社員数がそれなりにいる多くのオフィスでは、印刷機器にレーザープリンターを導入しているところが多いのではないでしょうか?
レーザープリンターは、感光体(ドラム)にトナー(色のついた粉)を吹き付けてから用紙に熱転写することで印刷する仕組み。印刷スピードが速く、文書や資料のグラフなどを鮮明に印刷するのが特徴です。まさしく、仕事でよく使うような書類にピッタリですね!
一方、家庭でよく利用されているのがインクジェットプリンター。インクを用紙に直接吹き付けるという印刷方式です。写真などをきれいに印刷します。最近は大容量タンクモデルが普及したこともあり、少人数のオフィスではインクジェットプリンターを導入するところも増えてきました。
今回は、ランニングコスト重視でプリンターを購入するなら、レーザープリンターとインクジェットプリンターのどちらを選べば良いのか、そしてどちらかを選んだのなら、いったいどのモデルがおすすめなのかをご紹介していきます!
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レーザーVSインクジェット!ランニングコストが安いのはどっち?
レーザープリンターは、導入コストもトナーやドラムなどの消耗品も高価です。しかし、一度消耗品を交換すれば長持ちするので、大量に印刷する場合はランニングコストが安くなります。ただし、電気代はインクジェットプリンターよりも高めです。
そしてインクジェットプリンターは、導入コストもインク代も比較的安価ですが、頻繁なインク交換が必要になるため、印刷枚数が多いとランニングコストがかかります。
しかし、これらはあくまでも一般的なプリンターの傾向です。最近では、インクジェットプリンターでも大容量インクタンクを搭載するなど、ランニングコストの節約につながる機種も増えています。
単純に印刷コストだけを比較すると、現在はインクジェットプリンターに軍配が上がります。前述した大容量インクタイプのインクジェットプリンターがモノクロ1枚1円未満、カラーも1円~2円程度に対し、レーザープリンターは3円以上、カラーに至っては20円近くもします。
とはいえ、毎分あたりの印刷速度は、レーザープリンターに軍配が上がります。また、モデルにもよりますが、最大給紙枚数もレーザープリンターのほうが多い傾向にあるので、一度に100枚単位を印刷する現場は、やはりレーザープリンターのほうが使いやすいかもしれません。
見逃せない点としては本体価格。前述では「レーザープリンターのほうが導入コストがかかる」と書きましたが、それはリースするような大型機種のお話です。家電量販店で買えるような、今回の記事でピックアップしたモデルだと、レーザープリンターが15000円~30000円程度で買えるのに対し、新しいモデルを並べたインクジェットプリンターは約30000円~70000円オーバーと、本体価格の逆転現象が起きています。
結論として、ランニングコストが安いのはインクジェットプリンターですが、本体価格、印刷スピードなども併せて考えると、用途によってはレーザープリンターもアリかと思います。そこで今回は、レーザープリンターとインクジェットプリンターに分けて、それぞれランニングコストの安い機種をピックアップしました。全部で7種類紹介します。
ランニングコストが安いおすすめのレーザープリンター3選
①カラー対応のコンパクトなレーザープリンター ブラザー「HL-L3230CDW」
高さ約252mmのコンパクトなカラーレーザープリンター。無線LAN接続に対応しているので、ケーブルも不要で置き場所を選びません。ランニングコストはモノクロが約3.4円の安さ。スリープ時の消費電力は約1.0Wに抑えられています。
【参考】
brother HL-L3230CDW
HL-L3230CDWの特徴
・分離型のトナーとドラムを採用
トナーとドラムを別々に交換できるので、どちらの部品も無駄なく使い切れます。低ランニングコストを実現するとともに、環境負荷も軽減。
・用紙代と紙資源も節約
