プリンターはA4やB5といったビジネスでよく使う定番サイズの用紙だけでなく、さまざまな紙に印刷できます。この「さまざまな紙」には、封筒や厚紙、ラベルシールといった、いわゆる普通のコピー紙とは違うものも含みます。この記事では、そんな特殊な紙の印刷に強いプリンターをご紹介します。

商売をやっているお店では、いろいろな紙に印刷できるプリンターが1台あるだけで、いろいろなものが印刷できて便利です。たとえば、お店に貼るポスター、ショップカードやプライスカード、飲食店のメニューなどが簡単に作成できます。定型の用紙以外の印刷にも使えるプリンターを探している人は、ぜひこの記事を参考にしてください。

印刷する用紙を選ばない！特殊印刷向けプリンターの選び方

特殊な印刷に強いプリンターを選ぶポイントの1つは、背面トレイを搭載した製品を選ぶことです。背面トレイは、メーカーによって名称が異なり、多目的トレイや手差しトレイ、後トレイと呼ばれていることもあります。背面トレイは、用紙カセットよりも対応する用紙の幅が広く、定型サイズ以外の用紙や厚みがある紙の印刷に向いています。

ポスターやショップカードなどのデザインに写真を取り入れるなら、写真印刷の鮮明さも重要になります。写真印刷に強いことも、特殊印刷をするプリンターを選ぶときのポイントになりそうです。

特殊印刷に強いプリンター5選

カードサイズからA3ノビまで鮮明に印刷できるEPSON「EP-50V」

EP-50Vは、６色インクを採用したエプソンの高画質プリンターです。印刷可能な用紙のサイズの幅が広く、カード・名刺サイズからA3ノビまで印刷できます。掲示物の作成やPOP、名刺などの作成に便利に使えるプリンターです。

【参考】
EPSON EP-50V

EP-50Vの特徴

・カード/名刺サイズからA3ノビまで印刷可能
本製品のユーザー定義によって指定できる用紙サイズは、最小が54×86mm、最大が329×1200mmです。一般的な名刺のサイズは55×91mmなので、名刺サイズの紙に印刷できるということです。最大については、A３ノビの幅で1200mmまでの長尺の紙に印刷ができます。

・厚さも0.6mmまで対応
背面トレイは、厚さ0.6mmまでの用紙に対応します。画質も高いので、商品のパンフレットや飲食店のメニューなどを、厚手のしっかりした紙に印刷できます。

・６色インク搭載で写真印刷がキレイ
本製品は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの基本となる４色に加えて、レッド、グレーを採用した６色インクを搭載しています。自動で色補正をする機能もあり、写真印刷の画質が高いプリンターです。

EP-50Vの仕様

●価格
参考：５万6000円（税込み・Amazon 22/7/19現在）

●ランニングコスト
A4カラー文書：約6.6円

●対応カートリッジ
SOR-BK ブラック
SOR-C シアン
SOR-M マゼンタ
SOR-Y イエロー
SOR-R レッド
SOR-GY グレー
※各約800円～（Amazon 22/7/19現在）

用紙対応力が高く、コストも安いEPSON「PX-S380」

用紙対応力が高いモノクロプリンターです。モノクロ印刷のみなので用途が限定されますが、印刷コストが安く耐久性も高いビジネス用に適したプリンターです。印刷スピ―ドも早く、業務効率も上がります。

【参考】
EPSON PX-S380

PX-S380の特徴

・幅64mmの小さな用紙から長尺紙まで対応
本製品の背面MPトレイ（多目的トレイ）は、幅は64～215.9mm、長さは127～6000mmまで対応できます。B6ハーフサイズのプライスカードも、長尺の垂れ幕や横断幕も印刷できます。

・大量の印刷が可能でコストが安いインクパックを採用
本製品のインクは、インクパックを交換するタイプです。IP03KAの場合は約5000ページ、IP03KBの場合は約10000ページの印刷が可能で、インク交換の手間を省きます。印刷コストは、A4モノクロ文書１枚約2.1円の安さです。

・毎分24枚の高速印刷が可能
本製品の印刷スピードは、毎分24枚です。ファーストプリントも4.8秒の速さなので、印刷待ちの時間が少なく、業務効率の改善にも貢献します。

