屋内サインや写真作品などの出力に使われる大判プリンター「SC-P20550L」が、エプソンから2024年7月に発売されました。12色の水性顔料インク搭載し、高画質の印刷を実現したモデルです。用紙幅は最大64インチ(1626mm)まで対応し、高品位ポスターやアート作品の印刷にも用いることができるハイスペックな製品となっています。
この記事では、そんな業務用の最新大判プリンターをご紹介します。
SC-P20550Lはどんなプリンターなのか?
SC-P20550Lは、高品位な印刷ができるプリンターです。高画質であることに加え、操作性や環境性能にも十分に配慮された製品となっています。ここからは、SC-P20550Lの特徴について解説します。
SC-P20550Lの特徴
●12色インクによる高画質と広色域
SC-P20550Lは、エプソンの大判プリンターの中でもっとも多い12色のインクを搭載しています。特色インクとしては、オレンジ、グリーン、バイオレットを搭載。オレンジインクにより黄から赤方向に、グリーンインクにより緑から黄方向と緑から青方向に、バイオレットインクにより青から紫方向に色域が拡大しています。
その結果、国際的な標準指定色であるPANTONE®カラーチャートにおいて、99%のカバー率を達成しました。広色域が求められる高画質ポスター、屋内サイン用途に適したプリンターとなっています。高画質が求められる電飾サイン用途にも向いています。
●ブロンズ現象を抑えるブラック・エンハンス・オーバーコート機能
SC-P20550Lには、ブラック・エンハンス・オーバーコート機能が搭載されています。ライトグレーインクでオーバーコートすることで、着弾したインクの段差を少なくして、表面の光沢を最適化します。
これにより、黒の重厚感を増すと同時に、光の不規則な反射で本来とは異なる色味が見える「ブロンズ現象」も抑制します。光源の影響を受けにくくなるので、掲示した場所によって色味が変わって見えることも減り、作品を忠実に表現できます。
●2.64インチヘッドによる高い生産性
本機に搭載されているプリントヘッドは、2.64インチの大きさがあり、総ノズル数は9600もあります。ブラックは800ノズル×4色の3200ノズル、カラーは800ノズル×8色の6400ノズルで、合計9600ノズルです。ヘッドが大きくノズル数が多いので、B0用紙を約4.8分で印刷できる高い生産性を発揮します。
●交換回数が少なく済む1.6L大容量インクパック
SC-P20550Lのインクサーバーには、12本のインクパックがセットできます。1本のインクパックは1.6Lの大容量です。インク交換の回数を減らして、生産性の向上に貢献します。ランニングコストも優秀で、B0用紙1枚を約391円の低コストで印刷できます。
パック式のインクなので、使用済みのパックの保管スペースが、インクカートリッジの場合と比較して約90%削減できます。
●安定した稼働を支える各種機能
SC-P20550Lには、安定した稼働を支える各種機能が搭載されています。ノズル自己診断システムは、ノズル抜けを自動で検知して、ドット抜けを改善。高い画質を維持して、プリントミスを防ぎます。給紙動作中に紙をたわませて紙送りを均一にして、紙送りの左右差を自動で補正する機能も備えています。
さらに、ホコリの侵入を防止するダストカバーやヘッドの乾燥防止カバーが、トラブルを未然に防ぎます。工具不要で機体前面が大きく開き、ヘッドの清掃などのセルフメンテナンスをしやすくなっている点にも注目です。
●操作性に優れたタッチパネルを採用
本製品には、4.3インチの大きなタッチパネルが搭載されています。わかりやすいイラストで出力までガイドしてくれるので、操作に迷いません。インク残量を始め、プリンターの必要情報も見やすく表示されます。
タッチパネルには静電容量式ではなく、光学式が採用されています。静電容量式は人の指のような電気を通すもので触れる必要があります。本製品に搭載されている光学式のタッチパネルは、手袋をした状態でも問題なく反応するようになっています。
●スピンドルレスで用紙の交換が容易
大判プリンターには、ロール紙をセットするときにスピンドルという心棒を使うものがありますが。本製品には必要ありません。ロール紙の両端にロール紙アダプターを取り付けて、本体にセットします。
長いスピンドルをあつかう必要がなく、セットするロール紙を一時的に置いておける仮置き台も付属しているので、簡単にロール紙が交換できます。
●エプソンのクラウドソリューションに対応
本製品はエプソンのクラウドソリューション「Epson Cloud Solution PORT」に対応しています。こちらのサービスには、PCやモバイル端末でプリンターの稼働状況が分かる「見える化」、エプソン独自のカラーマネージメント技術による色合わせの「効率化」、生産工程を一元管理することによる生産の「最大化」、プリンターの稼働状況やエラーの状況をエプソンが把握してダウンタイムを削減する「遠隔サービス」という、大きく分けて4つのサービスがあります。
どのサービスが利用できるかは、契約プランによって変わります。「見える化」と「遠隔サービス」は、無料プランでも利用可能です。「効率化」と「最大化」のサービスは、有償プランで契約した場合のみ利用できます。
●環境への配慮
SC-P20550Lのプラスチック部分には、約30%の再生プラスチックが使用されています。さらに、使用済みのインクパックを回収、リユース可能な部品を選別することで、インクパック製造に用いるプラスチック資源を約21%削減する効果が見込まれています。国際エネルギースタープログラムver.3に適合する低消費電力設計で、グリーン購入法にも適合しています。
SC-P20550Lの仕様
●価格
標準価格:171万7000円(税別)
●ランニングコスト
B0 きれい:約391円
●対応インクパック
SC34BK160 フォトブラック
SC34MB160 マットブラック
SC34Y160 イエロー
SC34VM160 ビビッドマゼンタ
SC34C160 シアン
SC34GY160 グレー
SC34VLM160 ビビッドライトマゼンタ
SC34LC160 ライトシアン
SC34LGY160 ライトグレー
SC34OR160 オレンジ
SC34GR160 グリーン
SC34V160 バイオレット
※約4万7400円~(楽天市場2024/9/22現在)
SC-P20550Lのスペック表
製品名 | SC-P20550L |
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メーカー | エプソン |
発売年 | 2024年 |
参考価格 | 171万7000円 |
本体サイズ (幅×奥行×高さmm) |
2740×760×1145 |
印刷解像度 |
2400dpi×1200dpi |
Wi-Fi | × |
用紙サイズ (単票紙/ボード紙) |
A4縦~B0プラス |
用紙幅(ロール紙) | 254~1626mm |
用紙厚(ロール紙) | 0.08~0.5mm |
印刷可能最大長 | 91m |
ロール外径 | 170mm以内 |
印刷スピード (B0 きれい) |
約4.8分 |
ランニングコスト (B0 きれい) |
約391円 |
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エプソンが7月に発売したばかりの大判プリンター、SC-P20550Lを紹介しました。12色インクを搭載した高画質のプリンターで、高品位のポスターやファインアートの印刷に適しています。
高画質のプリンターの導入・買替を検討されている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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