こんにちは、松本洋紙店スタッフです。
多業種にわたる松本洋紙店ご愛用者さまから、今回は
アマチュア写真家 中澤仁(なかざわしのぶ)さまにご協力をいただき
お話をお聞きしました。
長く写真用紙をご愛用くださってます。
今までに多数、コンテストにて受賞してらっしゃいます。
例えば、JPS展での東京都知事賞(
「
とおっしゃっていました(驚)。
また、直近では、フォトコン誌で2019年12月、2020年1月連続で特集に登場されています。
今回は未発表のお写真も4点、掲載させていただいています。
ぜひご一読くださいませ。
Q:プロフィールをお教えください
1947年、広島県出身。現在は愛知県豊橋市在住。
写真が趣味だった父親の影響を受け、中学生の頃に撮影からフィルム現像と印画紙へのプリントまでを自分で行なうことを始めました。そして社会人になった23歳の時に自分のカメラを購入して趣味として本格的な写真活動をスタートしました。
写真雑誌の月例コンテストがアマチュアカメラマンの最高峰の活躍の場だと知り、自分もそこで活躍することを目標にして、以後約50年間に渡って活動を続けてきて、写真雑誌への自作品掲載を発表の手段とした活動を現在も継続中です。
この間、良い指導者と良い先輩、それに多くの良い写友に恵まれたお陰で、自分の個性を強く出した作品を沢山発表することが出来、大きな賞の受賞の栄誉も受けることが出来ました。
また2014年には新宿の有名ギャラリーにて個展『時空の記憶』を開催し、同名の写真集も上梓しました。
Q:作品にはどんな思いを込めてらっしゃるのでしょう
物の形と間(ま)に拘った写真を撮るのが好きで、そんな写真を追求するうちに次第に心象性が強い写真を撮るのが得意になり、それが自分の作品の個性になっていきました。
☆心象性が強い写真とは:見る人それぞれの経験や感覚の違いにより、同じ写真を見ても人それぞれによって異なるイメージが湧いて来るような写真
Q:今回はどんな作品を見せていただけますか?
この約10年間に撮影して未だ発表していない写真の中からモノクロ、カラーをそれぞれ2点づつに絞り選び出しましたが、私の日頃の作品作りの個性が現れている写真を特に意識して選んでいます。
また、撮影後の写真は画像濃度とコントラストを調整して画質を整えていますが、合成などのテクニックは一切使っていません。
チューブジャングル
金属製のチューブを複雑に絡ませたような参加型遊具の中に入っている人を見ると、熱帯のジャングルの中に彷徨いこんでいるかのような危うさを感じた。
五月の道
河川敷に立てた竿に吊るされた鯉のぼりの影が下の道に映っていて、通りかかる親子を楽しませていた気持ちの良い五月晴れの日。
午後の歩道
路上イベントが開催中の歩道。午後の強い光に反射する歩道と風船の色に撮影の露出を合わせたため、他のモノが全て黒く潰れ、カラー写真でありながら色が見えるのは風船だけという不思議な画面になった。
サマー!
水浴びして遊ぶことが出来る公園の噴水では午後遅くになると太陽光線に照らされて虹が掛かる。陽気な少年がその虹の下ではしゃいでいた開放的な時間。
Q:カメラやプリンタ等こだわりはありますか?
カメラについて
カメラに関するこだわりは特にないです。現在はニコンカメラを使っていますが、ニコン製品愛用者で作るクラブ“ニッコールクラブ”が他メーカーの同じようなクラブに比べてユーザーを大切にするので、ニコン製品を使うようになりました。
プリンタについて
プリンタはエプソン製に拘っています。他社製に比べて発色が不自然に派手過ぎず、深みのある色再現をするからです。現在はEPSON PX-5Vを使っています。その前はEPSON PX-5800を使っていました。
紙について
モノクロ作品に特に力を入れていることもあり、紙は白さに特に拘ります。デジタルプリントを始める際、色々なメーカーの用紙を揃えて、その白さを比較して最も白いと感じた“画彩”(富士フィルム製)を使い始めました。
その後、松本洋紙店さんの“写真用紙絹目調”が地の色も白く、プリントの風合いも素晴らしく、値段も安いと写友から教わり、試用したところ期待通りだったので、自分のメインの用紙に変更しました。
ただ、プリンタをエプソンPX-5Vに変えてから、“写真用紙<絹目調・印画紙>”にモノクロプリントを行なうと、画像のハーフトーン部分に干渉縞のようなノイズが現れるようになり、それがどうしても気に掛かるので、現在はそのノイズが現れにくい光沢紙の“写真用紙<印画紙>”をモノクロに限って使っています。
この現象は私だけではなく写友からも聞いているトラブルで、用紙とプリンタの相性が悪いことに原因があるものと思います。
Q:実は中澤様が初めて松本洋紙店の名を世に出してくださったとか
私が松本洋紙店さんの“写真用紙<絹目調・印画紙>”を使い始めたのが2011年からで、その用紙でコンテストに入選した最初が2011年7月号のフォトコン誌月例コンテスト「モノクロ作品招待席」です。
当時のコンテスト入賞作品の使用用紙で“写真用紙<絹目調・印画紙>”を使った写真は他には見かけませんでしたので、私がこの用紙でコンテストに入賞した草分け的存在かなと感じております。(きちんと調べたわけではないので確証はありませんが…)
フォトコン誌の同部門で、私はその後続いて“写真用紙<絹目調・印画紙>”を使った作品が入賞しましたので、ある時編集部からこの用紙は聞き慣れないけれどどういう紙でしょうかという問い合わせがありましたので、前記した私が感じた印象はかなり正しいものと思っています。
その後この用紙を使った作品がジワジワと増えていきまして、今ではアマチュアカメラマンから一定の支持を得ている用紙の地位を確立していると思われます。
Q:作品発表はどのようにされてるのでしょう
個展は2014年11月に新宿のコニカミノルタプラザにて『時空の記憶』を開催しました。
同時に同名の写真集を上梓しました。
この写真展は2015年6月に地元豊橋でも開催しました。
次の個展を行なう予定はありません。
今後の写真活動はコンテストに入賞することだけを目指した写真を撮るのではなく、見る人に何らかの感動を与える写真を撮って発表していきたいと考えており、それを自分の住んでいる地域で日常的に出会う被写体を使って表現することを目指したいです。
松本洋紙店スタッフより
以前より中澤さまのお写真、誌上で拝見しておりますが、よくこんな一瞬を切り取ることができるものだとつくづく思うお写真ばかりです。非日常かと思いきや、写し出されているものは実は日常の一瞬で。日常ってこんなに美しいのかと驚くと同時に、実はこの日々、この人生、この宇宙そのものが奇跡に満ちた美しいものなんだと思わせてくれる作品だなと感じています。
展覧会のご予定がないのは残念ですが、写真集、まだほんの少し在庫がおありとのこと、特別にお分けいただけるそうです。
ご希望の方は松本洋紙店にお知らせください。中澤様に連絡させていただきます。(定価¥5200)
お問い合わせはこちら。
松本洋紙店の名が写真雑誌に載っているなどということは全く知らずに写真用紙を販売しており(苦笑)初めて発見したときは驚きすぎて声も出ませんでした。中澤様が多分初めて載せてくださったとは。感謝してもしきれません!これからもたくさんの素晴らしい作品を、また新たな形で世に出してくださると思います。さらなるご活躍を心待ちにしています。ありがとうございました!
ちなみに中澤さまご愛用の写真用紙、よろしければこちらからご覧ください。
フォトコンテストに使える写真用紙のページはこちら。