自動両面プリント機能と、複数のページを1枚に集約できるページレイアウト機能搭載で、用紙コストと紙資源を削減します。
・24枚/分の高速印刷
カラートナーを並列に配置することで、同時印刷する「タンデムエンジン」を採用。カラー・モノクロともに同じ速度の毎分約24枚で高速印刷できます。
HL-L3230CDWの仕様
●価格
参考:2万7500円(税込み・Amazon 21/09/22現在)
●ランニングコスト
モノクロ:約3.4円
カラー:約19.2円
●対応カートリッジ
トナーカートリッジ(シアン)TN-293C
トナーカートリッジ(マゼンタ)TN-293M
トナーカートリッジ(イエロー)TN-293Y
トナーカートリッジ(ブラック)TN-293BK
トナーカートリッジ(シアン)(大容量トナー)TN-297C
トナーカートリッジ(マゼンタ)(大容量トナー)TN-297M
トナーカートリッジ(イエロー)(大容量トナー)TN-297Y
ドラムユニット(ブラック用ドラム)DR-293CL-BK
ドラムユニット(カラー用ドラム)DR-293CL-CMY
※各約7600円~(Amazon 21/09/22現在)
②速くて機能が充実したブラザー「DCP-L2550DW」
無線LAN対応のモノクロレーザープリンターです。ファックスなしの複合機タイプ。分離型のトナーとドラムや豊富なコピー機能搭載でコストを抑えます。印刷速度が毎分34枚と高速なのも特徴の一つです。
【参考】
brother DCP-L2550DW
DCP-L2550DWの特徴
・1枚あたり約3.3円の低コスト
トナーとドラムを別々に交換できる分離型の採用で、1枚約3.3円の低ランニングコストを実現しています。
・多彩なコピー機能を搭載
IDカードの表裏を原寸サイズで片面にコピーできる機能や、4枚の原稿を1枚にコピーできる機能などがあり、用紙の節約になります。
・充実したスキャンto機能
自動的にEメールソフトウェアを起動して、スキャンしたデータを添付する「スキャンto
Eメール添付」や、自動的にグラフィックアプリケーションを起動してスキャンしたデータを表示する「スキャンtoイメージ」などの機能を搭載しています。
DCP-L2550DWの仕様
●価格
参考:1万9973円(税込み・Amazon 21/09/22現在)
●ランニングコスト(モノクロ)
約3.3円
●対応カートリッジ
トナーカートリッジ TN-29J
ドラムユニット DR-24J
※各約8100円~(Amazon 21/09/22現在)
③気軽に使えるモノクロレーザー キヤノン「MF232w」
コピー・プリンター・スキャナー機能を搭載したモノクロ複合機です。ランニングコストは1枚あたり約3.3円。高速印刷と幅広いコピー機能で効率的に作業ができます。有線LANと無線LANの両方に対応。ダイレクト接続も可能です。
【参考】
Canon MF232w
MF232wの特徴
・豊富なコピー機能でコスト削減
ページ集約機能やズーム機能などの多彩なコピー機能搭載で、作業効率を図りつつコスト削減にもつながります。
・毎分約23枚の高速出力
スピーディーに印刷できるほか、ファーストプリントも約9秒の速さ。大量印刷や急ぎのコピーにも迅速に対応できます。
・必要な機能を備えたエントリーモデル
Amazonでの販売価格は1万5000円程度と、コピー・プリンター・スキャナーを標準装備した複合機としては非常にお買い得な価格です。
MF232wの仕様
●価格
参考:1万4873円(税込み・Amazon 21/09/22現在)
●ランニングコスト(モノクロ)
約3.3円
●対応カートリッジ
トナーカートリッジ337
トナーカートリッジ337VP
※各約6900円~(Amazon 21/09/22現在)
レーザープリンター3機種のスペック比較表
製品名 | ①HL-L3230CDW (ブラザー) |
②DCP-L2550DW (ブラザー) |
③MF232w (キヤノン) |
---|---|---|---|
発売年 | 2018年 | 2018年 | 2016年 |
