ひとくちにビジネスプリンターと言っても、さまざまな特徴を持った製品があります。その仕事では、どんなものを求められているのか? 導入する職場に合ったものを選ぶことが重要です。
この記事では、職場の環境やプリンターの使用状況を想定して、業種や使用シーンに合ったおすすめのプリンターをご紹介します。プリンターの導入や買い替えを検討するときの参考にしてください。
業種や使い方で変わるプリンターの重視すべき性能
プリンターの性能に差が付くポイントとして、印刷の鮮明さやランニングコスト、印刷のスピードなどが挙げられます。ビジネスプリンターでは、とくにランニングコストや印刷スピードが重視されることが多いのではないでしょうか。とはいえ、印刷枚数や印刷頻度によって、どの程度コストやスピードを重視すべきかは変わってきます。
また、設置スペースに合わせてコンパクトさを重視する必要があるケースや、ハガキやチラシを印刷するために、さまざまな用紙に対応できるものを求めるようなケースもあります。
どこを重視するべきかは、業種や業態、オフィスの規模、そして使い方によって変わってくるのです。
業種別・使用シーン別おすすめプリンター5機種紹介
コンパクトな飲食店向けプリンター エプソン「PX-105」
飲食店のようなバックヤードのスペースが限られている業種では、コンパクトなプリンターを選ぶといいでしょう。メニューを印刷したり、お客様へ送るハガキを印刷したりする機会があることも考えると、さまざまな用紙に印刷できる背面トレイを搭載したプリンターがおすすめです。この2つの要素を満たすプリンターとして、PX-105をご紹介します。
【参考】
EPSON PX-105
PX-105の特徴
●コンパクトサイズ
本製品の収納時のサイズは392×264×148mmです。使用時のサイズは、392×530×296mmです。背面トレイタイプのプリンターなので、使用する際には奥行きがある程度必要になりますが、それでもかなりコンパクトなサイズといえます。
●ハガキも印刷可能な背面トレイ
本製品は、普通紙なら厚めの0.11mmまで印刷可能。もちろんハガキの印刷もできます。お客様へ送るハガキやメニュー印刷も、これ1台あればこなせるんです。背面トレイ式なので、トレイ式よりも用紙の交換が簡単なこともおすすめポイントです。
●本体価格が安い
本体価格の安さも、PX-105のおすすめポイントです。ふだん印刷する枚数が少ないと、高価なプリンターは割に合わなく感じがちですが、こちらのプリンターは低価格なので、費用をかけずに導入できます。
PX-105の仕様
●価格
参考:6900円(税込み・Amazon 22/8/24現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約14.4円
A4モノクロ文書:約4.5円
●対応インクカートリッジ
ICBK69 ブラック
ICC69 シアン
ICM69 マゼンタ
ICY69 イエロー
ICBK69L ブラック増量
※各約1000円~、ブラック増量約1700円(Amazon 22/8/24現在)
様々な用紙に印刷できる小売店向けプリンター キヤノン「GX5030」
小売店のような業種の場合、店内POPを作ったり配布用のチラシを作ったりと、さまざまなサイズや厚さの用紙に印刷する機会も多いのではないでしょうか。この場合、用紙の対応力がプリンターを選ぶポイントの1つになります。また、チラシなどを大量に印刷すると、ランニングコストも気になるところです。これらの点を満たすプリンターとして、GX5030をご紹介します。
【参考】
Canon GX5030
GX5030の特徴
●ランニングコストが低い
GX5030は大容量インクタンクを搭載したプリンターで、ランニングコストの低さが特徴です。A4カラー文書は約2.2円、A4モノクロ文書なら約0.8円で印刷できます。印刷枚数が多い店舗におすすめです。
●用紙対応力が高い背面トレイ
本製品には、普通紙250枚がセットできるカセットと、100枚がセットできる背面トレイが搭載されています。背面トレイでは、ハガキや封筒、シール紙などが印刷できるほか、長さ1200mmまでの長尺紙も印刷可能です。大きく迫力のあるPOPなどの掲示物も作成できます。
●コンパクトで省スペース
