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キヤノンから「PIXUS(ピクサス)」シリーズの新製品がリリース!4モデルの特徴を解説

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2024年9月中旬に、キヤノンから新作プリンターが発売されました。PIXUSシリーズのXK130、TS8830、TS3730、G3390の4機種です。いずれもコピー・スキャンも可能な複合機で、G3390のみ大容量インクタンクが搭載されています。

この記事では、発売されたばかりの4モデルをピックアップ。その特徴やモデルごとの違い、従来機からパワーアップした部分などを解説します。

4機種の位置づけと従来機との違い

XK130とTS8830の2機種は、ハイエンドモデルに位置付けられています。XK130は、5色インクを搭載したランニングコストを重視したモデルTS8830は、6色インクを搭載した高画質の写真印刷ができるモデルです。XK130の従来機はXK120、TS8830の従来機はTS8730ですが、両機種とも従来機からの目だった変更点はありません。

TS3730は、低価格のシンプルモデルです。上位モデルと比べると機能的には見劣りしますが、新作プリンター4機種の中で唯一、販売価格が1万円を切っています。TS3730の従来機はTS3530で、変更点として新たにWi-Fi 5GHzに対応しました。

G3390は、特大容量インクタンク搭載プリンターのエントリーモデルに位置付けられています。ランニングコストが圧倒的に低く、本体価格もインクカートリッジ搭載プリンターの上位モデルよりも安いので、コスト重視の人におすすめです。G3390の従来機はG3370で、液晶パネルのサイズが大きくなり、自動両面プリントに対応しました。

キヤノンの新作プリンター4機種紹介

ここからは、新作プリンター4機種それぞれを詳しく紹介していきます。

ランニングコストも重視した「XK130」

XK130の大きな特徴として、画質だけでなくランニングコストも重視している点があります。G3390のような特大容量インクタンクを搭載したモデルには及びませんが、カートリッジ式のプリンターとしては非常に優秀で、画質もコストも譲りたくない人におすすめです。

XK130の特徴

●写真も文書もキレイに印刷できる5色ハイブリッドインク
XK130には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの基本となる4色の染料インクと、ブラックの顔料インクの計5色のインクが搭載されています。染料インクは写真を鮮明に印刷するのに適し、顔料インクは文字をくっきり印刷するのに適しています。この特徴が異なる2タイプのインクにより、写真も文書もキレイに印刷できます

●低ランニングコストで印刷できる
XK130と同様にハイエンド機に位置付けられるTS8830との違いは、ランニングコストにあります。XK130は、L判写真が約10.0円、A4カラー文書約4.1円の低コストで印刷でき、ランニングコストを気にする人におすすめの製品となっています。ちなみに、TS8830のランニングコストは、L判写真約22.9円、A4カラー文書約12.7円と2~3倍ほど高くなっています。

●大型のタッチパネルと見やすいボタン
XK130には、4.3型の大きなタッチパネルが搭載され、操作性が向上しています。さらに、タッチパネルに表示されるショートカットボタンを自由にカスタマイズできる「Switch UI」にも対応しています。仕事や学習、写真など、使うシーンに合わせてカスタマイズし、必要な機能だけを表示させられます。

XK130の仕様

●価格
参考:4万2899円(税込み・楽天市場 2024/9/12現在)

●ランニングコスト
A4カラー文書:約4.1円
A4モノクロ文書:約1.6円

●対応インクカートリッジ
XKI-N20 PGBK 顔料ブラック
XKI-N21 BK ブラック
XKI-N21 C シアン
XKI-N21 M マゼンタ
XKI-N21 Y イエロー

※顔料ブラック約800円~、ほか約600円(Amazon 2024/9/12現在)

写真も文書もキレイに印刷できる高画質プリンター「TS8830」

TS8830は、今回ご紹介している新作プリンターの中で唯一、6色インクを搭載したモデルです。プリンターの画質は基本的にインクの色数が増えるほど良くなるので、もっとも高画質のプリンターということになります。高画質でありながら写真の印刷スピードが速く、写真をたくさん印刷したい人におすすめです。

TS8830の特徴

●高画質で印刷できる6色ハイブリッドインク
TS8830も、写真印刷に強い染料インクと文書印刷に強い顔料インクを組み合わせたハイブリットインクを採用しています。染料インクは計6色で、基本の4色にグレーインクが追加されています。これにより、安定したグレー色調となめらかなグラデーションが実現できるほか、低彩度領域の色再現性も高められています。

●高画質の写真を約10秒で印刷
TS8830は、写真の画質を落とさずにすばやく印刷できます。L判写真は約10秒と、待ち時間が少なくなっています。XK130はL判写真の印刷に約16秒、低価格帯のTS3730は約52秒かかります。これらと比較すると、TS8830の印刷スピードがかなり速いことが分かります。

●ブラック部分だけを残してコピーする「カラー消去コピー」
本製品は、コピー機能も充実しています。用紙を節約できる「両面コピー」や、冊子を開いてコピーする際に、出力物の向きをそろえる「冊子コピー」、裏写りしそうな原稿をキレイにコピーできる「自動濃度調節コピー」などの機能を備えています。

少し変わった機能として、「カラー消去コピー」というブラック部分だけを残してコピーする機能があります。色付きの筆記具で書き込んだドリルや塗り絵などに使えば、黒い部分だけが残り、繰り返し利用できます。

TS8830の仕様

●価格
参考:4万150円(税込み・Amazon 2024/9/12現在)