参考価格 | 2万7500円 | 1万9973円 | 1万4873円 |
本体サイズ (幅×奥行×高さmm) |
410×461×252 | 410×398.5 ×318.5 |
390×371×312 |
モノクロ 印刷速度 (毎分) |
24枚 | 34枚 | 23枚 |
カラー 印刷速度 (毎分) |
24枚 | ― | ― |
印刷解像度 (dpi) |
2400×600 | 1200×1200 | 2400相当 |
Wi-Fi | ○ | ○ | ○ |
両面 印刷 |
○ | ○ | ○ |
最大用紙 サイズ |
A4 | A4 | A3 |
最大給紙 枚数 |
251枚 | 251枚 | 251枚 |
モノクロ印刷 コスト |
約3.4円 | 約3.3円 | 約3.3円 |
カラー印刷 コスト |
約19.2円 | ― | ― |
ランニングコストが安いおすすめのインクジェットプリンター4選
①インク代を大幅に節約できるキヤノン「G3360」
特大容量のタンクを搭載したビジネスインクジェットプリンターです。1枚当たりのランニングコストはモノクロが約0.4円、カラーが約1.0円と格安。インクが長持ちするので頻繁に交換する手間がかかりません。
【参考】
Canon G3360
G3360の特徴
・特大容量タンクで経済的
ギガタンク搭載で、インクボトル1本でブラックは約6000枚、カラーは約7700枚出力が可能です。インクの交換頻度も少なくて済みます。
・顔料ブラックインクを2本同梱
減りやすい顔料ブラックインクを2本同梱。インク切れの心配もなくたっぷりと印刷できます。
・プリントヘッド交換ができる
メンテナンスカートリッジとともに、プリントヘッドが自分で交換可能。修理に出す手間が省けます。
G3360の仕様
●価格
2万9150円(税込み・キヤノンオンラインショップ 21/09/22現在)
●ランニングコスト
モノクロ:約0.4円
カラー:約1.0円
●対応インク
GI-31PGBK ブラック
GI-31C シアン
GI-31M マゼンタ
GI-31Y イエロー
※各約1800円~(Amazon 21/09/22現在)
②安くて速いから大量印刷にも!キヤノン「GX6030」
2021年5月に発売されたカラーインクジェット複合機。特大容量のインクタンク搭載でランニングコストを抑えています。また、モノクロ印刷は毎分24枚、カラー印刷は毎分15.5枚と高速。ストレスのない大量印刷が可能です。
【参考】
Canon GX6030
GX6030の特徴
・ギガタンクで低ランニングコストを実現
大容量のインクタンク搭載で、1枚あたりモノクロは約0.8円、カラーは約2.2円とランニングコストを抑えています。
・インクボトル1本で大量出力できる
エコノミーモードでは、インクボトル1本でブラック約9000枚、カラー約2万1000枚のプリントが可能です。
・ビジネス向けの4色顔料インク
にじみにくく、文字をくっきり印刷する顔料インクを4色すべてに採用。ビジネスの資料や書類の印刷に向いています。
GX6030の仕様
●価格
7万2050円(税込み・キヤノンオンラインショップ 21/09/22現在)
●ランニングコスト
モノクロ:約0.8円
カラー:約2.2円
●対応インク
GI-36BK ブラック
GI-36C シアン
GI-36M マゼンタ
GI-36Y イエロー
※各4730円~(税込・キヤノンオンラインショップ 21/09/22現在)
③インク補充もラクラクできるEPSON「EW-M630T」
コピーとスキャナー機能付きのインクジェットカラー複合機です。エコタンク搭載でランニングコストを抑え、インクの扱い方も簡単。コンパクトなデザインで、在宅ワーク用としても使いやすいモデルです。
【参考】
EPSON EW-M630T
EW-M630Tの特徴
・格安の印刷コスト
大容量のエコタンク搭載モデルで、1枚あたりモノクロは約0.4円、カラーは約1.0円とランニングコストが格安です。
・インクの補充が簡単
