こんにちは、松本洋紙店スタッフです。
多業種にわたる松本洋紙店ご愛用者さまから、今回は
アマチュア写真家 島岡章一さまにご協力をいただきお話をお聞きしました。
長く写真用紙をご愛用くださってます。
長野県飯田市に拠点を置き、ニッコールクラブいいだ支部、長野県写真連盟「飯田写友会」に所属してらっしゃいます。
今回は貴重なお写真をなんと7点、掲載させていただきました。ぜひご覧ください。
Q:プロフィールをお教えください
1942年 長野県飯田市出身、在住
高校時代に同級生がカメラを貸してくれたのが最初の出会いでした。もちろんフィルムの時代、生フィルムでコンパクトな四角いカメラだったことを覚えています。写真屋さんでフィルムを詰めてもらって撮影し、また写真屋さんで現像してもらうのです。確かマミヤのカメラだったかと思いますが、ハーフサイズカメラでした。
社会人になってPentax S2を買いました。当時、大卒初任給が1万円の時代、S2は28,000円。一番良いSPは贅沢かな、と、2番目に良いS2を選びました。一眼レフでレンズは標準レンズのみ、ずーっと使って修理代のほうが高くついたけれど今でも持っています。
本格的に取り組んだのは子供がある程度大きくなってからの50歳くらいでした。当時はゴルフが人気。でも、カメラの道を取りました。写真をするなら長野県写真県展に入選しないと、と3年くらい経ってから応募、入選。写真展などの会場で知り合った縁でニッコールクラブや飯田写友会に入れてもらって今に至ります。
略歴
2011年~2014年 飯田市千代公民館写真教室講師
2011年~2019年 飯田市千代まちづくり委員会「よこね田んぼ写真コンテスト」審査委員
2013年~2020年 長野県写真連盟常任理事
受賞歴
1994年 長野県写真県展 新人の部 入選
2005年 第8回熊谷元一写真賞コンクール 信濃毎日新聞社賞
2008年 第56回ニッコールフォトコンテスト カラーの部 特選
2011年 雑誌「日本カメラ」カラーの部 年度賞2位
2012年 雑誌「日本カメラ」 モノクロの部 年度賞6位
ニッコールフォトコン60周年記念賞 受賞
副賞:ベトナム撮影旅行6泊8日2人招待される
2013年 第61回ニッコールフォトコンテスト カラーの部 特選
長野県写真連盟 年度賞1位
雑誌「フォトコン」自由作品の部 年度賞5位
2017年 第65回ニッコールフォトコンテスト モノクロの部 特選
ピクトリコフォトコンテスト2016-2017 自由部門 モノクロ賞
2020年 雑誌「フォトコン」2020年度 組写真の部 年度賞1位
2021年 第69回ニッコールフォトコンテスト カラーの部 特選
第46回JPS 一般部門 入選
2022年 第25回熊谷元一写真賞コンクール 信濃毎日新聞社賞
個展
2019年 写真雑誌「日本カメラ」「フォトコン」 ニッコール入賞作品展
於 飯田市美術博物館
Q:ずっとスナップ写真を撮ってらしたんですか?
写真を始めた頃は、住んでいた長野が自然に恵まれたところなのでネイチャー写真をメインで撮っていました。その後、ニッコールクラブに所属した頃からスナップ写真を撮るようになります。長野県を飛び出し、様々な地域に行ってお祭りを撮ったりその舞台裏を撮ったり。例えば表彰式で写友と顔を合わせ、その後みんなで撮影したりもしました。親交も深まり輪が広がり楽しいだけでなく、何より勉強になりました。
コロナ禍を迎え、車の相乗りもできない、写真旅行もしにくい、そこからあまり作品を生み出すことができなくなりました。そのため、撮りためていた作品を再構成して組写真に仕立てて応募するようになりました。
Q:今回の作品について一言ずつお聞かせください
ほおずき
私の住む地方では少数ですがほおずきが生産され、お盆用として愛知県方面へ出荷されています。この作品は根羽村で撮影させていただいた3枚組の組写真です。長野県写真県展の組写真は厚さ7㎜でA2 (420mm×594mm)のスチレンボードに写真を複数枚貼り付ける規定で縦横混合自由です。写真は切り貼りして構わないのですが、私は松本洋紙店さんのA2の写真用紙にフォトショップで割り付けをしてA2用のプリンターでプリントし、片面糊付のスチレンボードに貼りつけて応募しています。
古桜踏ん張る
飯田市内の正永寺の樹齢推定400年の枝垂れ桜です。かつては風格あるねじれた太い幹から滝のように枝垂れて花を咲かせていました。樹勢が衰えて一本枝垂れとなりましたが老いても踏ん張って花を咲かせている数少ない愛おしい一本桜です。
桃畑でお花見!
