この記事では、ブラザーから発売されたレーザープリンター・複合機を合計7機種紹介します。
いずれも7年または約5万ページの高耐久性を備え、大容量トナーが搭載可能でトナー交換の手間が少ない点が共通する特徴ですが、細かく見ていくと機種ごとの違いもあります。7機種の共通点および相違点をまとめたので、プリンター・複合機を導入するときの参考にしてください。
7機種に共通する特徴
まずは、7機種に共通する特徴について解説します。いずれもモノクロのレーザープリンター・複合機で、サイズもコンパクトなので、個人事業者や小規模な事業所、店舗などのビジネスユースに適しています。
●高い耐久性
新機種の大きな特徴は、高い耐久性です。製品寿命は7年間または約5万ページと、長期間使用できます。製品購入時に加入できる定額保守サービスの期間も、最長7年まで利用でき、期間中は何度でも修理してもらえます。
●超・大容量トナーが使用可能
約3000ページの印刷が可能な大容量トナーに加え、それを超える約5000ページの印刷が可能な超・大容量トナーが使用できます。ただし、標準トナーはありません。トナーの容量が大きいので、交換の手間が少なく効率的です。超・大容量トナーを使用すると、A4文書を1枚約3.3円の低コストで印刷できます。トナー交換は前面からできるので、設置時に背面スペースを取る必要がなく、省スペースで活用できます。
●対応トナーカートリッジ
大容量トナー(ブラック) TN32JXL
超・大容量トナー(ブラック) TN32JXXL
※大容量トナー 約9800円~、超・大容量トナー 約1万4800円~(Amazon 2024/2/26現在)
各機種の特徴
ここからは、単機能プリンター2機種、複合機(FAXなし)2機種、複合機(FAXあり)3機種に分けて、それぞれの機種の特徴を解説します。
単機能プリンター「HL-L2400D」「HL-L2460DW」
HL-L2400DとHL-L2460DWは、コピーやスキャンの機能は搭載していない単機能プリンターです。356×360×183mmのコンパクトなサイズで、狭いスペースにも設置しやすくなっています。
HL-L2400Dの特徴
●毎分約30枚の印刷が可能
HL-L2400Dの印刷速度は、片面毎分約30枚。自動両面印刷も可能で、その場合は毎分約15ページの印刷速度となります。レディー時のファーストプリントタイムは9.5秒以下で、実売価格1万円程度の製品としては、十分な印刷速度を備えています。
●接続方法はUSBのみ
HL-L2400Dは有線LAN・無線LANに対応しておらず、パソコンとの接続はUSBケーブルを介して行います。パソコンとプリンターをセットで接続するには問題ありませんが、複数のパソコンとプリンターを共有する場合は不便に感じる可能性があります。
HL-L2460DWの特徴
●毎分約34枚の高速プリント
HL-L2460DWを含め、DCP-L2660DW、 MFC-L2880DW、MFC-L2860DWの4機種は、今回発売されたプリンター・複合機で最速の毎分34枚の速さを誇ります。両面印刷の場合は、毎分約16ページです。業務効率を優先して選びたい人は、チェックしておきたいポイントです。
●有線LAN・無線LANに対応
先ほど紹介したHL-L2400Dとは異なり、HL-L2460DWは無線LANにも対応に対応しています。無線LANは、周波数帯が5Ghzの高速通信が可能。ケーブル配置を気にせずにプリンター設置できるほか、スマホやタブレットからもプリントできます。
FAXなし複合機「DCP-L2600DW」「DCP-L2660DW」
DCP-L2600DWとDCP-L2660DWは、コピーやスキャンができる複合機です。FAX機能はありませんが、FAX不要の事業所なら、コストを抑えて導入できます。DCP-L2600DWとDCP-L2660DWの大きな違いはADFを搭載しているか否かです。
DCP-L2600DWの特徴
●コピー・スキャンが可能
DCP-L2600DWは、フラットベッドスキャナを搭載し、本などの厚みのある原稿のスキャン・コピーが可能です。さらに、拡大縮小コピーや両面コピー、4枚の原稿を1枚の用紙にコピーできるページレイアウトコピーなどの機能も備えています。
●印刷速度は毎分約28枚
印刷速度は、今回紹介している機種の中ではやや遅い、毎分28枚です。ただし、ウォームアップタイムは、スリープモードから9秒以下、電源投入から22秒以下、レディー時のファーストプリントタイムは9.5秒以下と、他機種に劣りません。少ない枚数を印刷するなら、印刷速度が多少遅くても気にならないでしょう。
●有線LAN接続に非対応
DCP-L2600DWは、USBと無線LANで接続できますが、有線LANには対応していません。無線LANが使えるので不都合は感じにくいですが、安定した有線接続をしたい場合は、ほかの機種を選んだ方がいいでしょう。
DCP-L2660DWの特徴
●ADF搭載で手軽にスキャンが可能
DCP-L2660DWとDCP-L2600DWの大きな違いは、ADF(原稿自動読み取り装置)搭載の有無です。こちらのADFは最大50枚までの原稿を自動で読み取れるので、原稿をデータ化する機会が多い事業所では、業務効率のアップに貢献しそうです。
●2.7型タッチパネルを搭載
DCP-L2660DWは、本体に2.7型のタッチパネルを搭載し、プリンター本体からでも簡単に操作ができます。コピーやスキャンの設定条件を18件までショートカットに登録でき、タッチパネルの操作で簡単に呼び出せます。なお、DCP-L2600DWは、モノクロ2行LCDパネルを搭載しています。
