最近、ストローやテイクアウト用のカトラリーなど、私たちの身の周りでさまざまなものの紙化が進んでいますよね。脱プラスチック化が進んでいるのは多くの人が知っていると思いますが、ではそれによってどんな効果が得られるのか、ご存知でしょうか。
この記事では、脱プラスチックが進められている理由や、紙化が進んでいるさまざまな例をご紹介します。
いま、プラスチックから紙化が進んでいる理由
脱プラスチック化が進んでいるおもな背景としてあげられるのが「海洋プラスチックごみ問題」です。世界中で捨てられたプラスチック製品が海へ流れ込み、海鳥やウミガメ、魚などさまざまな生物に影響が出ているのです。エサと間違えてプラスチックゴミを食べてしまったり、ゴミに絡まって動けなくなってしまったり…約700種類もの生物が、海洋ごみの影響で傷つけられたり死んだりしていると言われています。
また「マイクロプラスチック」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 海に捨てられたプラスチックは紫外線を浴びてもろくなり、風や波によって岸や地面などと擦り合ううちに、無数の小さなごみへ変化していきます。プラスチックは時間が経っても土に吸収されないので、マイクロプラスチックは延々と海をさまよい続け、極小のごみは人の手による回収も困難です。魚などがエサと間違えて食べてしまい、その魚が水揚げされて流通に出れば、私たちの体にマイクロプラスチックが入ってしまうことにもつながります。
そんな問題を解決するため、さまざまな物の紙化が進んでいるのです。紙は木材からできた素材なので、時間が経てば自然分解されます。リサイクルも可能で、環境にやさしい素材である紙がいま注目されているのです。
ストロー、スプーン、ハンガー…こんなものまで紙化!
それでは、どんなものの紙化が進んでいるのでしょうか。近年、紙化されつつあるさまざまなものをご紹介します。
・ストロー・カトラリー
紙化と聞いて多くの人が思い浮かぶのが、ストローの紙化ではないでしょうか。スターバックスやマクドナルドなどの飲食店、コンビニのセブンイレブンなど、さまざまな企業で飲み物につけるストローの紙化が進んでいます。ストローと並んで、スプーンなどのカトラリーが紙化されているところも多いです。
・お菓子のパッケージ
最近、お菓子のパッケージも「紙を使用しています」などと書かれているものをよく目にするようになりました。近年の技術の進歩により紙の伸びにくい・破れやすいという弱点がカバーされ、パッケージにも使用されるようになってきています。
・ハンガー
衣料品の販売やクリーニング店などで使用されるハンガーも、紙製のものが使われています。紙製のハンガーは環境にやさしいだけでなく、印刷やレーザーでデザインを入れられるのも魅力です。
・ボトル
飲料や調味料などを入れるボトルも、紙化が試みられています。大日本印刷を含む4社では紙製ボトル「efbottle」(エフボトル)の開発が進められていて、2023年春ごろには実証実験が行われる予定です。ケチャップで有名なクラフト・ハインツも、紙製のボトルを英紙製ボトル製造企業と共同開発。2025年までには、すべてのパッケージを再利用可能なものにすることを目標としています。
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私たちの身の回りで、さまざまなものの紙化が進んでいます。紙はリサイクル可能で、自然分解される環境にやさしい素材。これからも、プラスチック製品の紙化は進んでいくのではないでしょうか。
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