本製品は、印刷機能のみに特化した単機能プリンターで、その分だけサイズが抑えられています。収納時は約399×416×238mmで、使用時でも約399×639×332mmです。プリンター設置に広い場所が確保できない店舗でも置けそうです。
GX5030の仕様
●価格
参考:5万5000円(税込み・Amazon 22/8/24現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約2.2円
A4モノクロ文書:約0.8円
●対応インクボトル
GI-36BK ブラック
GI-36C シアン
GI-36M マゼンタ
GI-36Y イエロー
※ブラック約4600円~、カラー約5400円(Amazon 2022/8/24現在)
仕事が忙しい病院向けプリンター エプソン「PX-M791FT」
病院などの仕事が忙しく、インクや用紙の補充に時間を取られたくない職場に適したプリンターがPX-M791FTです。大容量のインクタンクを搭載し、大量給紙も可能なので、多くの枚数を印刷しても補充の手間が少なく済みます。ランニングコストの安さも魅力です。
【参考】
EPSON PX-M791FT
PX-M791FTの特徴
●大容量インクと大量給紙
本製品には、大容量のインクタンクが搭載されています。インクを補充する手間が少なく、忙しい職場におすすめです。用紙カセットは2段式で1段に250枚、合計500枚の用紙がセットできます。加えて、背面トレイにも50枚のセットが可能です。大量給紙で用紙補充の手間が省けます。
●低ランニングコスト
本製品の印刷コストは、A4カラー文書約2.2円、A4モノクロ文書約0.9円です。大量に文書を印刷する職場では、コストを下げる効果も期待できるプリンターです。
●印刷スピードが速く業務効率がアップ
印刷スピードは、カラー・モノクロともに1分間約25枚で、ファーストプリントも約5.5秒の速さです。高速印刷が可能なプリンターなので、印刷待ちの時間が少なくなり、業務効率の改善にも貢献します。
PX-M791FTの仕様
●価格
参考:11万2800円(税込み・楽天市場 22/8/24現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約2.2円
A4モノクロ文書:約0.9円
●対応インクボトル
IT08KA ブラック127ml
IT08CA シアン70ml
IT08MA マゼンタ70ml
IT08YA イエロー70ml
※ブラック約4700円~、カラー各約2300円(Amazon 22/8/24現在)
CADの図面が印刷できる建築業界向けプリンター エプソン「SC-T2150」
建築業界では、CADで作成した図面を大きな用紙に印刷する場面も多いのではないでしょうか。SC-T2150は、A1プラスのサイズまで印刷できる大判プリンターで、A1サイズのCAD図面を1枚約8円の低コストで印刷できます。大判プリンターとしては低価格の、エントリーモデルです。
【参考】
EPSON SC-T2150
SC-T2150の特徴
●省スペースの大判プリンター
サイズが大きくなりがちな大判プリンターですが、本製品は970×505×230mmの省スペース設計です。作業机やラックの上に設置することもできます。
●水濡れや色褪せに強い顔料インク採用
本製品に採用されているのは、水濡れや色褪せに強い顔料インクです。CADの図面を印刷して現場に持ち込んだときに、水に濡れたり長時間、光に当たったりしても、図面が見にくくなることが少なくなります。
●A4やA3の用紙も印刷可能
本製品には、普通紙をセットできるオートシードフィーダーも搭載されています。A4やA3の用紙を約50枚セットすることができ、普通のビジネスプリンターとしても使えます。
SC-T2150の仕様
●価格
参考:11万6145円(税込み・Amazon 22/8/24現在)
●ランニングコスト
A1 CAD:約8円
A1ポスター:約107円
●対応カートリッジ
SC13CM シアン 26ml
SC13MM マゼンタ 26ml
SC13YM イエロー 26ml
SC13MBM マットブラック 50ml
SC13CL シアン 50ml
SC13ML マゼンタ 50ml
SC13YL イエロー 50ml
SC13MBL マットブラック 80ml
※26ml容量 各約2100円~、50ml容量 各約3800円~、80ml容量 各約5100円~(Amazon 22/8/ 現在)
