印刷ネタ

紙の寸法ABC♪用紙サイズがわかれば紙がもっと好きになる!楽しく覚える印刷用語

印刷業界に身を置いていらっしゃる方々には当たり前の紙のサイズ知識。でも、一般の方にとっては、聞いたことはあるけどどんなサイズか想像できないものがちらほら。いつも使っている用紙のサイズでも、一体どんな経緯でそんな名称がついているのか、深く考える機会はあまり多くはないかもしれません。
松本洋紙店での紙の取り扱っている紙の種類は、多岐に渡るのですが、各種サイズに対応しているので、おのずとサイズの知識が身につきます。新米スタッフも、だんだんと紙の寸法がどんな風になっているのかわかりかけてきました。紙の知識が増えれば増えるほど、紙への愛が深まります。
そんなわけで、今回は、「知っていれば、紙がもっと好きになる!」そんな用紙サイズの豆知識をまとめてみました。

用紙サイズの基本のキ!A判・B判について

コピー用紙でおなじみの「A4」や「A3」、「B5」や「B4」。よく使うサイズでありながら、どうしてそんな名前がついているのかみなさんはご存知でしょうか?
A判とB判の違いは、とっても簡単!
A判(A列):国際規格(ISO-Aシリーズ)
世界各国で使われている仕上がり寸法の国際規格(ISO)。ドイツの工業規格「DIN 476」を基にしている。
B判(B列):日本独自規格(JIS-Bシリーズ)
日本国内の伝統的な規格(JIS)。江戸時代に公文書に使用する紙を美濃紙に決めたことから、美濃紙のサイズに由来。
として、(日本の)規格サイズの名称に使われています。
どちらも0〜10の数字がふられていて、「0」を原点に数字が増えていくにつれ、用紙サイズが小さくなっていきます。ABどちらも、短辺と長編の比率は、「1:√2」になっています。ちなみに、この比率は「白銀比(はくぎんひ)」と呼ばれています。

白銀長方形と工業規格
一辺と他辺が1:1+√2となる長方形を白銀長方形(英語: silver rectangle)と呼ぶ。また、1:√2の白銀比の長方形も白銀長方形と呼ばれるため注意が必要だが、こちらはルート長方形とも呼ぶ。以下、混同を防ぐため、1:1+√2の白銀比の長方形を「1:1+√2白銀長方形」、1:√2の白銀比の長方形を「1:√2白銀長方形」とする。
ISO 216規格で定められる紙の寸法は1:√2白銀長方形となっているが、このような紙を向かい合う長辺の中点を結ぶ線分により2分割する(簡単に言うと、短辺を合わせるように折る)と、それもまた1:√2白銀長方形となる、すなわち元の紙と相似となる。例としてA4規格の紙を2分割して得られる長方形がA5規格である。

引用元:白銀比 – Wikipedia

下の図を見れば、A判とB判の大きさ感が一目瞭然です!

※AB判というA判とB判の片辺同士をミックスさせた変形サイズもあります。
寸法の詳細は、下記の表にまとめています。用途も参考にしてみてください。

A列 寸法 用途
A0(A倍) 841×1189mm ポスター
A1(A全) 594×841mm 新聞紙(見開き)・ポスター
A2 420×594mm ポスター
A3 297×420mm 選挙ポスター・二つ折りカタログ
A4 210×297mm コピー用紙・チラシ
A5 148×210mm 書籍
A6 105×148mm 文庫本
A7 74×105mm メモ帳・カード
B列 寸法 用途
B0 1030×1456mm ポスター
B1 728×1030mm ポスター
B2 515×728mm ポスター
B3 364×515mm 中吊り広告
B4 257×364mm 折り込みチラシ
B5 182×257mm 大学ノート・週刊誌・漫画雑誌
B6 128×182mm 単行本
B7 91×128mm 手帳

 

一般的な複合機にある4〜5段の給紙カセット(給紙トレイ)には、用紙サイズをそれぞれ分けて入れておくことができます。

おもな規格サイズ

A判B判のほかにも、もちろんたくさんの規格サイズがあります。こちらも表にまとめてみました。

規格 寸法 備考 用途
カード 54×86mm A4サイズから10面とれます クレジットカード・ポイントカード
名刺 55×91mm A4サイズから10面とれます 名刺
はがき 100×148mm A4サイズから4面とれます 郵便はがき・官製はがき・ポストカード
CDジャケット 120×120mm 二つ折り用は120×240mm CDジャケット・歌詞カード
DVDジャケット 273×183mm アマレーサイズ DVDジャケット
 286×183mm ワーナーサイズ
 268×183mm スリムサイズ
ブルーレイジャケット 268×149mm 標準サイズ ブルーレイジャケット
 263×149mm スリムサイズ
L判 89×127mm A4サイズから4面とれます 写真
2L判  127×178mm B5サイズから2面とれます
 半切(はんせつ)  356×432mm
四切(よつぎり) 254×305mm
六切(むつぎり)  203×254mm
八切(やつぎり)  165×216mm
キャビネ  120×165mm
 KG  102×152mm
レターサイズ 216×279mm(8.5×11インチ) A4サイズの1.2倍の価格+断裁加工賃 レター・社内文書
リーガルサイズ 215.9×330.2(8.5×13インチ)
215.9×342.9(8.5×13.5インチ)
215.9×355.6(8.5×14インチ)
B4サイズの価格+断裁加工賃 社内文書
正角天板
280×280、300×300)
330×330mm ロールケーキ用

 

レターサイズ、リーガルサイズとは?