インクのキャップを開けて挿すだけで補充できるので、手が汚れにくく手間いらず。インクのキャップはスクリュー式で開閉も簡単です。
・コンパクトで置き場所を選ばない
高さは約187mmとスッキリしたデザインで、限られたスペースに置いても圧迫感がありません。
EW-M630Tの仕様
●価格
4万678円(税込み・エプソンダイレクトショップ 21/09/22現在)
●ランニングコスト
モノクロ:約0.4円
カラー:約1.0円
●対応インク
YAD-BK
HAR-C
HAR-M
HAR-Y
※各約1100円~(Amazon 21/09/22現在)
④安さと美しさの両方を求めるならEPSON「EW-M873T」
エコタンク搭載の高画質プリンター。低ランニングコストを実現したフラッグシップモデルです。厚手の用紙への印刷やレーベルプリントにも対応。印刷クオリティの高さを求める方におすすめです。
【参考】
EPSON EW-M873T
EW-M873Tの特徴
・6色インク搭載できれいな仕上がり
顔料と染料2種類のブラックインクにカラーインクを加えた6色の「ClearChrome K2 Plusインク」を採用。写真も文書もきれいに仕上げます。
・高画質と低印刷コストを両立
カラー文書の印刷コストは1枚あたり約1.8円と控えめ。コスパの良いフラッグシップモデルです。
・スマートデバイスでスムーズな操作
「Epson Print Layout」を使えば、スマートデバイスで色確認から印刷までを手軽に操作できます。
EW-M873Tの仕様
●価格
参考:6万1800円(税込み・Amazon 21/09/22現在)
●ランニングコスト
モノクロ:約0.7円
カラー:約1.8円
●対応インク
TOB-PB
TOB-MB
TOB-C
TOB-M
TOB-Y
TOB-GY
※各約1800円~(Amazon 21/09/22現在)
インクジェットプリンター4機種のスペック比較表
製品名 | ①G3360 (キヤノン) |
②GX6030 (キヤノン) |
③EW-M630T (エプソン) |
④EW-M873T (エプソン) |
---|---|---|---|---|
発売年 | 2020年 | 2021年 | 2018年 | 2020年 |
参考価格 | 2万9150円 | 7万2050円 | 4万678円 | 6万1800円 |
本体サイズ (幅×奥行×高さmm) |
445×330×167 | 399×410×254 | 375×347×187 | 403×369×162 |
モノクロ 印刷速度 (毎分) |
10.8枚 | 24枚 | 15枚 | 16枚 |
カラー 印刷速度 (毎分) |
6枚 | 15.5枚 | 8枚 | 12枚 |
印刷解像度 (dpi) |
4800×1200 | 600×1200 | 4800×1200 | 5760×1440 |
Wi-Fi | ○ | ○ | ○ | ○ |
両面 印刷 |
× | ○ | ○ | ○ |
最大用紙 サイズ |
A4 | A4 | A4 | A4 |
最大給紙 枚数 |
100枚 | 350枚 | 150枚 | 150枚 |
モノクロ印刷 コスト |
約0.4円 | 約0.8円 | 約0.4円 | 約0.7円 |
カラー印刷 コスト |
約1.0円 | 約2.2円 | 約1.0円 | 約1.8円 |
***
いかがでしたでしょうか? こうして見比べてみると、ひと昔前の「ランニングコストはレーザープリンターが上」というのが大きく変わっていることがわかりますね!
とはいえ、使う場所が大人数オフィスなのか、小規模オフィスなのか。一度の印刷枚数や頻度などによっても、最適なモデルは変わってきます。最初に説明したとおり、文章やグラフが中心の書類は、レーザープリンターのほうが向いているという特性もあります。
そんな風にプリンターを使う目的や欲しい機能を考慮したうえで、この記事を参考にコスパの良い機種を選んでみてください!
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