PX-S380の仕様

●価格
参考：２万4980円（税込み・Amazon22/7/19現在）

●ランニングコスト
A4モノクロ文書：約2.1円

●対応インクパック
IP03KA ブラック
IP03KB ブラック
※IP03KA約1万600円～、IP03KB約１万5200円（Amazon 22/7/19現在）

写真がキレイな低価格帯のプリンター EPSON「EP-306」

EP-306は、実売価格が１万円台というリーズナブルなプリンターです。低価格ながらも、６色インクを搭載しています。用紙対応力も高いので、特殊印刷に強いけれど、お値段控えめなプリンターを探している人におすすめです。

【参考】
EPSON EP-306

EP-306の特徴

・厚さ0.6mmの用紙まで対応する背面トレイを搭載
本製品が対応している用紙サイズは、L判写真用紙（89×127mm）からA4（210×297mm）まで。背面トレイで0.6mm厚までの用紙が印刷できます。厚紙印刷に強いプリンターです。

・6色インクを搭載した低価格プリンター
本製品は、上位機種並みの6色インクを採用しています。基本4色にライトマゼンタ、ライトシアンが追加されているので、グラデーションがキレイに表現できます。写真印刷の画質が良いので、配布物に写真を掲載したいときに強みを発揮します。

・前面のトレイは2段式で便利
用紙対応力が高い背面トレイのほかに、2段式の前面トレイを採用していることも本製品の特徴です。2種類の用紙がセットできるので、A４とハガキのように使用頻度が高い2種類の用紙をセットしておけば、用紙を交換する手間が省けます。

EP-306の仕様

●価格
参考：１万6281円（税込み・Amazon 22/7/19現在）

●ランニングコスト
A4カラー文書：約12.9円
※増量タイプ使用時

●対応カートリッジ
ICBK70 ブラック
ICC70 シアン
ICM70 マゼンタ
ICY70 イエロー
ICLC70 ライトシアン
ICLM70 ライトマゼンタ
ICBK70L ブラック 増量タイプ
ICC70L シアン 増量タイプ
ICM70L マゼンタ 増量タイプ
ICY70L イエロー 増量タイプ
ICLC70L ライトシアン 増量タイプ
ICLM70L ライトマゼンタ 増量タイプ
※標準タイプ約600円～、増量タイプ約1000円～（Amazon 22/7/19現在）

多彩な用紙が使用できる Canon「TR703a」

本製品に対応する用紙は、フォトシールやマグネットシート、ネイルプリントシールなど、バラエティ豊かなものが販売されています。個人で楽しむのはもちろん、ショップや飲食店などでも店内装飾などに使えます。後トレイに用紙が100枚セットできるのも便利です。

【参考】
Canon TR703a

TR703aの特徴

・バラエティ豊かな対応用紙が販売されている
本機種専用ではありませんが、キヤノン純正の多様な用紙が販売されています。フォトシールやマグネットシートに写真をプリントして好きな場所に貼ったり、ネイルシールをプリントして爪に貼ったりもできます。

・100枚までセットできる後トレイ
本製品は用紙カセットに250枚がセットできるほか、後トレイにも100枚の用紙がセットできる、大量印刷に向いたプリンターです。さらに、後トレイにはハガキを40枚もセット可能。販促用のハガキを送る機会が多い企業で重宝しそうです。

・ブラックを2種類搭載した5色ハイブリッドインクを搭載
本製品には写真印刷に適した染料インクのブラックと、文字印刷に適した顔料インクのブラックが共に搭載されています。プレゼンの資料や店内POPの作成などで、文字も写真もキレイに印刷できます。

TR703aの仕様

●価格
参考：2万70円（税込み・Amazon 22/7/19現在）

●ランニングコスト
A4カラー文書：約11.0円
A4モノクロ文書：約3.5円
※大容量インクカートリッジ使用時

●対応カートリッジ
BCI-380PGBK ブラック 標準
BCI-381BK ブラック 標準
BCI-381C シアン 標準
BCI-381M マゼンタ 標準
BCI-381Y イエロー 標準
BCI-380XLPGBK ブラック 大容量
BCI-381XLBK ブラック 大容量
BCI-381XLC シアン 大容量
BCI-381XLM マゼンタ 大容量
BCI-381XLY イエロー 大容量
BCI-380sPGBK ブラック 小容量
BCI-381sBK ブラック 小容量
BCI-381sC シアン 小容量
BCI-381sM マゼンタ 小容量
BCI-381sY イエロー 小容量
※標準各約1000円～、大容量各約1700円、小容量各約700円（Amazon 22/7/19現在）

