直線に紙を切るなら、ハサミやカッターを使えば簡単にできますが、複雑な形に紙を切りたいときはそうもいきません。ハサミやカッターを使った手作業で切るのは難しく、とくに何枚も切りたいときは、時間がかかってしまいますよね。
そこで、この記事では、複雑な形のカットも自動でできる「カッティングマシン」をご紹介。紙だけではなくレザーもカットできたり、箔押しやエンボス加工ができたりする商品もあります。
なかなか触れる機会のない、カッティングマシンの世界に、この機会に触れてみましょう!
カッティングマシンとは
カッティングマシンとは、データ通りに紙や布などの素材をカットする機械です。デザインを作成できる機能を持つ製品が多いものの、デザインの印刷はできないので、印刷は別途、プリンターで行います。カットしながらペンを使ってデータで指定したとおりに書き込んだり、機種によっては箔押しやエンボス加工を施したりは可能です。メーカーや機種によって機能はさまざまなので、用途に合った製品を選びましょう。
ここからは、国産製品を2モデル、海外製品を2モデル紹介しました。それぞれの比較表も付けておくので、価格や焼津などの違いを、そこで比較してみてください。
ブラザー ScanNCut CM300
基本性能を備えた、シンプルなエントリーモデル
スキャンカットの必要な基本性能をおさえたエントリーモデルです。それほど複雑なカットはしないけれど、カッティングマシンを使ってみたいというのであれば、十分な機能を備えています。
ブラザー ScanNCut CM300の特徴
●カットしたい素材をきれいに切り取る
画像やイラストなど、カットしたい素材をスキャンして、そのアウトラインをカットできます。イラストのアウトラインからカットする線までの距離を決めたり、アウトラインや枠をつけて好きな形に切り取ったりできます。
●プリントされた画像やイラストをスキャンして、データ作成ができる
スキャンした画像やイラストを、タッチペンを使って編集し、データとして保存できます。液晶モニター上で編集作業ができるので、パソコンがなくても編集作業ができて便利です。また、スキャン・編集した画像をUSBに保存もできます。
●無料Webアプリ「ScanNCutCanvas」でデータ作成がスムーズに
データの編集だけでなく、保存や管理がWebサーバー上できるアプリ「ScanNCutCanvas」が無料で適用されています。iPhoneやAndroidでも使えますが、ブラウザ上での使用になります。CM300上のモニターで行うよりも、詳細な編集が可能です。
ブラザー ScanNCut CM300の仕様
●価格
参考:3万6800円(税込み・Amazon 24/1/21現在)カッター+ピンセット+カッティングマット+ユニット/スキージセット
●交換用アクセサリ
カッティングマット(12~24インチ):1650円~(税込み・Amazon 24/1/21現在)
替え刃(標準):2690円(税込み・Amazon 24/1/21現在)
チャコペンセット:1870円(税込み・Amazon 24/1/21現在)
ブラザー ScanNCutDX SDX1200
模様や刺繍データを多数内蔵し、分厚い素材もカットできるハイスペックモデル
ブラザーのカッティングマシンの中でも、2024年1月現在でもっともハイスペックなモデルです。ベーシックな「ScanNCut CM300」に比べて、さまざまな機能が追加されています。
ブラザー ScanNCutDX SDX1200の特徴
●自動ブレード調整機能を搭載
素材の厚みを感知して、自動で刃の出量等を調整する自動プレード調整機能を搭載。難しい刃の調整をする必要がなく、そのままきれいに素材をカットします。
●素材やカット方法も自由自在
紙だけでなく、ファルトやウレタンフォーム、PPシートなど、さまざまな素材のカットが可能。最大厚さ3mmまでの素材をカットすることができ、設定することで台紙を残してシールだけカットできます。
●豊富な内蔵模様
1300種類以上の内蔵模様と、17種類の内蔵フォントを搭載。さらに、ブラザーの刺繍ミシン用データを読み込んで、カットデータに変換できます。パソコンがなくてもデータの追加ができ、手軽に創作の幅を広げることが可能です。
ブラザー ScanNCutDX SDX1200の仕様
●価格
参考:9万2400円(税込み・EUROPORT 24/1/21現在)
●交換用アクセサリ
カッティングマット(12~24インチ):2340円~(税込み・Amazon 24/1/21現在)
替え刃(自動調整用):3300円(税込み・Amazon 24/1/21現在)
チャコペンセット:1870円(税込み・Amazon 24/1/21現在)
ScanNCutDX SDX1200とScanNCut CM300のスペック比較表
製品名 | SDX1200 | CM300 |
---|---|---|