長野県下伊那郡高森町で撮影。桃の生産者達の花の摘花作業後の慰労会に遭遇し撮影させていただきました。桜の春、生産者の皆さんは多忙にて、桜の花見どころではありません。摘花作業に追われ自分達の桃畑の中がせめてものお花見会場だそうです。
キノコ採り
長野県下伊那郡で撮影。信州の秋は松茸狩りシーズンです。山帰りの高齢の女性に会い撮影させて頂きました。顔出し写真はNGとの事でこのカットです。顔は防空頭巾みたいな頭巾で頭から包み、足は地下たびをはき、熊よけベルに蚊取り線香と腰びく姿。名人達はキノコというと「松茸」をさし、松茸以外は「よた茸」又は「雑茸」といいます。今日の収穫は不作のようで松茸2本にショウモンジ1本のみですが松茸を見つけた時のドキドキ感がたまらなくて病みつきとの事です。
チワワ集団
長野県下伊那郡阿智村 花桃の里で撮影。桜の終わった4月下旬から5月連休には白、ピンク、赤色と3色の花が咲き分ける花桃見物に観光客が訪れます。今やペットブームで犬の同伴の観光客が多く、グループで観光しているのではないのに何故かチワワ?メンバーが集まってきて愛犬話に花を咲かせているようでした。
早春
長野県下伊那郡天龍村で撮影。長野県の最南端、天龍村では2月の下旬頃に寒桜が咲きメジロが吸蜜にやってきます。ソメイヨシノ開花が待ち遠しい頃です。
視線
静岡県浜松市サンバカーニバルにて撮影。カーニバルが終了し、会場からの帰り道の街の中、高齢のおばさん二人が若い踊り子に向ける表情と視線を背後の看板の視線に絡めてモノクロ表現してみました。数少ない県外撮影写真です。
Q:プリンターは何をお使いですか?
エプソンのPX-5002を使っています。もう10年以上使っています。A2のプリンターは実は仕事でも使っていました。設備設計の事務所をしており、75歳で一旦辞めるとご挨拶したものの、結局78歳まで完全には辞められませんでした。ちなみにA1のプリンターも持っていましたが、こちらはあくまで写真ではなく図面用です。
仕事でCADなど使うこともあり、デジタルへの移行もそれほど抵抗はありませんでした。ただ今悩んでいることがあります。それはPhotoshop。今持っているものは昔のバージョンで、Windows11では使えないのです。わざわざWindows7のパソコンを残しておいてそちらで使っているのですが、インターネットはセキュリティのこともあって繋いでいないため、レタッチ後いちいち今のパソコンにUSBで持ってきています。今更Photoshopを月契約するのもな、と逡巡する日々です。
Q:今後の作品づくりについてお聞かせください
最近スナップ写真を撮るのが難しいと感じています。肖像権の問題もありますし、撮影の許可を取り、コンテストに応募しても良いか許可を取るのも大変です。そんな中、興味があるのは「鳥」です。良いレンズを持っているわけではないのですが、興味のある被写体です。
もうひとつは「星」です。ただこちらにはちょっとした問題が。それは晩酌、です。缶ビールが生活の一部となっている身としては、ついつい飲んでしまって運転できなくて夜出られないことがほとんど。ノンアルコールビールで済ませて、と考えてはいるのですが(笑)。
松本洋紙店スタッフより
島岡さまの作品、組写真が特に印象に残っておりました。最近で言うとフォトコン誌2024年5月号にて特選の「水面変幻」。とても美しくて印象に残る作品なのです。特に一番右の作品は、実は水ではない。。。気になる方はぜひご覧ください。まったく違う時期に撮影した作品を組み合わせるのは、また違う能力が必要なんじゃないかって思います。優秀な編集者って感じ。しかも自分の作品に対する客観的な視点を持っていないとできない気がします。
晩酌をたまに我慢していただき、島岡さまの撮影する星をぜひみてみたい。新たな作品を心待ちにしております。
ちなみに島岡さまご愛用の写真用紙、よろしければこちらからご覧ください。
フォトコンテストに使える写真用紙のページはこちら。