「再剥離」という言葉をご存知でしょうか?辞書を引くと、「剥離」は「はがれること、はがすこと」とあります。難しい響きの言葉ですが、じつは私たちの身の回りには再剥離のものがたくさんあるんです!
この記事では、そんな再剥離ができる製品のおもな使い道に加え、楽しい使い方のアイデアも併せてご紹介します。
「再剥離紙」って何に使うの?
「再剥離」とは、文字どおり「ふたたびはがせる」という意味です。シールなどは粘着面が台紙(剥離紙)にくっついた状態ですが、これをはがして、貼って、再度はがせる(再剥離)ことを指しています。
この「再剥離」を用いた代表的な製品に3Mの付箋紙「ポスト・イットR」やスマートフォンの画面保護シートなどがあります。貼り付けたあとに、のり残りがなくきれいにはがせるため、貼り付けるものを汚したり傷つけたりしにくいのが特徴です。
付箋紙に代表される「再剥離粘着シート」「再剥離シール」などと呼ばれる商品は、簡易的な管理を目的とするので、役目を終えたらはがしてしまいたいものです。しかし、自然にはがれてしまうようでは困ります。そこで、使用されているのが「しっかりくっつくけれど、簡単にはがせる」という弱粘着性の再剥離糊なのです。
こうした再剥離糊を使った製品は、はがしたあともふたたび貼ることもできますが、「何度も貼れる」ことを保証するものではありません。誤解されがちですが、はがしたあとにもう一度貼れるのは「再貼付」タイプです。
弱粘着性の再剥離は、段ボールに貼る送り状や「ワレモノ」「取扱注意」などのケアマークシールにも使われます。きれいにはがせて段ボールの再利用ができるので、受け取る立場としてはうれしいですよね。
スマートフォンやタブレットなどの液晶画面に貼る保護シートに使用されているのは、微粘着のシリコーン粘着剤です。「微粘着」ですが被着体にぴったりと密着し、きれいにはがせます。
微粘着といえば「ユポ・サクションタック」もです。耐水性のある特殊な合成紙で、屋外や水周りでも使用可能です。POPやポスターなどに向いていて、インクジェットプリンターで印刷もできます。
窓ガラスや自販機などに貼るステッカーに使われているのは、強粘着性の再剥離紙。一時的ではあるけれど、半年から1年ほどはしっかりと貼ったままにしておく必要のあるものに向いています。このように、ひとくちに再剥離紙といっても、使用している糊の粘着力や用途によって「貼り付け可能な期間」は異なります。
再剥離紙については、こちらの動画で松本店長がわかりやすく説明していますので、合わせて参考にしてください!
【参考】
038 【きれいに剥がせるシール】キレイに剥がせる印刷物を作りたい!そんな時におすすめの再剥離紙
剥離紙でマスキングシールを自作しよう!
剥離紙を使って、マスキングシールを作ってみませんか?
マスキングシールは、いわばマスキングテープのシール版。きれいに剥がせるタイプのフレークシールです。手帳やカレンダー、プレゼントのラッピングなどに貼ると華やかになるので、女性や小さなお子さんに人気があります。
普通のシールだと、貼り直しがきかないから貼る位置に悩んでしまいがち。でも、再剥離のマスキングシールなら、失敗してもやり直せるので気軽に貼れます。
作るときは、市販のマスキングテープを利用すれば簡単です。台紙にする剥離紙にマスキングテープを貼ったら、あとは絵柄に沿ってハサミで切るだけ。柄をそのまま使うので、マスキングシールのデザインは大柄のものがおすすめです。小さな柄は切り取らずに、クラフトパンチでパンチするのもいいですね。
また、マスキングテープを隙間なく貼った後、好きな形に切り抜いてもOK! 台紙をクッキングシートで代用する方法もありますが、剥離紙は厚みがあってしっかりしているので、丸まらずきれいに仕上がります。まるで市販のマスキングシールのようです。
時間があるときにマスキングシールを作りためておけば、使いたいときにさっと貼れます。簡単なので、お子さんと一緒に作っても楽しいですよ。
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日常生活から業務的なものまで、再剥離紙はいたるところで活用されています。まだ可能性を秘めている再剥離製品は、アイデア次第で便利な使い方ができそうですね。