紙のブログでは、これまでランニングコストや印刷スピードなど、さまざまなテーマにわけてプリンターを紹介してきました。新年を迎えての今回は2021年を振り返り、これまでの記事でご紹介したプリンターから厳選した1モデルをピックアップして、各テーマの「ベストバイ」としてご紹介します。
印刷コストを最大限抑える!ランニングコスト モノクロ印刷部門
最初にご紹介するのは印刷時のランニングコストが安く、費用を抑えて印刷できるモノクロ印刷部門です。カラー印刷には対応していないプリンターですが、白黒文書のみ印刷するなら、極めて低コストで印刷できます。
①A4文書1枚0.4円で印刷できるプリンター エプソン PX-S160T
PX-S160Tは、大容量のインクタンク(エコタンク)を本体に搭載したプリンターです。一般的なカートリッジ方式ではなく、タンクにインクを注入して使います。単機能プリンターで、モノクロ文書の印刷にしか使えませんが、A4文書を1枚するのに約0.4円と低ランニングコストになっています。
【参考】
EPSON PX-S160T
PX-S160Tの特徴
・A4文書1枚0.4円の低ランニングコスト
ランニングコストが低さが、本製品の一番のウリです。モノクロ単機能のプリンターなので本体価格も安く、低コストを重視する人も満足できます。
・コンパクトなサイズでデスク上にも置きやすい
本製品は、エコタンク搭載モデルとしてはコンパクトなサイズです。奥行が狭く、高さも低いので、デスク上に置いても圧迫感がありません。
・スマホやタブレットとの連携が可能
シンプルな機能の製品ですが、無線LANに対応しています。PCはもちろん、スマホやタブレットからも印刷可能です。
PX-S160Tの仕様
●価格
参考:1万8350円(税込み・Amazon 22/01/25現在)
●ランニングコスト
A4モノクロ文書:約0.4円
●対応インクボトル
KSU-BK-L
※約1600円~(Amazon 22/01/25現在)
カラーも安く印刷!ランニングコスト カラー印刷部門
写真や表、グラフを印刷したいときは、やっぱりカラープリンターが便利です。カラー印刷ができ、さらに印刷コストを抑えたプリンターは、ビジネスでも活躍するでしょう。
②カラー印刷コストが1枚1円以下 キヤノン「G1310」
A4カラー文書1枚のランニングコストが約0.9円のと激安のプリンターです。コストを抑えて大量の印刷が可能なので、チラシを作成して配布するというような業務用途にも使いやすいです。
【参考】
Canon G1310
G1310の特徴
・カラー印刷0.9円の低ランニングコスト
ランニングコストが低く、大量に文書を印刷しても費用を抑えられます。ボトル1本でブラックは約6000枚、カラーは約7000枚の印刷が可能なので、インク補充の手間が少なく、業務効率の改善も期待できます。
・写真にも文書にも強いハイブリッドインク採用
カラーは発色性の良い染料インク、ブラックは文字をくっきりと印刷できる顔料インクを採用しています。写真にも文書にも強いプリンターです。
・最大100枚をセットできる背面給紙
本製品は背面給紙トレイを採用したモデルです。用紙の補充や差し替えが簡単で、1度に100枚まで給紙できるので、大量印刷の際にも向いています。
G1310の仕様
●価格
参考:2万1860円(税込み・Amazon22/01/25現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約0.9円
A4モノクロ文書:約0.9円
●対応インクボトル
GI-390BK ブラック
GI-390C シアン
GI-390M マゼンタ
GI-390Y イエロー
※ブラック約1600円~、カラー各約1000円(Amazon 22/01/25現在)
写真印刷を思う存分に楽しむ!写真高画質部門
写真高画質部門は、プロの写真家からも高く評価されているハイスペックなプリンターをセレクトしました。写真を大きく印刷して楽しみたい人には、とくにおすすめのプリンターです。
③10色インク搭載で最高の画質で印刷できるエプソン「SC-PX1VL」
今回、取り上げたSC-PX1VLは、「インクジェット写真印刷編」で取り上げたSC-PX3Vの後継機です。プリンターの画質は、基本的に使用するインクの色数が多いほど高くなります。SC-PX3Vより1色増えた10色ものインクを搭載することで、最高レベルの画質を実現しています。用紙の対応幅も広く、A2ノビのサイズまで印刷可能。写真印刷を存分に楽しめるでしょう。
【参考】
EPSON SC-PX1VL
SC-PX1VLの特徴
・色域を広げ繊細な階調表現を可能にする10色インク
ディープブルーやライトグレーといった中間色のインクを採用したことによって、色域が拡大。繊細な階調表現も可能になっています。
・乾燥が早く、長期保存が可能な顔料インクを採用
インクは顔料インクが採用されています。乾燥が早く、テストプリントの結果を見てリタッチする作業に適しています。長期保存にも強いので、展示用の写真のプリントにもおすすめです。
・A2ノビもプリント可能な高い用紙対応力
