企画書や提案書、会議の議事録など、仕事のなかでなにかと資料を紙にまとめる機会は多いものです。でも「あれもこれも重要だから…」と詰め込んで、つい分厚い冊子を作っていませんか? 時間をかけたわりに、作った自分すらどこがポイントなのかわからない資料になっているかもしれません。
自分の頭の中を整理しつつ、わかりやすい資料を作るにはどうすればいいのでしょうか? 答えは「紙1枚にまとめること」です。今回は、そんな資料を紙1枚にまとめることのメリットと方法を解説した2冊の本をご紹介します!
紙1枚は100ページのPowerPointより価値がある
最初に紹介するのはこちらの書籍。「一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか? すべてを“紙1枚”にまとめる仕事術」です。
●書名:一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか? すべてを“紙1枚”にまとめる仕事術
●出版社:学研プラス
●発売日:2015年3月26日
●著者:横田伊佐男
●定価:1,540円 (税込)
●ISBN:978-4054062511
ノートのサイズはA4やひとまわり小さいB5が定番で、A4サイズの2倍の大きさがあるA3サイズのノートはあまり見かけません。しかし、この本を執筆した、経験豊富なマーケティングコーチである横田伊佐男さんは、『ノートのサイズが思考のサイズを決める』として大きなA3サイズのノートを使うことを推奨しています。
広いスペースを使うことで発想も拡大され、目的に応じてフレームで分割することで段階的に思考が整理できるのだとか。そして、1枚にムダのない情報をまとめることで俯瞰的な思考ができ、スムーズな行動へと繋げられます。
横田さんは、かつて100ページにも渡る資料をPowerPointで作ったにもかかわらず、顧客に興味を持ってもらえなかった経験があるそうです。確かに大量の資料すべてに目を通すのは大変で、要点を理解するのにも時間がかかりますよね。ノート1ページにまとめるようになってからは、取引相手からノートのコピーをせがまれるようになったといいます。
ペーパーレス化が叫ばれ、資料もデジタル化が進む昨今ですが、紙は思考の整理にも役立つ機能的なツールであることを証明する1冊です。
トヨタでは書類はすべて“紙1枚”が当たり前
実際に紙1枚でまとめる技術を取り入れている会社もあります。代表的なのが、大手自動車メーカーのトヨタ自動車。こちらの『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』は、トヨタで実際に行われている、紙1枚でまとめる仕事術の方法を具体的に紹介しています。
●書名:トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術
●出版社:サンマーク出版
●発売日:2015年2月20日
●著者:浅田すぐる
●定価:1,540円 (税込)
●ISBN:978-4763134110
著者の浅田すぐるさんは、かつてトヨタに勤務し、これまで企業研修・講演・コンサルティングなどを通じて1000名以上もの受講者に指導してきました。そんな浅田さんは、紙1枚でわかりやすく伝えられる資料の特徴を3つに絞っています。
1 ひと目で全体が見える
2 枠(フレーム)があること
3 枠ごとにタイトルがついていること
実際に作られた資料の型はすごくシンプルですが、この型にはめることで、ひと目で全体が見られるわかりやすい資料となります。内容がわかりやすければ、相手への説得力も生まれます。さらに、いつもこの型を使うことで自分の思考を効率よく整理でき、資料作成時間も短縮できるのです。
本書ではさらに、緑、青、赤の3色のペンで色分けして、“読む”のではなく“見る”ことでわかる資料づくりの方法を具体的に解説しています。
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一生懸命つくった資料を、上司や取引先に見せても反応がイマイチ…なんて経験をしたことのある方もいるかもしれませんね。紙1枚の資料にすれば、自分の思考の整理にも役立ち、相手へも伝わりやすくできるかもしれません。ぜひ、こちらの2冊を読んで実践してみてください。