「大正ロマン」「昭和レトロ」に続き、最近では「平成レトロ」という言葉を耳にするようになりました。人はいつの時代も、レトロテイストなものに惹かれがちなのでしょう。
大正時代の人々の生活の様子を調べてみたところ、残っている記録はモノクロ写真ばかりでした。そうした記録の不鮮明さも、私たちに想像の余地を残し、懐古主義へと駆り立てているのかもしれません。
令和のいまだからこそ、あえてモノクロ写真の撮影に挑戦してみてはいかがでしょうか? この記事では、iPhoneを使ってレトロ感あふれるモノクロ写真を撮る方法をご紹介します。
設定はカンタン!実践あるのみ!
iPhoneでおしゃれなモノクロ写真を撮るにあたり、まず必要なのはカメラの設定です。
iPhoneにはさまざまなカメラアプリがありますが、今回はデフォルトのカメラアプリの「フィルター機能」を使います。「シルバートーン」や「モノ」、「ノアール」といったフィルターが、モノクロ撮影に適しているものです。
そしてこれらのフィルターをより効果的に活用するコツはズバリ「フィルターをかけた状態で撮影する」こと。
撮った写真に後からフィルターをかけることも可能ですが、モノクロ写真は実際に目に見えているものと加工後の写真との印象に大きな隔たりがあります。撮影の段階からフィルターをかけておくことで、仕上がりを直接確認できます。
また、フィルター以外にも撮影で工夫できることとしては、「スクエア」モードで撮影というテクニックがあります。
モノクロ写真の特徴のひとつに「非日常感を演出できる」というものがあります。スクエアで構図を作ることで、より普段と違うスタイリッシュな写真を撮ることができるようになります。
同様の演出テクニックとして「被写体全体を斜めのアングルで撮る」や「人物が一切映らないようにする」なども、非日常感が強調できるのでおすすめです。
モノクロでの撮影が映えるシーンとは?
モノクロ写真には当然のことながら、色の情報がありません。
被写体の持つ色という大きな情報、「個性」を削ぎ落としてしまう。つまり、通常のカラー写真よりも被写体を選定することがよりいっそう重要になります。モノクロにする意味のある被写体を探しましょう。
とくに重要なのは、「光と影」です。
モノクロ写真は光と影の強弱のみで表現される写真なので、同じ被写体でも影の濃淡が変わると写真の印象はまったく別物になります。光と影にメリハリがある場面を切り取ることが大切です。とくに、注目させたいものにハイライトが当たるようにすると、より印象的な写真になるでしょう。
色がない分、金属の光沢などの質感がきわだち、手のシワやレンガの壁などといった凹凸はより重厚感が増します。ツルツルの物よりは、表面にフワフワやザラザラといった立体感が感じられるものを選ぶのがおすすめです。
また、これらの質感のもつ魅力を最大限に活かすのは「一方向からの光」です。代表的なものに「太陽光」があります。逆光や反逆光で映すと、被写体の質感や輪郭が強調されるので覚えておくといいでしょう。
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一見すると敷居が高そうなモノクロ写真ですが、カラー写真以上に日常のシーンのどこを切り取るか見極める力が養われることもあり、実は初心者が写真の実力を磨くのにもいい練習になります。いまは手元のiPhoneで、簡単に高画質の写真が撮れる時代。1枚だけでもいいので試しにモノクロ写真に挑戦してみてはいかがでしょうか。
その1枚がきっかけで、写真の世界にどっぷりハマっていくかもしれません!