最大用紙サイズはA2ノビ。自宅で大判の印刷ができます。別売のロールペーパーユニットを装着すれば、ロール紙を使ったパノラマ印刷も可能です。
SC-PX1VLの仕様
●価格
参考:15万9973円(税込み・Amazon 22/01/25現在)
●ランニングコスト
L判写真用紙:約18.6円
●対応カートリッジ
ICBK96 フォトブラック
ICMB96 マットブラック
ICC96 シアン
ICVM96 ビビッドマゼンタ
ICY96 イエロー
ICLC96 ライトシアン
ICVLM96 ビビッドライトマゼンタ
ICGY96 グレー
ICLGY96 ライトグレー
ICDBL96 ディープブルー
※各約3600円~(Amazon 22/01/25現在)
スピード印刷で業務効率が上がる!高速印刷部門
枚数をそれほど印刷しない家庭で使うなら、印刷速度はそれほど気にならないでしょう。しかし、仕事で大量印刷をするとなると、印刷速度は業務効率に直結します。仕事の能率も上がる高速印刷可能なプリンターをセレクトしました。
④高速印刷と高い用紙対応力で業務効率が上がる エプソン「PX-S885」
PX-S885は、業務用のプリンターとしておすすめの高速印刷可能な製品です。普通紙だけでなく、さまざまな用紙に印刷ができる用途の広いプリンターなので、どんな業種でも対応できそうです。
【参考】
EPSON PX-S885
PX-S885の特徴
・毎分24枚の速度で印刷できる高速プリンター
モノクロ・カラーを問わず、A4文書を毎分24枚印刷できます。ウォームアップタイムも短く、ファーストプリントはカラー約5.3秒、モノクロ約4.8秒の速さです。
・大容量インクパックの採用で印刷コストも安い
使用できるインクパックには標準タイプと大容量があり、大容量パックではモノクロ約10000枚、カラー約5000枚の印刷が可能です。インク補充の手間が少なく、業務の妨げになりません。ランニングコストもカラー約6.7円、モノクロ約2.0円の低コストです。
・長尺紙や特殊用紙にも印刷可能
用紙対応力が高く、横断幕に使う長尺紙や、ミシン目入りの用紙、発送伝票や薬袋などにも印刷可能です。
PX-S885の仕様
●価格
参考:2万6500円(税込み・Amazon 22/01/25現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約6.7円
A4モノクロ文書:約2.0円
●対応インクパック
IP01KA ブラック
IP01CA シアン
IP01MA マゼンタ
IP01YA イエロー
IP01KB ブラック
IP01CB シアン
IP01MB マゼンタ
IP01YB イエロー
※型番末尾A ブラック約7300円~、カラー各約5600円(Amazon 22/01/25現在)
※型番末尾B ブラック約16100円~、カラー各約6700円(Amazon 22/01/25現在)
初めてのプリンターにおすすめ!格安エントリー機部門
格安エントリー機部門のベストバイは、初めて買うプリンターにもおすすめな低価格のプリンターです。格安でありながら、コピーやスキャンもできる複合機をセレクトしました。
⑤低価格でもコピーやスキャンもできるキヤノン「TS3330」
低価格ながらコピーやスキャンもできる複合機です。スマホとの連携も可能なので、手元に置いていくと何かと便利。ランニングコストは高めなので大量印刷には向きませんが、使用頻度が低い人におすすめの低価格のプリンターです。
【参考】
Canon TS3330
TS3330の特徴
・低価格ながら機能性は十分
調査時点での実売価格は約6000円と、かなり低価格のプリンターです。コピーやスキャンもできて、Wi-Fiにも対応、スマホからでも写真などの印刷ができます。
・ヘッドが内蔵された一体型インクカートリッジ
本製品に採用されているFINEカートリッジは、プリントヘッドノズルが内蔵された一体型です。ブラックとカラーの2つのカートリッジを使います。1色でもなくなるとカラーのカートリッジを交換するデメリットもありますが、交換することでヘッドノズルも新しくなり、インク詰まりのトラブルが起こりにくいメリットもあります。
・邪魔にならないコンパクトなボディ
プリンターの使用頻度が低い人にとって、大きなプリンターは邪魔になります。本製品は幅435×奥行316×高さ145mmのコンパクトさで、部屋に置いておいても邪魔になりにくいです。
TS3330の仕様
●価格
参考:6000円(税込み・Amazon 22/01/25現在)
●ランニングコスト
L判写真用紙:約23.9円(大容量インク使用時)
A4カラー文書:約15.5円(大容量インク使用時)
●対応カートリッジ
BC-345 ブラック
BC-346 3色カラー
BC-345XL ブラック 大容量タイプ
BC-346XL 3色カラー 大容量タイプ
※ブラック約1700円~、3色カラー約1800円~、ブラック大容量約2500円~、3色カラー大容量2300円~(Amazon 22/01/25現在)
インクジェットにはないメリットも!レーザー総合力部門
従来レーザープリンターは、印刷スピードやランニングコストの点でインクジェットプリンターよりも優位性があるとされてきました。しかし、近年ではインクジェットプリンターにも高速で印刷できる機種や、ランニングコストが優れた機種が増えています。