本体サイズ (幅×奥行×高さ) |
53.1×21.5×17.3 cm | 49.7×17.5×15.7cm |
本体質量 | 6.5kg | 3.7kg |
液晶サイズ | 5インチ | 3.67インチ |
カット基本対象 | 布/紙/プラバン/ウレタンフォーム | 布/紙 |
ワイヤレスLAN接続機能 | ◯ | - |
総内蔵模様数 | 1303 | 601 |
内蔵フォント数 | 17 | 5 |
消費電力 | 49W | 25W |
本体最大メモリー | 1.5メガバイト | 1メガバイト |
シルエットカメオ5 ホワイト
2023年秋に新発売されたシルエットシリーズ最新モデル
アメリカ発の、カッティングマシン専門メーカー、シルエットから発売された最新モデルのカッティングマシンです。
シルエットカメオ5 ホワイトの特徴
●高い静音性と、高度なカット技術
ツールキャリッジの合成を強化することで、作動時の安定性がアップ。さらにモーターの駆動方式を変更し、ベルトドライブを新しくすることで、振動を抑えて静音化を実現しました。また、カット時の用紙のズレを抑えるIPT機能により、薄い紙を何枚も重ねてカットしたり、細かいデザインもきれいにカットしたりが可能です。
●箔押しやエンボスツールも使える
カード台紙や合皮素材に、ヒートペンを使って箔押し加工を施せます。またエンボスツールを使えば、エンボス加工やデボス加工も可能。カットだけでなく、クオリティの高い作品に仕上げます。
●リピートジョブ機能など便利な機能を搭載
ワンタッチで直前のジョブと同じデザインを繰り返しカットできる、リピートジョブ機能を搭載。何枚も同じデザインをカットするときに便利です。また、専用モバイルアプリ「シルエットゴー」では、データ出力機能に加えて、画像や写真からカットデータを作成する機能や、自由に文字を作成できるテキスト機能も追加されました。
シルエットカメオ5 ホワイトの仕様
●価格
参考:4万1800円(税込み・Amazon 24/1/21現在)
●オプション
CAMEO 静電マット ホワイト(12inch ホワイト):1万7600円(税込み・楽天24/1/21現在)
エンボス用台紙 12inch:4180円(税込み・楽天24/1/21現在)
シルエットカメオ4プラス
A3ノビ対応で、幅広いモノづくりに対応
大きなサイズのカットが可能で、ホビーを超えたプロクリエイターの創作にも対応します。
シルエットカメオ4プラスの特徴
●A3ノビ対応
15inchモデルなので、A3ノビまでの大きさに対応します。大きなサイズのカットに対応し、ホビーとしてだけでなく、プロクリエイターやクラフト作家など、幅広い用途に使えます。
●2ペン対応で、付け替えの手間いらず
カット用の刃とペンなど、2つの種類の常時付けておくことで、付け替えることなくカットとペン書きを同時にできます。付けたツールは、自動検出機能により識別されるので、設定も簡単です。
●デザインの作成や、データの仕様もラクラク
標準付属ソフトウェア「シルエットスタジオ」を使い、専用のPixScan台紙に貼り付けた手書きのイラストや写真を読み取り、カットラインを作成できます。また、フリーデータが100点使えるほか、デザインのサブスクリプションやデザインストアを購入も可能です。
シルエットカメオ4プラスの仕様
●価格
参考:4万9500円(税込み・Amazon 24/1/21現在)
●交換用アクセサリ
オートブレード CAMEO4 用:1881円(税込み・Amazon 24/1/21現在)
ペンホルダー:1100円(税込み・Amazon 24/1/21現在)
シルエットカメオ5 ホワイトとシルエットカメオ4プラスのスペック比較
製品名 | シルエットカメオ5 ホワイト | シルエットカメオ4プラス |
---|---|---|
外形寸法 幅×奥行×高さmm(約) |
566.0×176.4×124.2mm | 642×195×170 mm |
質量 [重量](約) |
5.2kg | 5.4 kg |
動作保証範囲 | 305mm×305mm(台紙あり) 294mm×4876mm(台紙なし) |
371mm×381mm(台紙あり) 371mm×1016mm(台紙なし) |
最大カット速度 | 300mm/s | 300mm/s |
装着可能なペン本数 | 2本 | 2本 |
消費電力 | 25W | 27W |
***
複雑な形も、きれいに切り抜いてくれるカッティングマシン。デザインも豊富なうえ、もちろん自作のデザインもデータ化して使えるので、手作業で切るのが難しい場合や、何枚もカットする必要があるときに重宝します。機種によっては便利な機能も搭載されているので、ぜひこの記事を参考に、使いやすいカッティングマシンを見つけてみてください!
↓↓↓カッティングマシーンでカットすれば用途が広がる! 色カードを紙の専門家・松本店長が詳しく解説!↓↓↓