない点が挙げられます。

WF1-L640製品紹介

ここからは、WF1-L640の具体的な特徴について解説します。サイン・ディスプレー用途向けのプリンターを導入する際は、下記の内容を参考にしてください。

WF1-L640の特徴

●高性能ピエゾヘッドを搭載
「ピエゾヘッド」とは、電圧を加えると体積が変化するピエゾ素子を利用して、インクを吐出する方式のプリントヘッドのことです。WF1-L640に搭載されているのは、ブラザーがガーメントプリンター業界で培ってきた技術を進化させたもので、3種類の異なる大きさの液滴をコントロールするバリアブルドット印刷によって、リアル1200dpiの高解像度を実現しています。

インクジェットプリンターの方式には、ピエゾ方式の他にインクを加熱して気泡を発生させてインクを吐出するサーマル方式もあります。サーマル方式との違いは、ピエゾ方式のプリントヘッドのほうが高い耐久性を誇るというメリットがあります。

●人体や環境に優しいラテックスインク
WF1-L640は、揮発性有機化合物の排出量が少ないラテックスインクです。水性インクで人体に優しく、飲食店や教育機関、医療機関などで掲示する広告物にも安心して使えます。人体や環境への配慮がなされていることを認証する環境ラベル「UL ECOLOGO®」や「ULGREENGUARD Gold®」も取得しています。

ラテックスインクは、ヒーターでラテックス(分散性ポリマー)を軟化させてから、硬化させることで耐久性が高い塗膜を形成します。対候性が高く、風雨や直射日光にさらされる屋外広告物にも使用可能です。ラテックスインクの印刷物は、壁紙や屋外広告、ステッカー、キャンバスアート、カーラッピングなど、幅広い用途に使用できます。また乾燥時間も短く、短納期の仕事にも対応可能です。

●廃棄物が少なく、最後まで使い切れるインクパウチ
WF1-L640のインクは、インクパウチで提供されています。インクカートリッジには巻取り機構が搭載されているため、安定してインクが供給され、最後までインクを無駄なく使い切れます。

使用後の廃棄物も少なく、環境に優しい仕組みです。

●4色インクとオプティマイザーを搭載
WF1-L640に搭載された新開発のラテックスインクは、広い色域を実現し、表現豊かな発色を実現しています。搭載インクは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色です。

これら4色に加えて、無色透明のオプティマイザーを搭載しています。オプティマイザーは、インクの顔料粒子と反応して素早く硬化し、インクのにじみを生じにくくさせます。WF1-L640には、オプティマイザーを2本セットするので、合計で6本のインクパウチをセットすることになります。

●高いユーザービリティ
WF1-L640には、直感的に操作できる7インチのタッチスクリーン液晶画面が搭載されています。

画面にはユーザーガイダンスも表示されるため、大判プリンターに慣れていない人でも操作しやすくなっています。

WF1-L640の仕様

●価格
参考:261万8000円(税込み・市場想定価格)

●対応インクパウチ
WC1-L07C シアン 700ml
WC1-L07M マゼンタ 700ml
WC1-L07Y イエロー 700ml
WC1-L07K ブラック 700ml
WC1-L07P オプティマイザー 700ml

WF1-L640のスペック表

製品名 WF1-L640
メーカー ブラザー
発売年 2024年
参考価格 261万8000円
本体サイズ 乾燥装置あり
(幅×奥行×高さmm)
2886×836×1550
本体サイズ 乾燥装置なし  (幅×奥行×高さmm)
2886×747×1550
印刷解像度
最大1200dpi
Wi-Fi ×
メディア幅 259mm~1625mm
メディア厚み     (台紙含む) 最大1.0mm
ロール外径 最大250mm
ロール心径 76.2mm(3インチ)及び50.8mm(2インチ)

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ブラザーから発売されたラテックスプリンター「WF1-L640」を紹介しました。ブラザーとしては新しいカテゴリーの製品ですが、ガーメントプリンターで培った技術を生かして開発されているので、信頼性の高い製品となっています。

水性インクで人体や環境に優しいことに加え、さまざまなメディア(素材)に印刷が可能なことが特徴です。屋外広告に使用することも可能な、高い耐候性を備えています。サイン・ディスプレー用途に適したプリンターを探している人は、候補の一つとして検討してみてください。

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