万年筆のペン先は、書き心地を左右する重要な部分です。ペン先の太さは細かく分かれ、素材や硬さによっても書き味が変わります。それだけに、どのように選べばいいかわからない初心者も多いのではないでしょうか。
この記事では、万年筆のペン先を選ぶ基礎知識を解説します。万年筆に挑戦してみたいけれど、ペン先選びにお悩みの方は、ぜひ目を通してみてください!
ペン先の太さの基本はF・M・Bの3種類
万年筆のペン先の種類は太さで細かく分かれていますが、基本となるのはF(細字)、M(中字)、B(太字)の3つです。さらにそこから、Fより細いEF(極細)、FとMの中間にあたるMF(中細字)など、独自のサイズを展開しているメーカーもあります。
おもなペン先の種類と特徴は以下のとおりです。
EF(極細)
細く繊細な線が書けます。手帳やノートなどの小さなスペースにも書き込みやすいサイズです。
F(細字)
ノートや手紙など、さまざまな用途で使いやすいスタンダードな細さです。
MF(中細字)
FとMの中間の太さです。手紙や履歴書など、幅広く使えます。
M(中字)
字を綺麗に書きやすい太さ。ノートのほか、契約書へのサインにも適しています。
B(太字)
しっかりと太い線が書けて、インクの濃淡を出しやすい。サインや宛名書きに向いています。
万年筆初心者の方には、幅広い用途で使いやすいFやMがおすすめです。また、メーカーによっては、柔らかな書き心地のSF(細軟字)や、楽譜用のMS(ミュージック)など、特殊なペン先を用意している場合もあります。まずはスタンダードな太さから初め、慣れてきたら自分好みの書き味を探して、特殊なペン先も試してみてはいかがでしょうか。
万年筆の書き味は素材でも変わる
太さと同時にペン先選びで意識したい要素が「素材」です。素材の種類は、大きく分けて「金ペン」と「鉄ペン」の2種類があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。
金ペン
素材に金が使用されたペン先で、鉄ペンに比べて書き心地が柔らかいことが特徴です。金の含有率によっても柔らかさが変わり、14K、18K、21K、24Kと、数字が大きくなるほど柔らかくなります。
初心者の方には、ほどよい柔らかさで使いやすい18Kくらいがおすすめです。筆圧が弱い方は、数字が大きめで柔らかいものを選ぶと書きやすくなります。価格は鉄ペンよりも高めですが、インクによる腐食に強く、長く使えます。
鉄ペン
素材に鉄(ステンレス)を使用したペン先です。硬めでカリカリとしっかりした書き味になります。筆圧が強い方は、硬めの鉄ペンがおすすめ。耐久性は金ペンよりも低く、価格は安め。1000円以下のものもあり、手軽に買えるので万年筆を使ったことのない方は、まずは鉄ペンから初めてみるのもいいかもしれません。
鉄ペンには金やクローム、ロジウムなどのメッキ仕上げになっているものもあります。メッキを施すことで、耐久性が上がり見た目も美しくなります。
金ペンと鉄ペンでは硬さが違いますが、硬め、柔らかめどちらがいいというものではありません。人によっては高価な金ペンが書きやすいとも限らず、硬めの鉄ペンの方が合っている人もいます。好みの問題も大きいので、文具店などで試し書きして、心地よい書き味のペン先を探しましょう。
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今回は万年筆初心者の方に向けて、ペン先の選び方を解説しました。
初心者が使うペン先の太さは、いろいろな用途で使いやすいFやMがおすすめです。ペン先は素材の種類でも書き心地が変わり、金ペンは柔らかめ、鉄ペンは硬めです。やわらかな書き味が好みなら、18Kあたりが使いやすいでしょう。初めて万年筆を使う人は、まずは安価な鉄ペンから初めてみるのもアリです。
万年筆の世界は実に奥が深いです。ペン先の基本知識が身についたら、ぜひいろいろな種類を試して、お気に入りの1本を探してみてください。
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