松本洋紙店では、新たに「溶剤インクジェット用紙」の取り扱いを始めました。そもそも、この耳慣れない「溶剤インクジェット」とは、どんなものなのでしょうか?
家庭用を始め、一般的なインクジェットプリンターで使用されているのは水性インクです。「水」に顔料や染料が溶け込んでいます。これに対して「溶剤」に顔料が溶け込んでいるのが溶剤インクで、それを使用するプリンターが溶剤インクジェットプリンターです。(以下、溶剤インクジェット)
溶剤は英語で「ソルベント」なので、ソルベントプリンターとも呼ばれます。溶剤を使用していることで、水性のプリンターで印刷したものとは違った特性が生まれます。この記事では、そんな溶剤インクジェットプリンターで作る印刷物の特徴について解説します。
耐久性が高く長持ち
溶剤インクジェットの印刷の仕組みは、プリントヘッドから微細なインクの粒を素材に向けて吐出するというもので、これは水性のインクジェットプリンターと同じです。
水性プリンターとの大きな違いは、溶剤の効果で素材の表面が溶け、成分が素材に浸透する点にあります。印刷後に、ヒーターで加熱して溶剤を揮発させると、インクが素材に定着し、耐水性や耐光性に優れた印刷物になります。

水に濡れても影響を受けにくいので、雨や雪がかかる屋外に掲示するポスターなどに向いています。耐光性も高く、日の光が当たる場所でもあまり退色しません。美しい色が長持ちするので、その点からも屋外掲示物に適しているといえます。耐久性の高さに加えて発色も良く、屋外でもはっきり見える印刷物が作成できます。
5色以上のインクが高画質を実現
水性インクのプリンターと同様に、溶剤インクジェットも基本となるインクも、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色です。そして、より色の再現度が高い高精細の印刷をするために、基本4色以外のインクが追加されたプリンターが販売されているのも同じです。
追加されるインクの例としては、レッドやオレンジ、グリーンなどがあります。そのほかに、水性インクジェットでは用いられない色として、シルバーやホワイトがあります。

シルバーインクは、カラーインクと組み合わせることで、ゴールドやブロンズの色味も表現できます。金属の質感を、リアルに再現できることが特徴です。
ホワイトインクは、隠ぺい性に優れています。透明なシートに印刷するとき、下地に白を印刷すると、色彩を鮮やかに表現できます。
高品位な印刷に不可欠なシルバーやホワイトのインクは、溶剤インクジェットのなかでも、おもにハイエンドの機種に搭載されています。
屋外広告などの用途にピッタリの溶剤インクジェット
耐水性、耐光性に優れた溶剤インクジェットの印刷物は、屋外広告や展示物などの用途にぴったりです。より高品位な印刷をしたい場合は、基本4色以外のインクを搭載した上位機種を選ぶと良いでしょう。
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溶剤インクジェットで印刷できる素材には、塩ビやPETのフィルム、ターポリンと呼ばれるポリエステルやナイロンに表面加工を施した生地、合成紙などがあります。
これらの素材は、松本洋紙店でも取りあつかいを開始しました。ポスターや壁紙、横断幕、タペストリー、車両のラッピングなど用途に合わせて選べるので、溶剤インクジェット用のロール紙をお求めの際は、ぜひ松本洋紙店をご利用ください。