製造業などにおすすめな頑丈なプリンター エプソン「GP-730」
GP-730は、堅牢性をウリにしているプリンターです。用紙カセットの落下試験や天面からの耐水性評価テストをクリアしています。製造業に限らず、頑丈なプリンターを必要とする職場におすすめの製品です。
【参考】
EPSON GP-730
GP-730の特徴
●落下試験や耐水性評価テストをクリア
本製品の用紙カセットは、80cmからの落下試験をクリアしています。また本体天面は20kgの耐荷重性能があり、インクカバーも15kgの荷重に耐えます。天面からの耐水性評価テストも、600ccをクリアしています。多少乱暴に扱っても、水をこぼしても壊れにくいプリンターです。
●紙詰まりやプリントヘッドの目詰まりが起こりにくい
紙詰まりが起こりにくい剛性が高いフレームを採用し、プリントヘッドには紙粉が付着しにくく目詰まりが起こりにくい工夫がなされています。紙詰まりが起こった場合も、開口部が広く設計されているので、詰まった紙の除去が簡単にできます。
●本体価格はやや高め
本製品の実売価格は9万2758円(楽天市場 22/8/24現在)です。印刷性能だけを見ると、同程度の性能のプリンターよりも、かなり高価な製品といえます。堅牢性の高さが必要な職場にはおすすめのプリンターですが、導入コストの高さはネックになります。
GP-730の仕様
●価格
参考:9万2758円(税込み・楽天市場22/8/24現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約6.4円
A4モノクロ文書:約2.2円
●対応インクカートリッジ
GJIC8KL ブラック
GJIC8CL シアン
GJIC8ML マゼンタ
GJIC8YL イエロー
※各約1800円~(Amazon 22/8/24現在)
業種別プリンター5機種のスペック比較表
製品名 | PX-105 (エプソン) |
GX5030 (キヤノン) |
PX-M791FT (エプソン) |
SC-T2150 (エプソン) |
GP-730 (エプソン) |
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発売年 | 2012年 | 2022年 | 2020年 | 2020年 | 2014年 |
参考価格 | 6900円 | 5万5000円 | 11万2800円 | 11万6145円 | 9万2758円 |
本体 サイズ (幅×奥行 ×高さmm) |
392×264×148 | 399×416×238 | 425×500×350 | 970×505×230 | 460×441×220 |
カラー 印刷速度 (A4文書 毎分) |
約4.7枚 | 約15.5枚 | 約25枚 | ー | 約15枚 |
モノクロ 印刷速度 (A4文書 毎分) |
約9.0枚 | 約24.0枚 | 約25枚 | ー | 約15枚 |
印刷 解像度(dpi) |
5760×1440 | 600×1200 | 4800×1200 | 2400×1200 | 5760×1440 |
Wi-Fi | ○ | ○ | 〇 | 〇 | × |
自動両面 印刷 |
× | ○ | 〇 | × | ○ |
最大用紙 サイズ |
リーガル | リーガル | リーガル | ロール紙用紙幅610mm | A4 |
最大給紙 枚数 |
100枚 | 350枚 | 550枚 | ロール紙1本 | 250枚 |
カラー 印刷コスト (A4文書) |
約14.4円 | 約2.2円 | 約2.2円 | ー | 約6.4円 |
モノクロ 印刷コスト (A4文書) |
約4.5円 | 約0.8円 | 約0.9円 | ー | 約2.2円 |
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業種や使用シーンに合わせた、おすすめのプリンターをご紹介しました。ひとくちにビジネスプリンターといっても、さまざまなタイプの製品があることがお分かりいただけたのではないかと思います。
じじなで解説してきたように、業種や仕事内容に応じて、必要とされるプリンターの特性は変わります。この記事も参考にして、自社の使い方に合った最適なプリンターを選んでください。