1983年から連載が始まった「島耕作」シリーズ。時代を反映させながら1人のサラリーマンの仕事ぶりと生き様を描くこの作品は、ビジネス漫画の金字塔として連載開始から40年近くが経つ現在でも根強い人気を誇っています。
この記事では「島耕作」シリーズ最新作の「社外取締役 島耕作」をご紹介。作品の概要や見どころ、名言をまとめました。
「社外取締役 島耕作」とは
「社外取締役 島耕作」は、課長から始まり部長、取締役、常務、専務、社長、会長、相談役に続く「島耕作」シリーズの9作目です。2022年3月より講談社のモーニングにて連載が始まり、2025年1月現在も続いています。
主人公の島は前作「相談役 島耕作」にて、入社以来半世紀以上務めた会社を去りました。今作からは、UEMATSU塗装工業のオファーを受け社外取締役となります。
社外取締役は、会社が持続的に成長できるよう努力しているか、外から見張り進言するのが仕事です。社長のワンマン経営となっているUEMATSU塗装工業で、これまでの豊富な経験と広い人脈を活かし、会社をよりよい方向へ導くべく邁進していきます。
「社外取締役 島耕作」のここが見どころ

島耕作が社外取締役に就任したUEMATSU塗装工業は、会長兼社長の植松権兵衛が一代で築き上げた会社です。業界第3位の大手企業であると同時に、植松家のオーナー企業という側面を持っていました。植松権兵衛は高齢のためにそろそろ引退を考え、後継者問題が浮上します。
次期社長候補の一人である副社長の植松圭介は、権兵衛の息子ですが社長の器には足らない放蕩者。もう一人は、権兵衛と愛人との子で、経営者としても優秀な剣持松男です。デキの悪い嫡男と父親の才を引き継ぐ妾の子。そして息子に会社を継がせたい社長の本妻も交え、繰り広げられるお家騒動。昼ドラ顔負けのドロドロとした人間模様が描かれます。
「社外取締役 島耕作」の名言を紹介!
ここからは「社外取締役 島耕作」に登場する名言をご紹介します。
74歳“最後の青春”のスタートだ
島は初めてUEMATSU塗装工業の取締役会へ赴き、社外取締役としての仕事をスタートさせます。そこで目にしたのは、我が強いワンマン社長と、そんな社長に何も言えない社内取締役、そして現状に不満を募らせるほかの社外取締役たちでした。一筋縄ではいかなそうな新しい職場にむしろやりがいを感じた島は、旧知の仲で同じくUEMATSU塗装工業の社外取締役である平瀬と乾杯しながら、このセリフを口にします。何歳になっても仕事を生きがいとし困難を楽しみとすら思える島らしい一言です。
正しいことをしたってそれが社会に受け容れられないことはヤマほどある
孫の耕太郎が務めるニューヨークの高級焼き鳥店を訪れた島。耕太郎は焼き鳥の本当の美味しさを知ってもらいたいと、半生で焼き上げたレバーを客に提供しますが、アメリカ人の客には受け入れられず、憤ります。それを見た島が、耕太郎を諭して言ったのがこの言葉です。いくら正しいことをしていても、相手に受け入れられなければ、ビジネスは発展していきません。島の仕事への柔軟な姿勢がわかる言葉です。
***
長きに渡って愛され続ける「島耕作」シリーズ。現在も連載が続く9「社外取締役 島耕作」では、島は変わらずその辣腕を振るい、ドロドロのお家騒動にも切り込んでいきます。現在も連載が続いているので、これまでに「島耕作」シリーズにあまり触れたことのない人も、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。