今回の記事で取り上げるジェルジェットプリンターとは、いったいどんなものなのでしょうか?
こちらはリコーが販売しているインクジェットプリンターの一種で、インクが用紙に付着した瞬間にGEL化する点が特徴です。この記事では、そんなジェルジェットプリンターの特徴について解説すると共に、最新機種であるSG3300、SG2300を紹介します。
ジェルジェットプリンターの特徴
ジェルジェットプリンターは「GELJETビスカスインク」という特殊なインクを使用していて、普通紙に印刷してもこすれない高い定着性があります。また、用紙に付着した瞬間にGEL化して素早く乾燥するので、にじみが少なく、乾燥時間が早い特性もあります。
インクの速乾性が高いということは、高速印刷に適していて、SG3300、SG2300の場合、毎分29枚の印刷が可能です。
ジェルジェットプリンターは、インクの耐光性が高いのも特徴です。リコーのシミュレーションによると、耐光性は50年です。にじみにくく耐水性も高いので、屋外に掲示するPOPの印刷や長期間の保存が必要になる書類の印刷に適しています。
一方、高精細の写真を印刷する用途に使用する場合は、中間色のインクを搭載したインクジェットプリンターの上位機種には及びません。写真印刷を主な用途とするならインクジェットプリンターの方が適しています。
写真よりも文書の印刷に適しているので、ビジネスプリンターとして多く採用されています。
同じくビジネス用が中心のレーザープリンターと比較した場合、ファーストプリントの時間が早い、消費電力が小さい、本体がコンパクトといった優位性があります。
ジェルジェットプリンターの新機種紹介
ジェルジェットプリンターの最新機種は、2022年10月にSG 3300とSG2300が発売されました。SG 3300は、自動両面印刷も可能な機種。SG2300は、SG 3300と基本的な性能は同等ですが、片面印刷のみなので価格がやや抑えられています。
自動両面印刷が可能な「SG 3300」
SG 3300は自動両面印刷が可能で、今回の新機種の中では上位機種となります。リコーのジェルジェットプリンターには、他にA3印刷が可能なSG 7200や、ハイエンドモデルであるSG 5200もあります。SG 5200には、通常の用紙トレイを搭載したモデル以外に、用紙の入れ替えに便利なフロント手差しトレイを装備したモデルもあります。
SG 3300の特徴
●業務効率を上げる高い印刷速度
SG 3300は、カラー・モノクロともに毎分29枚を印刷できる高速プリンターです。またファーストプリントも2.5秒と、かなりの速さです。同程度の価格帯のレーザープリンターでも、ファーストプリントに10秒以上かかる場合が多いので、業務効率の改善が期待できます。
注意点としては、上記がリコーオリジナルチャートで算出された印刷速度になっていることです。国際標準化機構のISO/IEC 24734に基づいた場合、カラーの印刷速度は毎分13枚、モノクロ13.4枚です。ファーストプリント時間はISO/IEC17629に基づくと、カラー9.1秒、モノクロ8.9秒となります。
●紙詰まりが起こりにくいGELJET BTシステム
紙送りには、用紙全体を静電気で吸着させてベルトで搬送する機構(GELJET BTシステム)を搭載しています。ローラー方式よりも紙詰まりや印字かすれのトラブルが起きにくいのが特徴で、封筒や薬袋などの印刷に最適です。
●オプションを装着で最大5WAY給紙が可能
本体の標準トレイに加えて、増設トレイを3段、マルチ手差しフィーダーをオプションで追加できます。最大で5種類の用紙を同時にセットできるので、さまざまな用紙に印刷する必要がある職場で便利に使えます。標準トレイと増設トレイには、250枚の大量給紙が可能。マルチ手差しフィーダーにも、100枚給紙できます。
SG 3300の仕様
●価格
参考:3万8500円(税込み・楽天市場23/1/24 現在)
●ランニングコスト
カラー:約8.5円
モノクロ:約2.5円
●対応カートリッジ
GC43K ブラックMサイズカートリッジ
GC43C シアンMサイズカートリッジ
GC43M マゼンタMサイズカートリッジ
GC43Y イエローMサイズカートリッジ
GC43KS ブラックSサイズカートリッジ
GC43CS シアンSサイズカートリッジ
GC43MS マゼンタSサイズカートリッジ
