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【サラリーマンのバイブル】「島耕作」シリーズを読む④「取締役 島耕作」

握手するサラリーマン

連載開始から40年以上経っても、根強い人気で連載が続いている島耕作」シリーズ。仕事に対する姿勢や柔軟な考え方など、サラリーマンとして島耕作にあこがている人も多いのではないでしょうか。

「島耕作」シリーズは、課長から始まり、部長、取締役…と、どんどん出世を遂げ、その役職ならではのエピソードが描かれていくのが特徴です。今回はシリーズ第4弾「常務 島耕作の見どころや名言をご紹介します。

「常務 島耕作」とは

常務 島耕作」は、「島耕作」シリーズの第4弾。漫画雑誌「モーニング」にて2005年から2006年まで連載され、全6巻が刊行されています。大手電機メーカー初芝電器産業の常務取締役に就任した島耕作は、中国全土の管轄を任されることになりました。日中関係やストライキ、著作権問題なども絡ませながら、常務として会社を取りまとめていく島の姿が描かれていきます。

「常務 島耕作」のここが見どころ

中国の街

「常務 島耕作」にて描かれるのは、上海が舞台だったシリーズ第3弾「取締役 島耕作」に続き、中国での物語となります。常務へ昇進した島は、上海だけでなく中国全土の初芝電産を担当することとなり、東京とも行き来を繰り返す多忙な生活を送ることになりました。さらに、政治問題からくる反日感情や、日本製品を扱う店への暴動など、中国ならではの問題に直面していきます。

異国の地でも溶け込むことを厭わない島とは違い、中国をよく思わないほかの取締役と対立することを始め、取締役をまとめる常務としての苦労も描かれます。そんななかでも、島は柔軟な対応を見せ、日本に嫌悪感を持つ人も少なくない中国で、事業を拡大していくのです。

「常務 島耕作」の名言を紹介!

「常務 島耕作」にも、心に留めておきたい名言がたくさんあります。

「ものごとはあいまいなままで放置しておいた方がいい場合もあると思うんですよ」

初芝電産の取引先である中国の大手家電メーカー・出発集団のCEOである孫鋭の言葉です。孫鋭は、新しく上海初芝電産の董事長となった小栗忠光が、日中問題や中国の慣習に対して正論をはっきりと述べ、自分の主張を曲げない姿勢を懸念し、島との会談で小栗を批判しました。島も孫鋭に同調します。

常務や社長など、上に立つ者はきっぱりと自分の意見を言うイメージもありますが、取引相手と友好な関係を築いていくためには、柔軟な姿勢も重要なのでしょう。ビジネスだけでなく、日常生活や身近な人間関係にも通じる言葉です。

「自分達が一生懸命作っている製品を愛せなくてどうするんですか。自分達が所属する会社を愛せなくてどうするんですか」

中国・初芝電産の工場で従業員たちのストライキが起き、島は常務として対応にあたりました。会社としての対応や、日本人としての考えなどを誠実に説明しますが、一部が反発します。従業員たちの反日感情も煽られ、島はいくつもの玉子をぶつけられました

しかし、それでも島はひるまず、日本は好きでなくとも自分の作る製品や会社は愛してほしいと演説を続けました。島の言葉を聞き、従業員は全員が持ち場へ戻っていきました。島の仕事への熱い思いと、人の上に立つにふさわしい器の大きさがわかる名言です。

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常務となっても、島の仕事への誠実な姿勢や、多くの人を惹きつける人柄に変わりはありません。一筋縄ではいかない中国の地でも、島はその武器をいかんなく発揮し、事業を成功させていきます。常務として大きな活躍をしつつもどこか親しみのある変わらない島耕作を描く「常務 島耕作」を、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

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