「パリ五輪」と言えば、2024年の夏にフランスで開催されたオリンピックとして、私たちの記憶にも新しいですね。セーヌ川の水質汚染を始め、さまざまなトラブルにも見舞われましたが、選手たちの晴れ舞台での活躍を見ると、やはり偉大な祭典であると再認識できます。

ところで、表彰台の上の選手がメダルと一緒に受け取った「細長い箱」が、いったい何なのか正体をご存知でしょうか？

長い箱の正体は「アイコニックポスター」

メダリストに手渡されたあの細長い箱の中身は「アイコニックポスター」です。アイコニックとは「アイコン的な」という意味で、「この大会のために特別に作ったポスター」を指しています。

もともとオリンピックでは、メダルと共に開催国オリジナルの記念品を授与することが伝統となっています。たとえば2021年に開催された我が国の東京オリンピックでは、マスコットキャラクター「ミライトワ」のぬいぐるみを取り付けたブーケが手渡されていました。

それ以前にも、リオデジャネイロでは大会エンブレムのモニュメント、ロンドン大会ではイギリス国花のバラのブーケが贈呈品となっておりました。

アイコニックポスターはどんなデザイン？

パリ2024のアイコニックポスターは、オリンピックとパラリンピックに共通して配られ、それぞれ独立したデザインながらも、組み合わせることで全体のイメージを伝える「２部作」として作成されました。長い夏季五輪の歴史の中で、オリンピックとパラリンピックのポスターが、こうした試みで描かれたのは初めてのことだそうです。

ポスターのモチーフには、パリやフランスを象徴するシンボルとしてエッフェル塔や凱旋門、マリアンヌ像やセーヌ川、パリのメトロ地下鉄などが選ばれました。これらをただ描写したのではなく、幻想的な未来都市として描かれています。

さらに、幻想的なパリの市内ではブレイキンやスポーツクライミング、スケートボードやサーフィンなどを楽しむ人々の様子が描かれています。ポスターとして遠目に見ても非常にアーティスティックで、近づいてみると生き生きとスポーツをする人々を探す楽しさもあります。

このポスターは誰が描いたのか

この非常に印象的なポスターを手掛けたのは、イラストレーターのウーゴ・ガットーニ氏です。ウーゴ・ガットーニ氏は、1988年生まれのパリ出身。その独創性から世界的に評価されているイラストレーターです。幻想的で細部まで描き込まれたデザインが、氏の作品の特徴です。

ウーゴ・ガットーニ氏は、このパリ五輪オリンピックのアイコニックポスターの制作のために6ヶ月もの期間をとり、制作時間にして2000時間以上を費やしてポスターを完成させました。

アイコニックポスターという、ちょっと耳慣れないこの言葉は、偉大な祭典であるオリンピックにふさわしい技術と労力がかけられた大会シンボルであることがわかりました。

なんとこのポスター、パリ五輪オリンピックが終わった今、日本にいる私たちでも入手できます！ 確認したところ、パリ2024オンラインショップにて、20ユーロで販売されておりました。

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メダリストたちが表彰台で手にした美しいアイコニックポスターを自分も手にすることができると思うと、不思議と欲しくなってきますね。あなたの部屋の壁にも、ウーゴ・ガットーニ氏の描いた幻想的なパリの光景を飾ってみてはいかがでしょうか。