万年筆とボールペンは、文字を書くという用途は同じながらも、構造や使い心地はまったく異なります。手軽に使えるボールペンは、日常的に使われることが圧倒的に多いですが、独特な書き心地も好んで万年筆を使う人もいます。
この記事では、万年筆とボールペンの違いや、それぞれにおすすめのシーンをご紹介します。どちらの筆記用具にもそれぞれ良い点があるだけに、シーンに合わせて使い分けましょう。
万年筆とボールペンの違い
万年筆とボールペンは、どこが違うのでしょうか? 以下、大きく異なるポイントを、ざっくりと3つに分けて解説します。
①構造とペン先の違い
万年筆のペン先には細い溝があり、液体が細い管を通って滲み出そうとする毛細管現象を利用して、インクが出るようになっています。ペン先は取り外し可能で、長く使っているとペン先が傷んでくるため、定期的にペン先の交換が必要です。
一方ボールペンは、インクの入った筒の先に取り付けた小さなボールが紙の上で回転することによって、ペン先にインクが補充され、文字などが書けるようになっています。基本的にはペン先のみの交換はできず、インクの交換時に本体ごと交換になります。
②インクの違い
万年筆は、毛細管現象によってインクを運ぶという特性上、あまり粘度の高いインクは適していません。顔料インクなども利用可能ですが、お手入れがかなり必要になるので、染料インクのほうが一般的です。その点、ボールペンのほうがインクの自由度は高く、水性・油性どちらのボールペンも一般的です。インクを交換するときも本体ごとになるため、お手入れもそれほど必要ありません。
③価格の違い
一般的には、ボールペンよりも万年筆のほうが高価なものが多いです。とはいえ、ボールペンにも数万円以上する高価なものもありますし、万年筆も使い捨てタイプは数百円で購入できるものもあります。
万年筆におすすめのシーン
万年筆の特徴は、味のある文字です。そのため、手紙やサインなどをするときには万年筆がおすすめ。文字の個性も出やすく、ペン先によってはトメやハネ、ハライなどの表現もできます。日本語をきれいに書くには、万年筆が適しているといえるでしょう。
また、ペン先の滑りがよく、軽い書き心地で、日記などをつけるときにも便利です。インクによっては、年を経ることで色が変わっていくので、日記に使うと後で読み返したときに味わい深く感じられそうです。
ボールペンにおすすめのシーン
万年筆にはないボールペンの大きなメリットが、書いた文字のインクが乾くのを待たなくていいことです。手帳や日記などに文字を書いてすぐに閉じても、文字が別のところに写ることはありません。
また、インクにもよりますが、経年劣化しにくいものが多く、高い筆圧で書いても問題ないので、ビジネス文書や、複写式の書類などにも適しています。インク漏れなどの心配が少ないので、ポケットなどに入れて持ち歩くのにも便利です。
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万年筆とボールペンは、どちらもメジャーな筆記具ですが、シーンで使い分けるとより便利に使えそうですね。
松本洋紙店では、万年筆も使いやすい手帳用紙や、ボールペンがおすすめの複写用紙など、さまざまな種類の紙を取り扱っています。用途に合わせた紙をご用意できますので、どんな紙がいいか迷ったときは、ぜひご相談ください。
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