いまやビジネスの場では当たり前のように使われている「名刺」。でも、この風習がいつからあったものか知っているでしょうか?
じつは名刺の歴史は古く、活版印刷の発明よりもはるか昔、2000年以上前の中国で発祥したと言われています。今回はビジネスの場でも使えるかもしれない豆知識、“名刺の歴史”についてご紹介します。
名刺はもともと紙製ではなかった!?
前述したとおり、名刺は紀元前2世紀頃、中国で発祥した(注1)と言われています。名刺のもとになったのは、木製や竹製の「刺」に名前を書いたものです。中国の皇祖 劉邦が妻をめとる際に、その父親に面会を申し込み、刺に「政治献金をします」と伝言を書いて取り次ぎを頼んだものが、名刺の始まりとされています。
※注1 諸説あります
その後、おもに官僚、地主、文人などが屋敷を訪問したときに、地位のある方に取り次ぎを頼むときや、相手の不在時に使用していたものが名刺となり、世界中に広がっていきました。名刺に「紙」ではなく「刺」が使われているのは、元々紙ではなく木製や竹製の「刺」を使っていたことが由来です。
日本に名刺がやってきたのは19世紀ごろ
日本に名刺がやってきたのは、江戸時代、徳川幕府のころといわれています。国学者であった屋代弘賢(やしろひろかた 1758年〜1841年)の『名刺譜』に貼られた当時の名刺が、日本最古のものになります。日本で使用していた名刺は和紙に墨で名前と家紋を記したもので、使い方は古代の中国と同じように訪問先の不在時に置いてくるものでした。
その後、幕末になると、江戸幕府の役人が開国を求めてやってきた外国人と交渉をするときに名刺を用いるようになりました。「名刺を交換してから談判に及んだ」と記録もされていることから、名刺がビジネスの場面で使われるようになったことがうかがえます。
近代日本での名刺の役割は?
開国を迎えて明治時代になると、名刺は上流階級の人たちの社交用のアイテムとして変化をしていきます。その後大正、昭和、戦後と時代を経ていくうちに、現在の「身分証明書」として活用されるようになっていきました。
家紋と氏名のみを記していた名刺が、定型デザインで黒一色であるものの、社名、電話番号、肩書きを記した現在の名刺と同じような形へと変化を遂げていきます。
高度経済成長期以降の名刺の姿
高度経済成長期(1955年〜1972年頃)の終わりになると、名刺はさらに変化をしていきます。白黒印刷で最低限の情報のみを記していた名刺にカラー印刷や写真が使われ、会社のロゴなども印刷されるようになりました。印刷方法も凸版印刷やオフセット印刷などが使用され、現代の名刺のかたちとほぼ変わらなくなってきました。
1990年以降になると名刺はビジネスの場だけでなく、個人間でも使用されるようになります。「55mm×91mm」が標準サイズだった名刺ですが、個人用として使われる名刺は形や素材が多様化していきました。
木から紙、さらに新しいかたちへ!名刺の進化は止まらない
今回は名刺の歴史について紹介しました。
● 名刺は2000年以上前の中国発祥
● 発祥当時は木製や竹製で、おもに取り次ぎのために使用
● 日本に伝わったのは19世紀頃
当たり前のように使っていても、名刺の歴史を知っている人は少ないのではないでしょうか。豆知識として覚えておけば、商談や打ち合わせの雑談として役立つかもしれませんね。
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