商品やサービスを販売したときに、提供側が発行する「請求書」。
ビジネスシーンでは馴染みのあるこの文書は、とくに決まった形があるわけではなく、基本的な項目さえ押さえていれば、好きなデザインを使ってもいい自由度の高さもあります。最近は副業がブームになっていることもあり、企業の事務や営業担当者ではない方でも、「副業を始めて、自分で発行するようになった」なんて方もいるのではないでしょうか。
とはいえ、いざオリジナルで作るとなると、どう作っていいかわからない人も多いですよね。そこでこの記事では、請求書の必須項目や作成方法、請求書作成に便利なテンプレートなどをご紹介します。
最近では請求書をデータでやり取りすることも増えましたが、取引先によっては紙の請求書を要求されることもあります。紙に印刷するときに最適な用紙や、送付方法についても併せて解説します。
請求書に記載するべき必須項目とは?
国税庁の公式サイトに記載されているタックスアンサーによると、請求書の必須記載事項は、以下の1.~5.の5項目です。もっとも、必須ではなくても1.や5.は氏名や名称以外に住所や電話番号を入れるケースも多いのではないでしょうか。また、印鑑が不要になったとはいえ、慣例で作成者の捺印が求められる場合も多いです。
さらに、実務上は5項目だけでは不足する場合があります。一般的には、6.と7.の2項目も必須項目といえるでしょう。これら以外には、作成した請求書を整理するための整理番号を入れたり、源泉徴収の記載欄を設けたりする場合があります。
1.書類作成者の氏名または名称
2.取引年月日
3.取引内容
4.税込の取引金額
5.書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
6.支払期限
7.報酬の振込先
冒頭で述べた通り、請求書には決まった書式はないので、必要な項目が入っていれば自分でWordやExcelで作成しても問題ありません。もっともパソコンを使って作成する場合は、テンプレートを公開しているサイトが色々あるので、それを利用する方が簡単で楽です。手書きする場合は、市販の請求書用紙を使用するといいでしょう。
請求書作成に便利なテンプレートと請求書作成サービス
ここでは、請求書作成に使える具体的なサイトをご紹介します。代表的なものとしては、Microsoft社の公式サイトには請求書も含め、各種テンプレートが公開されています。また、請求書作成サービスでも、無料でテンプレートを公開しています。
請求書作成サービスは、作成に便利な機能があるほか、作成した請求書の郵送やメール送信にも対応しています。請求書作成サイトは、基本的には有料のサービスですが、無料で使えるプランがあったり、無料で使える試用期間が設けられていたりもするので、気になる人は利用してみるといいでしょう。
請求書作成サービスの代表的なところでは、会計ソフトや確定申告ソフトの弥生シリーズで有名な弥生株式会社のサイト「Misoca」や、クラウド会計などを提供しているMoney Forwardの「クラウド請求書」などがあります。
【参考】
Microsoft テンプレート 請求書
Misoca 請求書の無料エクセルテンプレート
Money Forwardクラウド請求書 請求書テンプレート一覧
紙の請求書の印刷に向いた用紙と送付方法
請求書を印刷する用紙にも、とくに決まりはありません。一般的にはA4が多く使われているので、とくに理由がなければ、A4サイズにしておけば問題ないでしょう。
用紙は、いわゆるコピー用紙で十分です。ただ、ひとくちにコピー用紙といっても、普通紙、上質紙、再生紙の3種類があります。普通紙はコストが低く、上質紙は印刷の仕上がりが綺麗です。再生紙は古紙を利用していて、環境に優しい点が特徴となります。こちらにコピー用紙について解説した記事がありますので、よろしければ参考にしてください。
紙の請求書は、先方に送る方法として、郵送を選ぶケースが多いのではないでしょうか。郵送するときは、請求書と書かれた部分が上になるように折り、三つ折りにして封筒に入れるのが一般的です。
A4用紙を折らずに郵送すると定型外郵便物となり、一番安くても120円になりますが、三つ折りにして「長形3号」の封筒に入れれば、定形郵便として84円で送れます。
ます。封筒には「請求書在中」のスタンプを押すか、手書きで記入しておきましょう。
宛名には担当者名まで含めた方が、他部署に回されてしまうトラブルが起きにくくなります。余裕を持って、早めに送付することを心がけましょう。
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今回は請求書にまつわる、さまざまなトピックをご紹介しました。必須項目や一般的な送付方法など、ふだんから請求書と接する機会のない方は、知らないこともあったのではないでしょうか? 副業も身近になっただけに、この記事で基本的な知識を身に付けておきましょう。