GC43YS イエローSサイズカートリッジ
※ブラックMサイズ 約4600円~、カラーMサイズ 各約3700円~、ブラックSサイズ 約2300円~、カラーSサイズ 各約2100円~(楽天市場 23/1/24現在)
片面印刷のみ可能な「SG 2300」
SG 2300は、SG 3300と同時に発売されたジェットプリンターです。性能はSG 3300とほぼ同等ですが、自動両面印刷の機能がなく、その分若干安価な製品となっています。SG 3300よりもコンパクトなサイズなのも特徴です。
SG 2300の特徴
●片面印刷のみである以外はSG 3300と同等の性能
印刷速度や印刷コストなど、SG 2300の基本的な性能はSG 3300と同等。自動両面印刷に対応していない点が主な違いです。2モデルともオープン価格での販売で、楽天市場の実売価格では、SG 2300の方が4000円程度安く販売されています。
●SG 3300よりもコンパクトなサイズ
自動両面印刷対応か否か以外に、本体サイズにも差があります。SG 3300も399×437×213mmのコンパクトなプリンターですが、SG 2300は399×360×213mmと、奥行きが77mm短く、よりコンパクトになっています。省スペースなプリンターが欲しい人におすすめです。
●使いやすさにも十分に配慮されたデザイン
SG 3300と共通した特徴ですが、キューブデザインで上にものが置けます。均等荷重なら、最大で10kgまで置けて便利です。また、給紙やインクカートリッジの交換が前面から可能なフロントオペレーションを採用していて、使い勝手の良いプリンターです。廃インクボックスはユーザーが自分で交換でき、この作業も本体前面から可能です。
SG 2300の仕様
●価格
参考:3万4769円(税込み・楽天市場23/1/24 現在)
●ランニングコスト
カラー:約8.5円
モノクロ:約2.5円
●対応カートリッジ
GC43K ブラックMサイズカートリッジ
GC43C シアンMサイズカートリッジ
GC43M マゼンタMサイズカートリッジ
GC43Y イエローMサイズカートリッジ
GC43KS ブラックSサイズカートリッジ
GC43CS シアンSサイズカートリッジ
GC43MS マゼンタSサイズカートリッジ
GC43YS イエローSサイズカートリッジ
※ブラックMサイズ 約4600円~、カラーMサイズ 各約3700円~、ブラックSサイズ 約2300円~、カラーSサイズ 各約2100円~(楽天市場 23/1/24現在)
SG 3300とSG 2300のスペック比較表
製品名 | SG 3300 | SG 2300 |
---|---|---|
メーカー | リコー | リコー |
発売年 | 2022年 | 2022年 |
参考価格 | 3万8500円 | 3万4769円 |
本体サイズ (幅×奥行×高さmm) |
399×437×213 | 399×360×213 |
印刷速度 (A4カラー文書 毎分) |
29枚 | 29枚 |
印刷速度 (A4モノクロ文書 毎分) |
29枚 | 29枚 |
印刷解像度 (dpi) |
4800相当×1200 | 4800相当×1200 |
Wi-Fi | ○ | ○ |
自動両面 印刷 |
○ | × |
最大用紙 サイズ |
A4 | A4 |
最大給紙 枚数 |
250枚 | 250枚 |
印刷 コスト (A4カラー文書) |
約8.5円 | 約8.5円 |
印刷 コスト (A4モノクロ文書) |
約2.5円 | 約2.5円 |
***
リコーのジェルジェットプリンターの特徴と最新機種について解説しました。
GEL化するインクを使用したジェルジェットプリンターは、インクの乾燥が早く印刷スピードが速いことが大きな特徴です。にじみにくく耐光性が高いので、とくに屋外に掲示するような印刷物の印刷に向いています。
印刷時に熱を発生させるレーザープリンターよりも省電力なので、レーザープリンターからの買い替えを検討する価値は十分にあります。
この記事で紹介した最新機種のSG 3300とSG 2300は、コンパクトなサイズで印刷が速い、ビジネスプリンターとして優秀な製品です。買い替えや新規購入の際の選択肢の一つとして考えてみてください。
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