FAXつき複合機「MFC-L2860DW」「MFC-L2880DW」「FAX-L2800DW」
最後に紹介するのは、FAX機能を搭載した3機種です。MFC-L2860DWをFAX機能つき複合機の標準的なモデルとすると、MFC-L2880DWは両面同時スキャンが可能、FAX-L2800DWは受話器があり、電話をかけられる点が違いとなります。
MFC-L2860DWの特徴
●自動転送やパソコンでの送受信が可能なFAX機能を搭載
MFC-L2860DWとMFC-L2880DWの性能は、前述のDCP-L2660DWと同等です。おもな違いはFAX機能なので、FAXの必要性の有無で選ぶといいでしょう。
FAX機能は、受信したFAXを指定したメールアドレスに転送したり、紙に印刷しなくてもパソコンから直接FAX送信したり、受信したFAXをパソコンのディスプレイで確認したりできます。
MFC-L2880DWの特徴
●両面同時スキャンが可能なスキャナを搭載
MFC-L2880DWとMFC-L2860DWの機能は、その多くが共通していますが、MFC-L2880DWのみの機能として、「両面同時スキャン」があります。
両面同時スキャンが使えるのは、ADF使用時のみで、両面印刷された原稿を一度の操作で読み取れます。紙の書類を電子化したり、両面印刷された資料をコピーしたりするときに便利です。
●3.5型TFTタッチパネルを搭載
MFC-L2860DWとの違いは、タッチパネルのサイズ。こちらは3.5型のタッチパネルが採用され、MFC-L2860DWより若干大きくなり、その分だけ操作性が良くなっています。ただし、スリープモードからのウォームアップタイムは10秒以下と、9秒以下のMFC-L2860DWよりもわずかに遅くなっています。
FAX-L2800DWの特徴
●受話器を搭載し、電話を受けられる
FAX-L2800DWには受話器が搭載され、本機で電話ができます。電話機も一体化できて省スペースになり、電話で注文を受ける個人商店や電話で予約を受ける飲食店などで便利に使えます。
●印刷速度は毎分32枚
FAX-L2800DWの印刷速度は毎分32枚で、同じFAXつき複合機のMFC-L2860DW、MFC-L2880DWと比較すると、若干遅くなります。ただし、DCP-L2600DWの紹介で触れたとおり、ウォームアップタイムやファーストプリントタイムでは引けを取らないので、大量の枚数を印刷するのでなければ不都合はありません。
●タッチパネルは非搭載
FAX-L2800DWにはタッチパネルは搭載されておらず、モノクロ2行LCDパネルが搭載されています。
レーザープリンター・複合機7機種のスペック比較表
製品名 | HL-L2400D | HL-L2460DW | DCP-L2600DW | DCP-L2660DW | MFC-L2860DW | MFC-L2880DW | FAX-L2800DW |
機能 | 単機能 プリンター |
単機能 プリンター |
複合機 FAXなし |
複合機 FAXなし |
複合機 FAXあり |
複合機 FAXあり |
複合機 FAXあり 受話器機あり |
発売年 | 2024年 | 2024年 | 2024年 | 2024年 | 2024年 | 2024年 | 2024年 |
参考価格 | 1万円 | 1万4000円 | 1万5500円 | 2万円 | 3万300円 | 3万3973円 | 3万4000円 |
本体サイズ (幅×奥行×高さmm) |
356 × 360 × 183 |
356 × 360 × 183 |
410 × 399 × 272 |
410 × 399 × 319 |
410 × 399 × 319 |
410 × 421 × 319 |
481 × 399 × 319 |
印刷速度 (A4モノクロ 毎分) |
約30枚 | 約34枚 | 約28枚 | 約34枚 | 約34枚 | 約34枚 | 約32枚 |
印刷解像度 (dpi) |
1200 × 1200 |
1200 × 1200 |
1200 × 1200 |
1200 × 1200 |
1200 × 1200 |
1200 × 1200 |
1200 × 1200 |
Wi-Fi | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
自動両面印刷 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
最大用紙サイズ | A4 | A4 | A4 | A4 | A4 | A4 | A4 |
最大給紙枚数 | 251枚 | 251枚 | 251枚 | 251枚 | 251枚 | 251枚 | 251枚 |
印刷コスト (A4モノクロ文書) |
約3.3円 | 約3.3円 | 約3.3円 | 約3.3円 | 約3.3円 | 約3.3円 | 約3.3円 |
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ブラザーの新作レーザープリンター・複合機を7機種紹介しました。紹介した7機種は、性能的には近い一方、それぞれの機能に細かい違いがあります。
耐久性が高いことや、大容量のトナーが使えて交換の手間が少ないことが共通する強みなので、これらに魅力を感じた人は導入を検討してみてください。そして、プリンターで使う用紙をお求めの方は、ぜひ松本洋紙店をご利用ください!
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