●ランニングコスト
A4カラー文書:約12.7円

●対応インクタンク
BCI-330XLPGBK 顔料ブラック(大容量)
BCI-331XLBK ブラック(大容量)
BCI-331XLC シアン(大容量)
BCI-331XLM マゼンタ(大容量)
BCI-331XLY イエロー(大容量)
BCI-331XLGY グレー(大容量)
BCI-330PGBK 顔料ブラック
BCI-331BK ブラック
BCI-331C シアン
BCI-331M マゼンタ
BCI-331Y イエロー
BCI-331GY グレー

※顔料ブラック(大容量)約2100円~、染料ブラック・カラー(大容量)約1900円~、顔料ブラック約1400円~、ブラック・カラー約1200円~(Amazon 2024/9/12現在)

シンプルな機能でコスパが良い「TS3730」

TS3730は、基本機能に絞って価格を抑えたコスパが良いプリンターです。印刷スピードやランニングコストは上位モデルにはおよびませんが、1万円を切る価格でコピーやスキャンも使えます。低価格の複合機を探している人におすすめの機種です。

TS3730の特徴

●5GHz帯の高速通信に対応
従来機から進化した点は、新たにWi-Fiの5GHz帯に対応したことです。5GHz帯はWi-Fi専用の周波数帯なので、家電でも使われている2.4GHz帯と違って電波干渉が起こりにくく、安定して通信を行えます。

●4色ハイブリッドインクを採用
本製品に搭載されたインクは基本4色のみですが、ブラックには文字印刷に適した顔料インクが採用されています。文書も読みやすく印刷できます。

インクカートリッジは、ヘッドが一体になった一体型です。ランニングコストが高めになる弱点はありますが、インク交換時にヘッドも同時に交換されるため、インク詰まりが解消されるメリットがあります。

●スマホから簡単に印刷
TS3730は、スマホから専用アプリを使って簡単に印刷ができます。撮影条件が悪い写真を自動で補正してくれる「スマホ自動補正機能」も備えています。

TS3730の仕様

●価格
参考:8767円(税込み・Amazon 2024/9/12現在)

●ランニングコスト
A4カラー文書:約18.5円
A4モノクロ文書:約8.4円

●対応インクカートリッジ
BC-365 ブラック
BC-366 三色カラー
BC-365XL ブラック(大容量)
BC-366XL 三色カラー(大容量)

※ブラック約2200円~、三色カラー約2100円~、ブラック大容量約2900円~、三色カラー大容量約2800円~(Amazon 2024/9/12現在)

特大容量タンク「GIGA TANK(ギガタンク)」を搭載したG3390

G3390は、特大容量タンク「GIGA TANK(ギガタンク)」を搭載したプリンターです。本体に設けられた大型のタンクに、ボトルでインクを補充します。カートリッジ式のプリンターよりも、ランニングコストが大幅に安いのが特徴です。

G3390の特徴

●液晶が大きくなり、自動両面印刷にも対応
従来機のG3730より、液晶画面が1.35型から2.7型のタッチパネルに変更されました。これにより画面が見やすくなり、操作性も向上しています。さらに、新たに自動両面印刷にも対応し、用紙を節約しやすくなりました。ただし、自動両面印刷が可能なのはA4、レターサイズの普通紙のみという制限があります。

●特大容量タンク搭載による低ランニングコスト
G3390のような特大容量タンクを搭載したプリンターの最大の長所は、ランニングコストの低さです。A4カラー文書で約1.0円、モノクロ文書約0.4円と非常に低コストで、大量に印刷してもコストが気になりません。インクタンクの容量も大きく、インク補充の手間が少ないメリットもあります。

●セルフ交換によるメンテンナンスで作業時間のロスを減らす
G3390は、プリントヘッドやメンテナンスカートリッジが自分で交換できます。メンテナンスカートリッジは、ヘッドクリーニング時に使用したインクを吸収する部品です。セルフ交換すれば、メーカーに送って修理をしてもらう手間や時間がかかりません。ただし、フチなし印刷用の吸収体部分は固定式なので、自分で交換することはできず、修理対応になります。

G3390の仕様

●価格
参考:3万500円(税込み・Amazon 2024/9/12現在)

●ランニングコスト
A4カラー文書:約1.0円
A4モノクロ文書:約0.4円

●対応インクボトル
GI-31PGBK ブラック
GI-31C シアン
GI-31M マゼンタ
GI-31Y イエロー

※ブラック約1800円~、カラー約1300円~(Amazon 2024/9/12現在)

PIXUSシリーズ4機種のスペック比較表

製品名 XK130 TS8830 TS3730 G3390
メーカー キヤノン キヤノン キヤノン キヤノン
発売年 2024年 2024年 2024年 2024年
参考価格 4万2899円 4万150円 8767円 3万500円
本体サイズ
(幅×奥行×高さmm)
372×345×142 372×345×142 435×327×145 416×363×177
カラー印刷速度(A4文書 毎分)

10枚 10枚 4枚 6枚
モノクロ印刷速度(A4文書 毎分) 15枚 15枚 7.7枚 11枚
印刷解像度(dpi) 4800×1200 4800×1200 4800×1200 4800×1200
Wi-Fi
自動両面印刷 ×
最大用紙サイズ リーガル リーガル リーガル リーガル
最大給紙枚数 200枚 200枚 60枚 100枚
カラー印刷コスト(A4文書) 4.1円 12..7円 18.5円 1.0円
モノクロ印刷コスト(A4文書) 1.6円 8.4円 0.4円

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キヤノンの新作プリンター4機種を紹介しました。高画質がウリであったり、ランニングコストに優れていた李、本体価格が安かったりと、4機種それぞれに特徴があります。

もし最新プリンターへの買い替えをご検討の場合は、ぜひこの記事を参考に、用途にあったプリンターを選んでください。

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