チラシやPOP作成にも使えるレーザープリンター brother「MFC-L3770CDW」

本記事ではインクジェットプリンターを中心にご紹介していますが、レーザープリンターにも特殊印刷に便利な機種はあります。トナーを使って印刷するレーザープリンターには、印刷物がにじんだり、かすれたりしにくい利点もあります。

こちらのMFC-L3770CDWは、FAXも使える複合機です。印刷速度が速くランニングコストも安いので、ビジネス用に適したプリンターと言えます。

【参考】
brother MFC-L3770CDW

MFC-L3770CDWの特徴

・コート紙対応で、チラシやPOPの印刷に便利
本製品は、光沢があり高級感があるコート紙に標準対応しています。チラシやPOPに使えば見栄えがする印刷ができますし、飲食店のメニューなどの印刷にも適しています。なおｍコート紙のような表面加工がされた用紙は、インクジェットプリンター用とレーザープリンター用の区別があります。どちらのプリンターに適した用紙か、確認したうえで購入してください。

・封筒などの印刷もできる多目的トレイを搭載
本製品には、用紙対応力が高い多目的トレイが搭載されています。コート紙の印刷も、多目的トレイで行います。ほかには、ラベル紙や封筒やハガキなども印刷可能です。用紙サイズは、幅は76.2～216mm、長さは116～355.6mmに対応しています。

・印刷スピードが速く、コストも安い
印刷スピードは、カラー・モノクロ共に毎分24枚です。両面印刷の場合でも毎分8枚の速さで印刷できます。ランニングコストは、カラー約20.3円、モノクロ約3.6円です。約10万枚印刷できる耐久性があり、コストの削減にも繋がるプリンターです。

MFC-L3770CDWの仕様

●価格
参考：5万2566円（税込み・Amazon 22/7/19現在）

●ランニングコスト
A4カラー文書：約20.3円
A4モノクロ文書：約3.6円

●対応トナーカートリッジ
TN-293BK ブラック
TN-293C シアン
TN-293M マゼンタ
TN-293Y イエロー
TN-297C シアン 大容量
TN-297M マゼンタ 大容量
TN-297Y イエロー 大容量
※ブラック約9700円～、カラー各約8100円、カラー大容量各約1万1600円（Amazon 22/7/19現在）

特殊印刷に強いプリンター5機種のスペック比較表

製品名	EP-50V	PX-S380	EP-306	TR703a	MFC-L3770CDW
メーカー	EPSO	EPSON	EPSON	Canon	brother
発売年	2017年	2018年	2013年	2022年	2018年
参考価格	5万6000円	2万4980円	1万6281円	2万70円	5万2566円
本体サイズ （幅×奥行×高さmm）	476 × 369 × 159	425 × 535 × 357	390 × 338 × 141	約372 × 365 × 158	410 × 509 × 414
カラー 印刷速度 （A4文書 毎分）	―	―	―	約10枚	約24枚
モノクロ 印刷速度 （A4文書 毎分）	―	―	―	約15枚	約24枚
印刷解像度 （dpi）	5760×1440	1200×2400	5760×1440	4800×1200	600×2400
Wi-Fi	〇	〇	〇	〇	〇
自動両面 印刷	〇	〇	〇	〇	〇
最大用紙 サイズ	A3ノビ	リーガル	リーガル	リーガル	A4
最大給紙 枚数	250枚	880枚	101枚	350枚	280枚
カラー 印刷コスト （A4文書）	約6.6円	―	約12.9円	約11.0円	約20.3円
モノクロ 印刷コスト （A4文書）	―	約2.1円	―	約3.5円	約3.6円

※一部データはリストの用紙条件（A4文書）が公式サイトに開示されている情報と適合しないため、不明という意味で「―」としています。

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今回はさまざまなサイズや厚さの用紙、ラベル紙などの印刷に強いプリンターをご紹介しました。プリンターは、書類や写真を印刷するだけのものではありません。横断幕のような長尺の用紙や、名刺のような小さな用紙の印刷もできますし、封筒やラベル、厚紙印刷などにも使えます。本記事でご紹介したような製品を使って、プリンターをより幅広く活用してください。

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