「インクジェットプリンター」とは、一般的には水性のインクを使った「水性インクジェットプリンター」(以下、水性インクジェット)を指します。一方、この記事で紹介する「溶剤インクジェットプリンター」(以下、溶剤インクジェット)とは、文字通り溶剤のインクを用いたプリンターです。水性インクで印刷するよりも、耐水性や耐光性にすぐれた印刷物が作成できます。
この記事では、溶剤インクジェット初心者の方を対象に、その活用法と選び方を解説します。
溶剤インクジェットの活用法
溶剤インクジェットの印刷物は耐水性に優れ、雨や雪に濡れても劣化しにくく、屋外広告物の印刷に適しています。耐光性にも優れ、日光に当たる場所でも色があせにくいのも特徴です。ポスターや立て看板、電飾サイン、ラッピングシートなどの制作に向いています。
溶剤インクジェットは、溶剤で表面が溶ける素材にも印刷できます。具体的には、水をはじく透明な塩ビのシートなどです。さらに、裏にのりが付いたシートに印刷すれば、ラベルやステッカーも作れます。
溶剤インクジェットプリンターの選び方
ひとくちに屋外展示物といっても、上述のとおりさまざまな種類があります。用途に合わせて多種多様な溶剤インクジェットが販売されているので、ここからは用途に合わせた選び方のポイントをお伝えします。
選び方のポイント① カット機能の有無
溶剤インクジェットを選ぶ1つ目のポイントは、カッティング機能の有無です。印刷後のメディア(素材)をカットするためのカッティングマシン(カッティングプロッタ)という専用の機械もありますが、この機能を備えたプリンターなら1台で済みます。
フロアに貼るフットサインや、窓に貼るウィンドウサイン、ステッカーなどを制作するときに、自動で切り抜くことができると便利です。
選び方のポイント② 印刷サイズや印刷スピード
溶剤インクジェットで作れるものは、大きな掲示物から小さなステッカーまでさまざまです。印刷するものの大きさに合ったプリンターを選びましょう。
溶剤インクジェットは大判プリンターが多いのですが、ステッカーや熱転写シート(アイロンシート)制作に使える小型のデスクトッププリンターもあります。
また、高頻度・大量に印刷する想定なら、できるだけ印刷スピードが速い製品を選べば、作業効率が良くなります。
選び方のポイント③ インクの色数
水性インクジェットと同様に、溶剤インクジェットも、基本となる色数はブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色です。この4色から色数が増えると、色の再現性が高まり、高画質の印刷が可能になります。画質を向上させるために搭載される色には、グリーンやオレンジ、レッドなどがあります。
溶剤インクジェットに特徴的な色としては、ホワイトがあります。水性インクジェットは、白い紙に印刷することが多いこともあり、あえてホワイトのインクを搭載することはありません。一方、溶剤インクジェットは、透明のシートに印刷することがあり、このときに下地にホワイトを印刷してから色を重ねると、発色が鮮やかになります。
溶剤インクジェットには、金属光沢が表現できるシルバーインクを搭載した製品もあります。これを用いれば、印象に強く残る印刷物を作成できるでしょう。
以上、溶剤インクジェットの活用法と選び方について解説しました。
溶剤インクジェットは、水性インクジェット以上に活用できる範囲が広いプリンタ―です。屋外展示物やオリジナルステッカーなどを制作するにあたり、小ロットでもコストをかけずに印刷できるメリットもあります。この記事も参考に、自分の目指す用途に合った製品を探してみてください。
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