レターサイズは、北米(アメリカ、カナダ、メキシコ)で使用さてれいる用紙のサイズ。
国際判と日本では呼ばれることがありますが、レターサイズは国際基準規格ではありません。
リーガルサイズもアメリカで使用される用紙で、主に契約文書法的文書に使われます。
◆レターサイズ:
8.5×11inch(215.9×279.4mm)
◆リーガルサイズ:
8.5×13inch(215.9×330.2mm)
8.5×13.5inch(215.9×342.9mm)
8.5×14inch(215.9×355.6mm)

おもな原紙規格サイズ(紙の原紙寸法)

いろいろサイズが出たところで、大切な原紙サイズ(紙のもともとの大きさ、仕上がり寸法に裁つ前の紙)についても知っておく必要がありますね!

規格 寸法
四六判 788×1091mm
B判 765×1085mm
菊判 636×939mm
A判 625×880mm
ハトロン判 900×1200mm
L判 800×1100mm
K判 650×950mm

四六判について

明治時代にイギリスから輸入した「クラウン判」が大八つ判と呼ばれ、それから4寸×6寸のページが32面取れるので明治後半頃から大八つ判から四六判と呼ばれるようになったとされる。

引用元:四六判 – Wikipedia

イギリスの紙の規格寸法であるクラウン判(787×1092mm)は、日本で江戸時代から親しまれている美濃判の約8倍の大きさ(788×1091mm)にあたるため、大八ツ判として販売されました。
4寸×6寸のページを32面取ることができ、横4寸2分・縦6寸1分の本になることから、この判型を四六判と呼ぶようになり、原紙の名称も四六判となりました。

ハトロン判について

ドイツ語の「patronen papier:パトローネン パピアー(弾丸の薬莢を包む紙)」が語源とされています。
もともとは耐久性に優れた包装紙の名称で、「ハトロン紙」(別称:パトロン紙)として日本に輸入されました。このハトロン紙が3尺×4尺(909×1212mm)だったため、現在では900×1200mmのサイズをハトロン判と呼んでいます。

菊裁について

商業印刷では、仕上がりサイズより大きいサイズの紙に印刷し、その後、仕上がりの線を裁断して仕上げます。
例えば、A4サイズの仕上がりのものを印刷するときは、一回り大きいサイズの紙である「菊判」を用意します。菊判のネーミングはとっても粋!

サイズは縦939mm×横636mm(3尺1寸×2尺1寸)。明治の中頃に日本橋の川上正助店が、横浜にあるアメリカン・トレージング商会に注文しアメリカから輸入した。当初は新聞用紙の寸法だったがそれだけでは不経済であり、一般の出版物にも使われ始めた。販売するにあたって商標をどうするか検討した結果、
・輸入紙の商標がダリアの花であり、ダリアは菊に似ていること
・この紙が新聞に使用されており、新聞の「聞」の字は「きく」と読むこと
・菊は皇室紋(菊花紋章)であること
などの理由から菊の花を商標にし「菊印判」として売り出したといわれる。次第に菊印判が流行し、いつの間にか菊印判を略して菊判と通称されるようになった。

引用元:菊判 – Wikipedia

仕上がりがAサイズのものを印刷するには、菊全判(636×939)や菊半裁(469× 636)に複数面付けして印刷し裁断します。

ロール紙のサイズと規格

ロール紙の存在も忘れてはいけませんね!ロール紙にも、ISOやJISの規格(幅)があります。
こちらも表にまとめてみました。仕上がりサイズがそれぞれ2種類取れるので、希望サイズや枚数を参考にしてみてください。

幅(mm) 幅(インチ) 幅(規格) 仕上りサイズ 50m巻 40m巻
297mm 12インチ ISO A3 A3(297×420mm) 約118枚
ISO A4 A4(210×297mm) 約237枚
420mm 16.5インチ ISO A2 A2(420×594mm) 約83枚
ISO A3 A3(297×420mm) 約167枚
515mm 10インチ JIS B2 B2(515×728mm) 約68枚
JIS B3 B3(364×515mm) 約137枚
594mm 23インチ ISO A1 A1(594×841mm) 約58枚 約47枚
ISO A2 A2(420×594mm) 約119枚 約95枚
610mm 24インチ A1ノビ、A2ノビ
728mm 29インチ JIS B1/B2 B1(728×1030mm)B2(515×728mm)
841mm 33インチ ISO A0 A0(841×1189mm) 約41枚 約32枚
ISO A1 A1(594×841mm) 約83枚 約66枚
914mm 36インチ A0ノビ 約41枚 約32枚
A1ノビ 約83枚 約66枚
1030mm 41インチ JIS B0/B1 B0(1030×1456mm)B1(728×1030mm)
1067mm 42インチ B0ノビ、B1ノビ
1118mm 44インチ B0ノビ、B1ノビ
1270mm 50インチ
1370mm 54インチ
1524mm 60インチ

A3ノビとは?

A3サイズよりも一回り大きい(伸びている)サイズを一般的にA3ノビと呼び、正式に定められた規格はありません。
ノビ部分はトンボを付ける際に必要な余白で、メーカーによって紙の寸法は異なります。

みなさんはどのサイズの紙がお好きでしょうか?

紙って、奥が深いですね!知れば知るほど、愛が深まります♪
松本洋紙店では、対応可能な商品はどれでもオリジナルサイズにカットできます!
A4やA3などの規格サイズだけはなく、希望のサイズに名刺からA1サイズまでmm単位で裁断加工可能。加工賃は1種類何枚でも1,000円(税別)です。
紙を購入して別途断裁工賃をカートに入れていただき、備考欄に希望サイズを書くだけで簡単オーダーメード紙が注文できます。ロール紙も1本単位から希望幅にスリット加工可能です。(一部商品を除く)
断裁加工
ロール紙スリット加工
探しているサイズの紙がない!という方は、ぜひぜひご利用ください!

松本洋紙店
検索