とはいえ、レーザープリンターのトナーを使った印刷には、水ににじまない、インクの乾燥時間が不要、ノズルが詰まるトラブルが起こらないというようなメリットもあります。そこで今回は、レーザープリンターからも総合力で1機種をベストバイに選出しました。
⑥家庭や小規模オフィスでも導入可能なコンパクトな低価格モデル キヤノン「LBP621C」
こちらのLBP621Cは、「カラー大量印刷編」でピックアップしたレーザープリンターです。レーザープリンターにはリースで使用するような高価な機種もありますが、LBP621Cは価格も安く、家庭でも使えるレーザープリンターです。購入しやすい価格帯ですが、機能面は充実しています。
【参考】
Canon LBP621C
LBP621Cの特徴
・毎分18枚の印刷スピード
印刷速度は、カラーもモノクロも毎分18枚。ファーストプリントもカラー10.5秒、モノクロ10.4秒の速さで時間を無駄にしません。
・メンテンナンスの手間がかからない一体型カートリッジ
本製品は、感光ドラムや現像器、廃トナーボックスなどが一体になったオールインワンカートリッジを採用しています。個別に在庫管理する必要がなく、メンテナンスの作業も減ります。大容量のカートリッジを使用すれば、カラー2300ページ、モノクロ3100ページの印刷が可能で、交換の手間も少なくなります。
・ランニングコストも消費電力も小さい
大容量カートリッジを使用したときのランニングコストは、カラー18.0円、モノクロ3.4円。スリープモード時の消費電力は最小0.8Wで、コストの削減にも貢献します。
LBP621Cの仕様
●価格
参考:2万8738円(税込み・Amazon 22/01/25現在)
●ランニングコスト
A4カラー文書:約18.0円
A4モノクロ文書:約3.4円
●対応トナーカートリッジ
トナーカートリッジ 054 イエロー
トナーカートリッジ 054 マゼンタ
トナーカートリッジ 054 シアン
トナーカートリッジ 054 ブラック
トナーカートリッジ 054H イエロー
トナーカートリッジ 054H マゼンタ
トナーカートリッジ 054H シアン
トナーカートリッジ 054H ブラック
※標準各約4700円~、大容量(型番末尾H)各約7700円(Amazon 22/01/25現在)
ベストバイ6機種のスペック比較表
製品名 | ①PX-S160T (エプソン) |
②G1310 (キヤノン) |
③SC-PX1VL (エプソン) |
④PX-S885 (エプソン) |
⑤TS3330 (キヤノン) |
⑥LBP621C (キヤノン) |
---|---|---|---|---|---|---|
発売年 | 2016年 | 2019年 | 2020年 | 2019年 | 2020年 | 2019年 |
参考価格 | 1万8350円 | 2万1860円 | 15万9973円 | 2万6500円 | 6000円 | 2万8738円 |
本体サイズ (幅×奥行 ×高さmm) |
435 × 267 × 148 |
445 × 330 × 135 |
615 × 368 × 199 |
425 × 535 × 357 |
435 × 316 × 145 |
430 × 418 × 287 |
カラー印刷 速度 (L判写真) |
ー | 51秒 | 約44秒 | ー | 52秒 | ー |
カラー印刷 速度 (A4文書 毎分) |
ー | 5枚 | ー | 24枚 | 4枚 | 18枚 |
モノクロ印刷 速度 (A4文書 毎分) |
15枚 | 8.8枚 | ー | 24枚 | 7.7枚 | 18枚 |
印刷解像度(dpi) | 1440 × 720 |
4800 × 1200 |
5760 × 1440 |
4800 × 1200 |
4800 × 1200 |
9600 |
Wi-Fi | ○ | × | 〇 | 〇 | ○ | ○ |
自動両面 印刷 |
× | × | 〇 | 〇 | × | × |
最大用紙 サイズ |
リーガル | リーガル | A2ノビ | リーガル | リーガル | リーガル |
最大給紙 枚数 |
100枚 | 100枚 | 120枚 | 330枚 | 60枚 | 251枚 |
カラー印刷 コスト (L判写真) |
ー | ー | 約18.6円 | ー | 約23.9円 | ー |
カラー印刷 コスト (A4文書) |
ー | 約0.9円 | ー | 約6.7円 | 約15.5円 | 約18.0円 |
モノクロ印刷 コスト (A4文書) |
約0.4円 | 約0.4円 | ー | 約2.0円 | ー | 約3.4円 |
***
今回は2021年を振り返り、6つの部門別にベストバイプリンターをご紹介しました。プリンター選びで後悔しないコツは、自分必要とする性能を見極めて、それに合った製品を選ぶことです。
本記事でご紹介したプリンターは、それぞれに優れた特徴を持った製品です。ランニングコストや印刷スピードなど、自分がプリンターに求める性能を考えて、ベストな製品を選ぶ参考にしてください。